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The Gucci Post [国際政治・経済・金融 × プロフェッショナル]

2020/10/05 06:30  | by Konan |  コメント(0)

Vol.74: 月例経済報告と短観


今回は、9月24日公表の内閣府・月例経済報告と10月1日公表の日銀短観を取り上げます。

まずは月例経済報告から。

(現状)
・全体:景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、このところ持ち直しの動きがみられる
・個人消費:一部に足踏みもみられるが、持ち直している
・設備投資:弱い動きとなっている
・住宅建設(投資):弱含んでいる
・公共投資:堅調に推移している
・輸出:持ち直している
・輸入:おおむね横ばいとなっている

(先行き)
・全体:感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待される。ただし、国内外の感染症の動向や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある
・個人消費:持ち直しが続くことが期待される
・設備投資:当面、慎重な動きが続くと見込まれる
・住宅建設(投資):弱含みで推移していくと見込まれる
・公共投資:堅調に推移していくことが見込まれる
・輸出:持ち直しが続くことが期待される
・輸入:持ち直しに向かうことが期待される

全体の現状判断は先月と不変です。需要項目でみると、輸出がやや強めに、設備投資がやや弱めに修正されています。今月は、先月までに比べ日本語として読み易くなった印象があります。理由は不明ですが、人事異動の影響でもあるのでしょうか?

なお、10月13日にIMF世界経済見通しの改定版が公表される予定です。IMFの広報官が「6月時点の見通し対比上方修正される」旨の予告的アナウンスをしています。欧州で再び新規感染者が増えつつある中、難しい判断になると思いますが、世界的には7~9月期が予想より良かった(マシだった)ということでしょうか。

次に短観です。前回大幅悪化後、どの方向に動くか注目されていましたが、方向は持ち直し、水準感は引き続き厳しいというのが、大方の評価でしょうか。

日銀短観は、歴史的に製造業大企業の業況判断が最も注目されます。前回-34と大きく悪化後、今回は-27、先行きも-17と底を打った印象です。同じ製造業でも中小企業は前回-45、今回-44、先行き-38と厳しい見方です。非製造業大企業では、前回-17、今回-12、先行き-11、非製造業中小企業では、前回-26、今回-22、先行きー27と製造業より「マシ」な数字となっています。なお、今回も自動車、対個人サービス、宿泊・飲食サービスの3つの業種の悪さが際立ちました。大企業・今回だけ取ると自動車-61、対個人サービス-65、宿泊・飲食サービス-87となっています。

以下全産業・全規模だけ抜き出すと、以下のようになっています。

・売上高(2020年度計画):前年比-6.6%、前回比修正率-2.8%
・経常利益(同上):前年比-28.5%、前回比修正率-10.8%
・設備投資額(含む土地投資額、同上):前年比-2.7%、前回比修正率-1.9%
・雇用人員判断:前回-6(マイナスが大きいほど不足感が大きい)、今回-6、先行き-10
・資金繰り判断:前回+3(プラスが大きいほど楽である)、今回+5

経常利益は前回調査対比かなり下振れました。しかし、設備投資額は意外なほど踏み止まりました。雇用人員判断もかつての大幅不足と様変わりとは言えまだ不足感が残り、資金繰り判断もかつての「超楽」と様変わりとは言えまだ楽と感じる先が多い状況です。

何となく直観と合わない印象もありますが、コロナ禍の影響が特定の業種に集中して表われていること、実行が遅いなど批判は絶えませんが、一応政府や日銀の支援策が部分的であっても効を奏していることなどが理由と思います。また、業況判断に関しては、前回は全く先が見通せない不確実性が極めて高い状況であったのに対し、今回はどの程度悪いか見通しが少しつくようになったということもあるかもしれません。

もう10月。気温も大分下がり過ごしやすくなりました。トランプ大統領の新型コロナ感染、東証のシステムダウンなど、日々ニュースは尽きませんが、JDさん、Saltさんがメルマガとツイートで随時カバーしてくれるので、私も大変助かっています。日本では10月解散説は消えてきましたが、11月説、来年4月説が拮抗する状況でしょうか。今回はこの辺で。

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