2020/11/30 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.82: 月例経済報告と桜とコロナのこと
今回は25日に公表された内閣府月例経済報告を紹介した後、最近の政治の動きについて簡単な感想を記します。
まずは月例経済報告。
(現状)
・全体:景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる
・個人消費:持ち直している
・設備投資:このところ減少している
・住宅建設(投資):弱含んでいる
・公共投資:堅調に推移している
・輸出:持ち直している
・輸入:このところ弱含んでいる
(先行き)
・全体:感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待される。ただし、感染症が内外経済を下振れさせるリスクに十分注意する必要がある
・個人消費:持ち直しが続くことが期待される
・設備投資:当面、慎重な動きが続くと見込まれる
・住宅建設(投資):弱含みで推移していくと見込まれる
・公共投資:堅調に推移していくことが見込まれる
・輸出:持ち直しが続くことが期待される
・輸入:持ち直しに向かうことが期待される
現状の基調判断(全体)は先月と同じです。先行きについては「感染症が内外経済を下振れさせるリスクに十分注意」と、先月の淡々とした表現(国内外の感染症の動向を注視)より引き締まりました。需要項目の中では設備投資が「弱い動き」から「減少」に下方修正されました。
日本経済については、前回GDPについて説明したように4~6月期に比べると回復傾向にあります。ただ力強さを欠き前年比もマイナスです。また、ここにきての感染拡大が足枷となる可能性も出ており、なかなか見通しが開けません。
さて政治。高い支持率を得て始動した菅内閣でしたが、日本学術会議とコロナ禍を受け失速の気配です。また、安倍前総理の桜を見る会を巡る答弁が虚偽だった可能性も浮上しました。
私自身、森友、桜、学術会議などスキャンダル系ばかり取り上げ、政策面での能力発揮や貢献が見えない一連の野党の動きに失望しています。あえて同情するとすれば、余りに大きな議席数の差を前に下ネタ以外勝ち目が無い現状は致し方ないということかもしれません。
ただ、安倍内閣にしても菅内閣にしても、圧倒的議席差に胡坐をかき、野党を馬鹿にし、碌な答弁もしない姿勢が目立ちます。そうした姿勢が続くと、流石に国民の目から見て疑問符がついてきます。争点が桜などに止まる間はまだ良いですが、コロナの感染拡大・医療逼迫懸念のような大事な問題になると、言葉が信じられていないことが致命傷になってきます。菅総理の「暮らしと命を守る」という言葉、どれほど信じられているのでしょうか?単にお気に入りのGoToに固執しようとして判断が遅れ、分科会の反乱を招いたということではないでしょうか?小池都知事の国に責任をなすりつけようとする言動も同様で、都民として彼女を信じる気になれません。なお、根拠は全くありませんが、日本学術会議を巡り政権が学界の人事に手を突っ込もうとしたことが、専門家である分科会メンバーの闘争心に火を付けたのではないかと勘繰ったりもします。
欧米に比べ感染者数が圧倒的に少なく、その意味で封じ込めに成功している日本で医療体制逼迫を心配せざるを得ない現状は悲劇です。皆真剣にマスクをつけ、手を洗い、様々な我慢をしています。それなのになぜ医療が持たないのか?
医療体制を強化する明確な道筋と予算を示すことが出発点です。その実現とワクチン実用化までの間、一定の活動制限はやむを得ません。そのために苦しむ飲食店等や雇用者に対しては、救済と構造転換を同時並行的に進めることが必須です。別な考え方もあるかもしれません。ただ、いずれにしてもシンプルなメッセージを真摯に伝え実行して欲しいと思います。
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