2013/09/23 09:00 | by Konan | コメント(1)
Vol.211: キング牧師と違憲判決
今回もとても簡単に、最近の2つの出来事に触れたいと思います。ひとつは、キング牧師の有名なI have a dream演説50周年、もうひとつは非嫡出子の相続に関する違憲判決です。いずれも、不平等問題にかかわる点で、同じモティーフを感じました。
前者について、ある米国の番組に出演されていた黒人の方(キング牧師演説の場に居合わせた方)が、この50年の間に黒人の大統領が誕生するなど状況が確かに変化したこと、しかし、経済的な平等という面でみると、50年前も白人の倍だった黒人の失業率が現在も同様に倍である状況に変化はないこと、米国人には様々な違いをembrace(受け入れる)する更なる努力が必要であること、などを話されていて、とても印象的でした。
違憲判決について改めて説明するまでもありませんが、民法に規定された非嫡出子(公式な結婚の外で生まれた子供)の相続取り分が嫡出子の半分という決まりは、法の下の平等を定めた憲法に違反し無効である(ただし、既に相続手続きが完了している場合にまで、無効を遡らせることはしない)との判決が、最高裁大法廷の全員一致で決定されました。
過去に最高裁が合憲判決を出した経緯もあり、時を経ての大きな判例変更となりました。私も、30年前に大学で民法を学んだ際は「非嫡出子1/2」の規定に違和感を感じませんでしたが、今は「生まれてきた子供に責任は無い」との議論を否定することは難しいと感じます。大法廷全員一致という事実が、この間の国際的な流れや国民の意識の変化を象徴しているようにも思います。
さて、不平等問題は米日の政治に大きな影を落とします。米国では昨年の大統領選で共和党が惨敗を喫しました。共和党の主流である保守的な考え方と、移民を受け入れ人口構成が変化した米国民の感覚の平均値との乖離が鮮明になったように思います。共和党が何がしか中間的・現実的な哲学を示すことができなければ、上下両院選挙や知事選挙はさて置くとして、国民全体の投票で選ばれる大統領選で勝利することが難しい段階に入っているようにもみえます。
日本では、自民党が民法や戸籍法の改正を素直に受け入れるかどうか、注目しています。菅官房長官や谷垣法務大臣は改正の方向を示していますが、党内のとくに保守的な層の反発も報道されています。政府主導で事が進むとは思いますが、万が一自民党内の強い反対で事態が進まない場合、若い層やリベラル層の自民離れが生じる契機となる可能性もあります。根が保守的な安倍総理にとり、難しい問題を抱えてしまったということかもしれません。
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スピルバーク・・
五十年に合わせ・・映画リンカーン・・
リンカーン・・ユークリッド公理・・持ち出し・・
『同じものに等しいものは互いに等しい』
話すシーン・・公理は信念になった・・
【質量転化の法則】
量の増減は質的変化を導く・・
信念にはならないが・・
総てに当てはまる法則・・諸々・・説明するのに便利・・
白人・黒人・・今では少数派・・
スパニッシュ系・・増加一途・・米国公用語・・事実上・・英語とスペイン語・・
大金持ちのアミーガ・・
実業家の父親・・死亡・・七人の愛人・・夫々・・忘れ形見を連れ・・出現・・
父親・・夫々財産与えていたが・・財産分与要求・・
『私そっくりな女の子いたのよ・・参っちゃった』
各々・・金銭解決・・
今回の最高裁判例後だったら・・
彼女も・・ただの金持ちに・・ランク落ち・・
ぐっちーに似た僕の友人・・彼女にプロポーズしたが・・財産狙い・・と周囲から中傷・・実らなかった・・
随分経ってから・・
彼女は・・はるか年下と結婚した・・
財産狙いか・・どうか・・僕にも分からない・・
多分・・双方・・幸せ・・だろう・・・(笑)