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2024/09/16 06:30  | メルマガ |  コメント(0)

第264号 9月FOMCを前に揺れる利下げ見通しと市場の期待


今週行われるFOMCに向けて、FEDが利下げ幅を0.25%にするのか0.50%にするのかについては、引き続き市場の関心ごととなっています。ここでは、先週発表された統計や、市場関係者のコメントなどを踏まえて、FRBの政策見通しを整理していきます。

また、国内の投資主体別売買動向にも触れていますが、日本株市場における資金の動きについて、総裁選を控えたこのタイミングで整理しておきたいと思います。

●先週のマーケット
・日本株上昇のきっかけは?!
●今週の米国経済統計(予想)
●先週の米国経済統計(結果)
●経済統計分析

1. CPI 8月
2. PPI 8月
3. 新規失業保険申請件数
4. 再燃する大幅利下げ期待
5. 待望の利下げで株価上昇?!
●あとがき

それでは、さっそくまいりましょう。

***************
あとがき
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先週、企業の業績について次のようなニュースがありました。

神戸物産の株価下落 円高でデリバティブ評価損 (日経新聞)

急激な円安で、特に昨年末から今年の前半まで、どこまで円安が進むのか、気が気ではなかった輸入業者が多かったのはご存じの通り。そのような中で、調達コストの急激な変動を避けるために為替予約を実施しています。掲題の記事では輸入食品を多く取り扱う「業務スーパー」を運営する神戸物産が、円安のリスクを回避するために、為替予約を実施したものの、その後の円高によって、デリバティブ損失を計上する破目に陥ってしまったというもの。神戸物産自体は素晴らしい経営をされており以前から注目している企業ではありますが、それでもあの為替の急変は管理しきれなかったということでしょう。

私のクライアント企業でも、こうした相談は多く、欧州から輸入をしている某輸入商社などは、地銀を中心にした金融機関は、為替変動リスク(今回は、円安のリスク)を回避する目的でデリバティブ商品を勧められていました。円安基調がまだまだ続くことが見えている局面ならまだしも、主要国が利下げを、日銀が利上げをしようとしている局面では、企業の財務を棄損しかねないヤバいスキームであることは想像に難くないわけで、デリバティブが悪いわけではありませんが、為替のトレンドが急変する可能性があるタイミングでやるものではないということで、今回の金融機関のマーケット感覚のなさには呆れました。

ということで、今後も円高に絡んだ業績修正を余儀なくされる企業は出てくるでしょうから要注意。

さて、連日自民党の総裁選が話題ですが、これまで総裁選ってこんなに盛り上がるのでしたっけ(笑)?連日、報道各社、党本部や外国人記者クラブなど様々なところで9人の候補者が並び、幅広いテーマで意見を述べられているのを見ない日がありません。

目に見える派閥は解消しましたが、ガラスの派閥はあるのは公然の事実。しかし、表向き「ない」ことになっている以上、政策で議論し、党員・党友も自由に投票してもらうようにしないと矛盾が生じます。さらに、派閥があれば、告示の時点で概ね票読みができる、というのがこれまでの流れですが、そうもいかなくなっているのでしょう。実際、メディアも報道に時間を割き、盛り上げているようにも見えます。

しかし、有権者としても、政策論争が当たり前に行われ、様々な視点で議論や理解が深まるのは大いによいことですし、議員らにとっても、知名度を上げ、名前を浸透させるにはとても良い機会といえます。ちなみに、基本的に緊縮路線だった岸田首相から新首相に変わることは、マーケットに思わぬプラスに働く可能性があるのは前述の通りですが、先日Quickが行った9月の株式月次調査では市場関係者に対して、自民党総裁選を巡り、株式市場として新総裁に望ましい人は誰か、と言う質問をしています。

結果は、高市経済安全保障相が29%を占めてトップ。アベノミクスの継承を掲げており、積極的な財政政策が市場に安心感を与えたことによると思われます。以降、小林前経済安全保障相(17%)、小泉元環境相(15%)と続いています。しかし、この調査は告示日前に実施されており、その後連日行われている討論会などでボロが出ている候補者もおり(失礼!)、まだまだ先行きは不透明ですが、高市氏が選ばれれば株価はぶっ飛ぶかも?!

いずれにせよ、党員票に強い石破さんが、国会議員票が伸びなくても決選投票入りの可能性が高く、あとは小泉さんと高市さんの戦いになりどちらかが決選投票へという感じでしょうか。ということで、石破さん、小泉さん、高市さんのいずれかということになるわけで、だれが決選投票を経て新総裁に選ばれるのでしょうか?

また、先週、もう一つの討論会が行われました。米国大統領選挙のTV討論会で、ABC主催の無観客討論会です。仕事をしながら、横目で見ていましたが、相手に嫌なことをつつかれた際の反応とか、相手の話を聞いている時の表情とか、多くの有権者は、もちろん政策も大事ではあるが、それよりも「候補者が大統領として適した人物かどうか」をお茶の間で見ているんではないかな、と思ったりしました。

ハリスは第2回の討論会を提案したようですが、トランプは自身のソーシャルメディアTruth Socialで「ボクサーは試合に負けた時に”再試合を望む”という」として、これ以上討論会をしないことを宣言しました。

【トランプのポスト】

実際、今回の討論会はハリス優勢と言う形で終わりましたが、討論会中にはトランプだけファクトチェックが行われたり、討論会開催のメディアはハリスの希望しか通らなかったりと、トランプはなかなか不利な立場に追い込まれました。

マーケットとしては、足元の米国経済は悪い状況ではなく、ハリスが当選した場合、現在の政策からの変更も少なく不確実性は小さいとして好感する可能性は高い。ただ、まだまだ大統領選の行方はぎりぎりまで分からないでしょうから、マーケットのリスク要因になる可能性は否めませんが、選挙通過後の米国市場は堅調な展開を想定しております。

今日は3連休最終日、お休みの方も、お仕事の方もよい1週間をお過ごしください。といっていたら、来週も3連休でした。


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