2025/06/02 06:30 | メルマガ | コメント(0)
第306号 米国際貿易裁判所がトランプ関税を阻止
6月に突入しました。米国の関税政策においてなかなかゴールが見えない中、マーケットでは不確実性という霧がなかなか晴れないでいます。関税政策を取り巻く状況や、このところマーケットを揺るがす金利変動について、若干マニアックな分野ではありますが取り上げます。お付き合いください。
●先週のマーケット
・TACO
●今週の米国経済統計(予想)
●先週の米国経済統計(結果)
●経済統計分析
1. 新規失業保険申請件数
2. PCEデフレータ 4月
3. 違憲とされたトランプ関税
4. 超長期金利低下の背景
●あとがき
それでは、さっそくまいりましょう。
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あとがき
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国内の物価上昇が止まりません。
帝国データバンクが、6月の飲料食品値上げが計1932品目に上るとの調査結果を発表しました。カレールウなどの香辛料、だし製品など「調味料」分野での値上げが最多となった模様。今回の値上げ品目は1932品目で、前年の約3倍に増加しているというからインパクトはなかなかです。
値上げの要因は、円安の影響こそ和らいだものの、原材料高・エネルギー高・物流費そして人件費の高騰が挙げられています。
・「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年6月
そんな中で発表された、5月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)は総合こそ前月からやや低下しているものの、生鮮食品を除いたコアは前年比+3.6%、コアからエネルギーを除いたコアコアは同+3.3%といずれも予想と前月を上回っています。特に、コアは前回および予想を上回り、前年比+3.6%と3%台での推移は2カ月連続となっており、東京都区部CPIの再加速は決定的になってきています。
CPIの上昇をけん引しているのは食料品。生鮮食品除く食料は+6.9%となっており、その中でも米価格の高騰は深刻で、米単独で見ると+93.2%と1年で約倍近くになっており、食料の値上がりが物価上昇をけん引していることは一目瞭然です。
しかし、こういったデータもさることながら、最近では生活実感としての物価上昇には驚かされます。
暮らしの中で感じるモノの値段に限らず、サービス価格もしっかり上がっていることを感じます。一方でサービスの質は明らかに総じて劣化してきているので、実際に感じるサービスインフレはすごいものがあります。
そんな私の感じる状況に関係あるのかわかりませんが、最近は、インバウンド(訪日外国人)客の消費動向に鈍化の兆しがあるという報道もよく目にします。その理由を円高だからなどという的外れな分析を目にしますが、為替は数年前に大きく円安に振れてからレンジ内でふらふらしてるだけなので、円高になったからインバウンドの消費が落ちたという説明には無理がある。明らかにインバウンドから見ても日本は安くない、コスパが悪くさほど魅力を感じない旅行先になってきている可能性があるということではないでしょうか。
それでも日銀は基調的な物価上昇率が目標の2%に到達する時期はまだ先、として緩和をやめないのですから、物価はいったいどこに向かっていくのでしょうか?
さて、今週もお付き合いいただき、ありがとうございました。都内の週末は結構寒く、上着を引っ張り出してくるなどしていましたが、今週も天気が崩れそうです。皆様体調にお気をつけいただき、よい1週間をお過ごしください!
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