2018/11/19 06:30 | by Konan | コメント(1)
Vol.8: 内閣府月例経済報告と日銀金融政策決定会合2018年10月
今回は、10月の内閣府月例経済報告(23日公表)と日銀金融政策決定会合(31日公表)を取り上げます。例によって、まず比較から。
(現状評価)
・全体:緩やかに回復している(内閣府)緩やかに拡大している(日銀)
・個人消費:持ち直している(内閣府)振れを伴いながらも、緩やかに増加している(日銀)
・設備投資:増加している(内閣府)増加傾向を続けている(日銀)
・住宅建設(投資):おおむね横ばいとなっている(内閣府)横ばい圏内で推移している(日銀)
・公共投資:底堅く推移している(内閣府)高めの水準を維持しつつ、横ばい圏内で推移している(日銀)
・輸出:おおむね横ばいとなっている(内閣府)増加基調にある(日銀)
・輸入:持ち直しの動きに足踏みがみられる(内閣府)記述無し(日銀)
(先行き見通し)
・全体:緩やかな回復が続くことが期待される(内閣府)緩やかな拡大を続けるとみられる(日銀)
・個人消費:持ち直しが続くことが期待されるが、当面、自然災害による下押しの影響には留意が必要である(内閣府)ゆるやかな増加傾向をたどるとみられる(日銀)
・設備投資:増加が続くことが期待される(内閣府)増加を続けると予想される(日銀)
・住宅建設(投資):横ばいで推移していくと見込まれる(内閣府)記述無し(日銀)
・公共投資:底堅く推移していくことが見込まれる(内閣府)高めの水準を維持すると予想している(日銀)
・輸出:持ち直していくことが期待される。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響には留意する必要がある(内閣府)基調として緩やかな増加を続けるとみられる(日銀)
・輸入:持ち直していくことが期待される(内閣府)記述無し(日銀)
内閣府は、先月と大きな変化はありませんが、輸出の現状評価が強めになりました(先月は「持ち直しの動きに足踏みがみられる」と評価)。また、個人消費、輸出の先行きに関し、自然災害や通商問題の影響が言及されました(9月は言及無し)。日銀の方は、前回9月と変更がありません。
今回も引続き内閣府は「回復」、日銀は「拡大」の表現です。以前説明したように、内閣府は長きにわたり拡大という表現を避けています。他方、日銀は「需給ギャップ」(実際の需要と供給能力の差)がマイナスからプラスに転じた後、そのプラス幅が大きくなる過程を「拡大」と呼びます。日銀の推計では、需給ギャップは2016年第4四半期にプラスに転じた後、順調にプラス幅を広げています。
さて、10月は四半期に1度、日銀展望レポートが公表される月に当たります。展望レポートでは、日銀の実質経済成長率や物価上昇率に関する見方が具体的な数字で表され、いつも注目を集めます。因みに公表される数字は、金融政策を決める9人の政策委員それぞれの見方を持ち寄り、そのレンジと中央値(9人なので上からも下からも5番目の数字)を示すこととされています。
中央値でみると、実質経済成長率については、2018年度+1.4%、2019年度+0.8%、2020年度+0.8%とされ、前回7月時点の見通しと比べ、2018年度のみ少し下方修正されました(7月時点では+1.5%の見通し。19、20年度は不変)。消費者物価指数前年比については、2018年度+0.9%、2019年度+1.4%、2020年度+1.5%とされ、7月時点の見通しよりいずれも少し下方修正されました(7月時点では、18年度+1.1%、19年度+1.5%、20年度+1.6%)。なお、この物価見通しは消費税率引上げの影響を除いた数字で、影響を含めれば上昇率が0.5%ほど上になります。
日銀の2020年度にかけてのイメージをまとめると、実体経済については、来年10月に予定される消費税率引き上げの影響や、現在設備投資が良過ぎるくらい好調なので、流石に伸びが鈍化していくだろうとの見方から、現在の1%台の成長率がゼロ%台に落ちるとみています。他方、物価上昇率については、需給ギャップがプラスの状況(無理をしないと需要に供給が追い付かない状況)が続くので、じわじわと上がっていくだろうとの見方です。ただ、それでも+2%の物価上昇目標には届きません。従って、金融緩和政策長期化が見込まれることになります。
なお、伝え遅れましたが、今回日銀の金融政策に変更はありませんでした。
さて、9月の際はGDP・需給ギャップと景気動向指数を紹介しました。今回はIMFの世界経済見通しを紹介します。昔と異なり、輸出が日本のGDPに占める割合は小さくなりました。しかしそれでもそれなりの大きさを持ち、また、時折伸び率がかなり触れるため、実質経済成長率に対するGDP需要項目別の影響度を示す「寄与度」を測る際は、引続き大切な項目です。輸出は、スマホ、自動車のような個別商品の新機種(車種)発売時期にも左右され、個別製品の知識無しで予測することが難しい需要項目です。日本商品の競争力にも左右されます。それでも、達観し割り切って考えると、「海外経済が好調なら輸出が伸び不調なら伸びない(減る)」と考えて間違いはありません。
では海外経済をどう予想するか。ぐっちーはメルマガで米国経済成長見通しを詳しく解説します。世間には中国経済の専門家(自称を含め)もいます。しかし、新興国・途上国を含め世界全体の景気を見通すことは至難の業です。内閣府にも日銀にもそうした力はありません。そこで頼りにするのが、IMF(国際通貨基金)が定期的に公表する世界経済見通しです。その名の通り、国ごと、地域ごと、そして世界全体の経済を見通してくれるとても便利なものです。正直に言えば結構外すことも多いのですが、内閣府も日銀も、IMFの数字をベースとして輸出動向を考えていきます。このIMFの最新見通しは10月3日に公表されました。英語の長文で申し訳ありませんがURLもつけておきます。
