2021/11/29 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.133: 月例経済報告
今回は25日に公表された内閣府月例経済報告を簡単に紹介します。
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現状:基調判断上方修正
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現状の基調判断は上方修正されました。先月は「新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、そのテンポが弱まっている」との表現でしたが、今月は「感染症による厳しい状況が徐々に緩和されつつある」とされ、また持ち直しの動きに関し「そのテンポが弱まっている」ではなく「弱さがみられる」とされました。需要項目をみると、個人消費が「持ち直しの動き」と少し上方修正、他方で輸出は「増勢が鈍化」(=一応増えている)から「おおむね横ばい」とされました。
・基調:景気は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和されつつあるものの、引き続き持ち直しの動きに弱さがみられる
・個人消費:一部に弱さが残るものの、持ち直しの動きがみられる
・設備投資:持ち直している
・住宅建設:このところ持ち直しの動きがみられる
・公共投資:高水準にあるものの、このところ弱含んでいる
・輸出:おおむね横ばいとなっている
・輸入:このところ弱含んでいる
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先行き:判断維持
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先行きの基調判断は、表現はいくつか変わりましたが、判断自体は維持されました。例えばコロナに関し「経済社会活動が正常化に向かう」との表現が入り、また先月の「サプライチェーン」という言葉が「供給面での制約や原材料価格の動向」と詳しくなりました。ただ「持ち直しを期待」「リスクに十分注意・注視」の構造は不変です。
・基調:経済社会活動が正常化に向かう中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待される。ただし、供給面での制約や原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意する必要がある。また、感染症による内外経済への影響や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある
・個人消費:経済社会活動が正常化に向かう中で、持ち直していくことが期待される
・設備投資:不透明感が残るものの、成長分野への対応等を背景に、機械投資を中心に持ち直し傾向が続くことが期待される
・住宅建設:持ち直しの動きが続くと見込まれる
・公共投資:弱含みで推移していくことが見込まれる
・輸出:海外経済が改善するなかで、持ち直していくことが期待される。ただし、供給面での制約や海外経済の動向による下振れリスクに注意する必要がある
・輸入:経済社会活動が正常化に向かう中で、次第に持ち直していくことが期待される。ただし、供給面での制約などによる下振れリスクに十分注意する必要がある
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新たなコロナウイルス
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そうした中、先週金曜日の市場を揺るがしたのが南アフリカなどでみつかった「オミクロン株」と呼ばれる変異株の登場です。そうでなくても欧州で感染が再拡大し「なぜ日本だけ少ないか」不思議な状況だったので、今後の展開が本当に心配になります。
逆に言えば、新年会に回そうとした集まりを急遽忘年会に切り替える動きが強まるかもしれません。私自身、10月以降飲み会の数が毎月2桁となり、体力的にもきつくなっています。コロナ下で飲む量が減っていたので、酒に弱くなったのでしょうか…
mRNAの強みは、新たな株に対し有効なワクチンを2か月ほどで開発できることにあると聞いたことがあります。そうした科学技術の進歩と、日本において今度こそ医療体制の強化が図られることを願います。岸田政権の正念場が早々に訪れるかもしれません。
今回はこの辺で。次回は「政治」の続きを書きます。
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