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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2022/01/31 06:30  | by Konan |  コメント(0)

Vol.141: IMF世界経済見透し


今回は25日に公表されたIMF(国際通貨基金)の世界経済見通し(World Economic Outlook: WEO)を簡単に紹介します。最後に来月以降の執筆頻度変更をお伝えします。

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2022年見通し下方修正
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今回のWEOは理解しやすい内容でした。特徴は米中という世界2大経済の大幅下方修正を主因に、2022年の成長見通しが前回(昨年10月)対比下方修正されたことです。

具体的には、世界全体の見通しは、2020年-3.1%、2021年+5.9%の後、2022年+4.4%、2023年+3.8%となりました。前回の2022年見通しは+4.9%だったので、-0.5%もの下方修正です。

下方修正が目立ったのが米国と中国です。米国は2020年-3.4%、2021年+5.6%の後、2022年+4.0%、2023年+2.6%で、2022年は前回対比何と-1.2%もの下方修正。中国は2020年+2.3%、2021年+8.1%の後、2022年+4.8%、2023年+5.2%で、2022年は前回対比-0.8%の下方修正です。なお、米中以外でも、欧州諸国や中南米諸国の2022年下方修正が目立ちます。因みに日本は2020年-4.5%、2021年+1.6%の後、2022年+3.3%、2023年+1.8%で、2022年は辛うじて+0.1%上方修正です。

米国下方修正の理由は「BBB法案が成立しないこと、金融緩和解除の前倒し、継続する供給不足」、中国下方修正の理由は「厳格な新型コロナ政策に起因するパンデミック関連の混乱(民間消費の予想を下回る回復)、不動産デベロッパーの間で長期化している金融ストレス(不動産部門の減速)」です。直観に合う説明です(前回10月が甘過ぎた気もしますが…)。世界全体では、「オミクロン株の蔓延による移動制限」「エネルギー価格上昇と供給中断による予想以上に広範囲に渡る激しいインフレ」が指摘されます。

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下方リスクに注意
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リスクは景気下振れ方向とみています。挙げられた論点は:

・サプライチェーンの混乱、高水準のエネルギー価格、局所的な賃金上昇圧力によるインフレ
・新型コロナの新たな変異株出現
・先進国が利上げを実施することに伴う金融安定性を取り巻くリスク、新興市場国・発展途上国の資本フロー・通貨・財政状況に関するリスク
・地政学的緊張の高さ
・気候異常事態

です。何れも頷ける点です。

なお、コロナ前の世界経済成長率は3%台半ば前後でしたので、2023年世界経済+3.8%はそれに戻る過程にあることを示す数字です。ただIMFは、先進国は概ねコロナ前の成長トレンドに復した一方、新興国等はそこまで戻り切らないとの「格差」にも警鐘を鳴らします。ワクチン接種等に見られる先進国との違いや財政出動余力の差が明暗を分けています。

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執筆頻度を落とします
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さて、新ひとり言開始当時は月2回としていた執筆頻度、コロナ禍以降話題が増えたこともあり原則毎週を維持してきました。そうした中で、今年入り後に仕事面での変化があり、そちらに割く時間を確保するため執筆頻度を暫くの間減らします。

具体的には、このコーナーでは内閣府月例経済報告(毎月)と日銀金融政策決定会合(年8回)を公表の都度紹介します。12か月のうち4カ月は月例経済報告のみ、8カ月は両方紹介しますが、月により内閣府と日銀が同じ週に重なることも別の週になることもあります。要は、この2つの紹介で月1回ないし2回の執筆頻度となる訳です。

このほか、その時々の話題を月1回執筆します。結果として執筆頻度は月2、3回になります。月によりもう少し書くことがあるかもしれませんし、新たな仕事に慣れてくれば毎週執筆に戻すことも可能かもしれません。ただ、少なくとも今年前半はこうします。

なお、私だけメルマガ化されていないので、そろそろ無料メルマガ化も行いたいと思います。編集部さんが準備しています(いるはずです)。準備が出来次第お伝えします。

それではこの辺で。

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