ブログ記者によるオンライン新聞 グッチーポスト

The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2019/12/16 06:30  | by Konan |  コメント(2)

Vol.37: いくつかの指標

年末が迫ってきましたね。Gucci Postも、クロコダイル通信終了というとても残念なニュースが飛び込んできましたが、他方でJDさん、経済ZAP新執筆者の方(私にもまだ謎です?!)、そして編集部のご努力で、新たな進化と更なる発展への道筋が見えてきたように感じます。

今回は簡単に最近話題になった日本のいくつかの指標を取り上げます。経済ZAPで日本の経済指標は日本の株価にも影響を与えないと喝破されてしまいましたが、めげずに頑張ります(笑)。

順番的には6日に公表された景気動向指数10月分速報でしょうか。既に皆さんご存知のように、一致指数は前月対比5.6ポイント下降しました。寄与度をみると、商業販売額(小売業)の-1.29ポイントを筆頭に投資財出荷指数(除輸送機械)-1.11、商業販売額(卸売業)-1.11、生産指数(鉱工業)-0.72と並び、消費、投資、生産全てマイナスの寄与です。基調判断も「景気動向指数は、悪化を示している」とされました。

次は9日に公表された7-9月期GDP2次速報。こちらは1次速報(前期比+0.1%、年率+0.2%)から大きく上方修正され、前期比+0.4%、年率+1.8%とまずまずの伸びとなりました。とくに国内需要が1次速報の前期比(寄与度も偶然同じ数字です)+0.2%から+0.6%と大きく上方修正、純輸出は寄与度-0.2%のままと、海外需要の悪さを国内需要が補った格好です。前期比で見ると、民間最終消費支出は+0.4%から+0.5%へ、民間住宅投資は+1.4%から+1.6%へ、民間企業設備は+0.9%から+1.8%へといずれも上方修正、とくに設備投資の上方修正が目立ちます。

最後は13日に公表された日銀短観。様々な指標がありますが、最も注目される業況判断D.I.でみると、かつ大企業・中堅企業・中小企業を通じた全規模でみると、9月調査、12月調査最近、12月調査先行きの順で、製造業は-1、-4、-7、非製造業は14、11、5、全産業は8、4、0となりました。製造業、非製造業ともに9月調査対比悪化、先行きも悲観視、製造業と非製造業を比べると製造業の方が悲観的との構図です。

以上の3つの指標、いずれも日本経済を代表する指標ですが、動きはややちぐはぐです。景気動向指数は10月、GDPは7-9月、短観の調査時期は大体11月中なので、時系列的にはGDP、景気動向指数、短観となります。仮に整合的に理解しようと無理をすれば、以下の流れでしょうか。

まず7-9月期については、外需は悪いが内需は悪くなかったということになります。設備投資が思いの外よく、また、個人消費も消費税率引上げ前の駆け込みがあったはずなので、ここで悪い数字が出ていたとすれば、実態は余程悪いということになるでしょう。

10月は壊滅的でした。外需にまだ好転の兆しが無い中、ひとつには消費税率引上げ前の駆け込みの反動、もうひとつは相次ぐ災害の被害の影響が激しく出ました。この状況で良い数字は期待できません。

そして11月。製造業のマインドは相変わらず暗いまま。業況判断D.I.マイナスは、業況が悪いとの答えが良いとの答えを上回ったことを意味します。その背景は海外需要の弱さで、少なくとも11月時点で製造業には明るい兆しが見られなかったことになります。微妙なのは非製造業。確かに9月調査対比悪化し、先行きも悲観的な数字ですが、それでもプラスを維持し、かつ、先行きの悲観さには短観の「くせ」(理由は不明ですが、非製造業の回答は景気が良い時でも先行きを悲観する傾向があります)があるため、割り引く必要があるかもしれません。要は、消費税率引上げ後の動向について、壊滅的なほど悪くは感じていない可能性もあるということです。この意味で、11月の消費関連指標を早く見てみたいところです。

さて、この原稿は14日土曜日に書き始めました。直前の大きなニュースは英国総選挙での保守党圧勝、米中貿易交渉における何らかの合意、そしてトランプ大統領弾劾に向けた下院の動きです。いずれもJDさんが完璧に解説してくれているので、その内容面で付け足すことはありません。ただ、このうち米中貿易交渉については、過去1年ほど世界経済に予想以上の悪影響を与えてきました。米国だけは独り勝ちで、経済ZAPを読むと常にぐっちーの強気さが読み取れました。しかし、米国以外の経済に大きな悪影響を与えてきたことは否定できません。

更に言うと、実際に貿易量が落ちたというより(例えば中国の対米直接輸出は減っても、ASEAN諸国経由で挽回しているなど)、この問題が中国企業のマインドに暗さを与え、中国製造業の投資や中国自動車販売が落ち込み、中国経済依存度が高いドイツがこの影響を受け、欧州経済が不透明となったといった、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な流れです。トランプ大統領の影響力の凄さを改めて思い知らされます。今回の米中合意を機にこうした流れが変わるか否か、来年の経済を巡る最大の論点と思います。

23日が今年最後の原稿となります。年末は家族とゆっくりする予定です。

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2 comments on “Vol.37: いくつかの指標
  1. 健太 より:
    単位系

    成人してから、単位系について考えたことがある。われわれは一つとして、単位とはなにかを教えられていないと思った。かろうじてあったのはCGS単位系、MKS有利単位系(?)を物理でならった。江戸の歴史を見ていると通貨が十進法ではなくなぜだろうかと考えたことがあった。
     先日知人と話すとき、東京ドーム3倍分というから<ドームという単位を作ってはとはなした。
     我々日本人は明治以降の歴史は独自の日常的に使う単位系をうしなうれきして、とても司馬遼太郎が主張するような明治ではなかったと思う。
     仮に100平米といってももう普通の日本人はその広さを実感することができない、自然現象を記述するにはそれでいい。広さという数学的概念でいい。しかし生活面から見ると100平米だいたい30坪で、それは形までだいたい決まっている。一坪は形まで決まっている。それによって広さを実感して生活に使える。その上、家の設計も誰でもできる。実に貴重なセンスをうしなった。
     このようなものはおおく、そのため日常生活でたぶん大損をしている。生活がスマートではない。コメの単位など昔のやり方でやればいろいろなものがすぐに判断できるが㎏では計算をしなければならない。
    デジタル時計ではひきざんをしなけれならないが、あなぐろなら、見ればわかる。
     お金の効果(値段)も十進法ではない。10円20円と上げていきそれは40円でおしまいで、その上は多分100円でしょう。
     この手のものも多い。
    話は変わるが戦前日独同盟を我が国は考えて実行したが、第一世界大戦の時のことを考えればそれはいくら共産主義に対抗するといっても、それは無理なことで、それは今でもドイツ人の日本への憎しみがあることを見ればいい。
     このような単純な事実を考えないのが我々日本人でアフガンで殺された中村氏も似たようなものだと思っている。
     消費税はその効用を見れば経済にはいい方には働かないから、これに依拠するものはすべてダメでしょうね。知恵を出して手を考えないとお先真っ暗だとおもっている。中曽根氏がしたことは結局日韓、日中をダメにした元を作ったに過ぎないと思う。彼の奇妙な表情をいまだに覚えている。

  2. 筆者です より:
    コメントのこと

    一旦掲載したコメント2つ削除しました。普段あまりコメントは頂きませんが、偶々今回お互い相容れない感じとなりました。争いは本望でないので。
    今後の対応、頭を冷やして考えます。

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