プロが語る世界情勢・政治・経済金融の最前線!

The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2022/07/04 06:30  | by Konan |  コメント(0)

Vol.158: 日銀短観


今回は1日に公表された日銀短観を紹介します。製造業と非製造業で明暗が分かれたこと、価格上昇の影響が色濃く出たこと、そうした中でも設備投資に積極的な姿勢が示されたこと、などが特徴です。

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業況判断明暗
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今回の短観では、製造業の業況判断が悪化、非製造業は改善しました。ウクライナ侵攻を契機とした資源価格高騰や不確実性の増大、更には中国におけるロックダウンの影響がとくに製造業に悪影響を及ぼす一方、コロナの状況改善がプラスに働きました。

・業況判断は数字が大きいほど良く、「良い」「悪い」の回答が拮抗するとゼロ、マイナス幅の拡大は業況悪化を表します。以下の仕入価格・販売価格等も同じですが、理論的には-100(「良い」との回答ゼロ)から100(「悪い」との回答ゼロ)の間で数字は動き、0が拮抗点です。
・最も注目される大企業製造業は、前回14の後、今回9 先行き見通し10となりました。中小企業製造業は前回-4 今回-4 先行き-5です。
・大企業非製造業は、前回9 今回13 先行き13と改善です。コロナ禍の影響を最も受けた宿泊・飲食サービスは前回-56 今回-31 先行き-18となり、水面下のままですがかなりの改善です。中小企業非製造業は前回-6 今回-1 先行き-5です。
・全ての企業の業況判断は、前回0 今回2 先行き-1と概ね横ばいです。

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仕入価格上昇
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仕入価格は上昇傾向です。販売価格も上昇ですが仕入価格の上がり方に追い付きません。この影響もあり、とくに製造業では大企業も中小企業も2022年度減益予想です。

・仕入価格・販売価格は、数字が大きいほど「上昇」の回答が多いことを示します。
・大企業、中小企業とも同じ傾向なので中小企業で説明すると、製造業は前回70から今回79に跳ね上がり、先行きも76です。販売価格も前回23 今回35 先行き43と「上昇」の回答が増加傾向ですが、仕入価格上昇になかなか追い付かないことがみてとれます。79は大半の企業が仕入価格上昇に直面していることを示す極めて高い(最大である100に近い)数字です。
・非製造業は、仕入価格で前回48 今回58 先行き60、販売価格で前回12 今回21 先行き27です。製造業ほどではありませんが、似た傾向です。
・経常利益でみると、中小企業全体で2021年度+27.5%増益後、2022年度は-8.0%の減益が見込まれています。

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設備投資増加、人手不足続く
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GDPに影響する設備投資(ソフトウェア・研究開発を含み土地投資を除くベース)は、全体で2021年度+1.2%の後、2022年度+13.1%の大幅増が予想されています。前回調査比でも+5.5%上方修正です。

雇用人員判断(マイナスが大きいほど不足)は全体で前回-24 今回-24 先行き-28と不足感が継続しています。

資金繰り判断(プラスが大きいほど楽)は全体で前回10 今回12と「楽」超継続です。

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あとがき
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酷暑ですね…。その疲れに加え、予期せぬ出来事での仕事の繁忙が続き、最近の人間ドックで右目視力の大幅低下が発覚。初めて白内障が疑われました。そうした状況なので、JDさん、Saltさん、永田町さんにお任せし、当分隔週くらいでの執筆にとどめます。ご容赦ください。三陸うにで早く元気を取り戻したいところです(笑)。。

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