2021/08/30 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.120: 月例経済報告
今回は、8月26日に公表された内閣府月例経済報告を説明します。
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景気現状判断不変
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景気の基調判断は、3か月続けて不変(一文字の修正も無し)でした。需要項目では輸入のみ微修正(下方修正)されました。
・基調:景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している
・個人消費:サービス支出を中心に弱い動きとなっている
・設備投資:持ち直している
・住宅建設:底堅い動きとなっている
・公共投資:高水準で底堅く推移している
・輸出:緩やかな増加が続いている
・輸入:このところ持ち直しの動きに足踏みがみられる
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先行き見通しはやや下方修正
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先行きの基調判断は、先月の「感染の動向が内外経済に与える影響に十分注意」から「感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意」に下方修正されました。需要項目では、個人消費と輸出・輸入が基調判断同様に下方修正されました。
・基調:感染拡大の防止策を講じ、ワクチン接種を促進するなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されるが、感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要がある。また、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある
・個人消費:感染拡大の防止策を講じるなかで、持ち直しに向かうことが期待されるが、感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要がある
・設備投資:不透明感が残るものの、成長分野への対応等を背景に、機械投資を中心に持ち直し傾向が続くことが期待される
・住宅建設:底堅く推移していくと見込まれる
・公共投資:底堅く推移していくことが見込まれる
・輸出:海外経済が改善するなかで、増加傾向が続くことが期待される。ただし、一部地域を中心とした感染の再拡大によるリスクに留意する必要がある
・輸入:持ち直していくことが期待されるが、感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要がある
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盛り上がらない政局
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東京での新規感染者数は少し減ったように思いますが、2週間前お盆休みで静かだったためかもしれません。医療体制の深刻さは続き、ワクチン難民も溢れます。
アフガニスタンはISも登場し益々混迷をきわめています。バイデン大統領の信認も揺らぎ始めています。そしてここでも日本政府の初動の遅さが指摘されています。
横浜市長選挙を経て漸く岸田さんが立候補を表明し、政局が見物と思っていましたが、なかなか盛り上がる気配がみえません。総裁選は1か月先なので当然かもしれませんが、菅vs.岸田では盛り上がりようが無いからかもしれません。しかし「誰が総理をやっても上手くいかない」と開き直ることは如何かと思います。こうした難局を乗り切ることこそ政治の役割であり、総理・総裁を目指す醍醐味と思うのですが。
9月に入り、感染症の状況が少しでも改善に向かい、総裁選挙が意味ある争いに化けていくことを期待しつつ、今回はこの辺で。
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