今回の数字を見ると、今年、来年の世界全体の成長率見通しはいずれも前年比+3.7%、前回7月時点の見通し対比両年とも-0.2%下方修正されました。主な国や地域を抜粋すると以下の通りです。このブログで上手く表を作る技術がないので、数字を横に並べます。左から右に2018年成長率見通し、2019年成長率見通し、2018年の7月見通し対比変化幅、2019年の7月見通し対比変化幅です。もしご興味があれば、URLから資料にアクセスいただき、14頁Table 1.1をご覧ください。
世 界 +3.7% +3.7% -0.2% -0.2%
先進国 +2.4% +2.1% 0.0% -0.1%
米 国 +2.9% +2.5% 0.0% -0.1%
ユーロ +2.0% +1.9% -0.2% 0.0%
日 本 +1.1% +0.9% +0.1% 0.0%
中 国 +6.6% +6.2% 0.0% -0.2%
新興国 +4.7% +4.7% -0.2% -0.4% (新興国・途上国全体。中国も含みます)
途上国
表が見難く申し訳ありません。注釈をいくつか。
・+3.7%成長はそう悪い数字ではありません。リーマン危機前、世界経済は中国の2桁成長に支えられ+5%前後の成長を謳歌しました。危機後は苦難に見舞われ、また中国の2桁成長も終焉し、最近の世界経済の成長率は+3%台が続いています。この数字が4%に近いと世界経済は好調で、3%に近いと不調(例えば2016年は+3.3%成長にとどまりました)、という感覚で見てください。
・先進国に比べ、新興国・途上国の下方修正の大きさが目立ちます。アルゼンチンやトルコのことを考えるとイメージしやすいですが、米国利上げの影響が主な背景です。また、そもそも7月時点の2019年見通し(+5.1%)が楽観過ぎたようにも思えます。
・先進国の7月見通し対比の下方修正幅は大したものではありません。しかし成長率見通し自体は、米国を含め2018年に比べ2019年は下がります。米国の場合、ぐっちーは批判するでしょうが(笑)今年余りに良いので流石に来年は下がるだろうとの見方です。また、貿易問題の影響も多少加味されているようです。
そのうえで、今回の世界経済見通しの「目玉」は、貿易戦争激化の影響を試算したことです。資料33頁から35頁にかけてのScenario Box 1. Global Trade Tensionsで取り上げられています。既に米国が発動した措置の影響、対中国貿易全体に25%関税をかけた時の影響、燻っている自動車関税引き上げが実施された時の影響、こうした措置に伴い企業の投資が委縮したり市場が冷える場合の影響、などに分けて試算しています。最悪の場合、貿易問題が無い場合に比べ、長期的に見てGDPが世界全体で0.4%程度、米国で1%近く、中国で0.6%程度、それぞれ小さくなると試算されています。これは例えば100のGDPが世界全体で99.6にとどまるという意味で、マイナス成長になるという意味ではありませんが、世界全体のGDPは80兆ドルを超えるので、額としてはそれなりの大きさ(3000億ドル)になります。
何度か書いたようにIMFは外すことも多く、こうした試算の信用度に疑問が無い訳ではありません。ただ、IMFの見通しが影響力を持ち市場にインパクトを与えることもあるので、公表の都度注意してみておく方が良いかもしれません。
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このような報告書を読むと、乏しい勉強における大東亜戦争時の作戦を考えたたであろう情報の元の報告のように思えます。
実に簡単に作戦を考えている、その特徴は前線の視察における認識能力です。
地図上で一本の線を引き、そこを移動させると言う作戦などざらだったようです。
事は我が国国内の普通の家庭(近代社会は最も効率よく動く単位として家庭を前提にしている。この家庭は生物的条件もあるが擬似的なものでもいい。つまり個人よりはるかにある一定の機能を持った集団を元に生きたほうが効率よく生きられる。これはいい悪いではなく、証明はできないがそうであると思う)が疲弊していることで、具体的には給料が上がらず。まして派遣だと女房、子供を普通に育てられる額が得られないと当人が思っている。
大仕掛けでいえばGDPが増えない限り給料はあがらない。まして将来を考えればあげることは難しい。確かにGDPは安倍内閣になって増えている。税収が増えているからです、しかしその内訳はどのようなものか?
個人的には今の政府の財政政策ははじめから無理をしている。要するにガダルカナルのたたかいのようだと思う。ガダルカナル(消費税増税)をするが難しく、色々する(ポイント減税をする)。
そのそも税は単純に問いう原則から外れていることをしている。
事は日本国国民がその将来に希望を抱いて、生きていかれるような、可能な経済外交文化政策とはなにかを示していない。
之がない限り、その場しのぎになり、いくらデータがどうのこうのといっても実質無駄なことではないか?
ガダルカナルをやめて、戦争のグランドデザインを変えることだったように、政府収入、、支出に対して将来どのような国民生活を前提にして、変革していくかを示すことではないか?
人が不足しているから外国人をいれる、それは良いがその損得(貸借対照表)がまったく示されていない。外国人の扱いにおいて肝心なことは在日朝鮮人のあつかいだが、それらについてもまったく示されていない。
出たとこ勝負をしているに過ぎない。
ではお前は何か案があるかといわれれば、ないから自分だけを守ることしかないと答えるのみです。
実際我が家の周辺を見ると確実に疲弊している。最近在る県の県庁所在地に行ったが、その寂れようには驚いた。繁華街が荒れているというより、死んでいる。アーケイドの奥を見ると二件の店のライトがともっているだけで、後は閉店というより、廃屋のようです。人のけはいがない。