2024/08/19 06:30 | メルマガ | コメント(0)
第260号 米景気後退懸念は後退も、問題はジャクソンホール
マーケットもここから参加者が市場に戻ってきて、ジャクソンホールなどを確認しながら肩を回している状況でしょうか。
今回は、米景気を占う小売売上高、インフレ鈍化を確認するCPIやPPI、そして景気後退を示唆しているのではと懸念されている雇用関連にもフォーカスしつつ、ジャクソンホールの見どころやこのところのマーケットの急変についても取り上げてみたいと思います。
●先週のマーケット
・実は凄かった岸田首相
●今週の米国経済統計(予想)
●先週の米国経済統計(結果)
●経済統計分析
1. 小売売上高7月
2. 着々と鈍化するインフレ指標
・CPI 7月
・PPI 7月
3. 新規失業保険申請件数
4. JHは利下げのヒント探し
●あとがき
それでは、さっそくまいりましょう。
あとがき
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先週の日経平均株価は凄まじい上昇となりました。8月に入り38,000円台にあった株価は、8月5日の歴史的な下落により一時31,150円をつけた後、一転して上昇。先週もその上昇は続き38,062円で一週間を終えました。
下落のきっかけとなったのは、市場からタカ派ととられた植田総裁の利上げ継続発言と、行き過ぎた米国の景気後退懸念に対する不安ですが、前者は内田副総裁のハト派的な発言により一定の歯止めがかかり、後者についても強い経済指標で修正され、下落のほぼすべてを短期間で取り戻す株価上昇となりました。
そもそも、ここまで売りが加速したのは極端に偏ったポジションになっていた円キャリー取引が巻き戻されたことにあり、何か経済や金融的な危機があったわけではありません。それにもかかわらずブラックマンデー級ともいわれる下げになってしまったわけで、売られたのがそもそも間違いであったので、潔く買い戻したという動きということでしょう。
まだ不安定な動きは続いており2番底を懸念する声も聞こえる株式市場ですが、ここからさらに行き過ぎた下落に発展することはないでしょう。かねてからお伝えしているように、この時期は海外勢を中心にマーケットのメインプレイヤーが不在であり、参加者が少ないことが市場のボラティリティを高める要因となっていました。
今週くらいからお盆も明け国内投資家が、さらにレーバーデー(9月2日)には海外勢も市場に帰ってくるでしょう。何より今週はFEDの政策変更への示唆があるかもしれないジャクソンホールを控えていますから、参加者の戻りも早まるかもしれず、参加者の増加とともに市場も安定感を取り戻してくると思われます。
さて、ここから株式市場はさらに上昇するのかどうか。
日本株については、円安が進む、もしくは米国株の上昇に引っ張られるような状況がないと単体で上値を切り上げていくことは難しいでしょう。そもそも、日銀が利上げサイクルに入ったばかりで、金融政策が利上げに傾いている以上円買いもそれなりに入ってくる可能性もあるので、日本株は買いにくい。
一方で米国株は、まもなく金融政策が利下げに傾く可能性が高い中で、今回の下げが適度な調整となり、再び上昇基調に戻る可能性が高まるという理想的な展開になっています。
ということで、嵐のような先週1週間を経て、あたかも株価の暴落などなかったような株価水準になっていますが、大損をした人、大儲けした人が多数いたであろう試練の夏休みでした。
今週もここまでお付き合いくださいましてありがとうございました。
先週は東北地方や関東地方に台風が上陸or接近し、水の事故や交通機関の乱れなど被害が出てしまいました。犠牲になってしまった方や被害にあわれた特に農業関係の方々にお見舞い申し上げます。
先日も、南海トラフ地震の可能性を鑑みて、様々な防災対策が話題になっていました。市民の買いだめや交通機関の運行停止などでは様々な影響が出ており、こうした対策の難しさを感じます。そんな中、先週末の東京都心は、すでに前日から台風被害を見越して臨時休業している飲食店や小売店舗が多く、もちろん会社もテレワークを推奨していたためだと思われますが、電車もガラガラで寂しいことこの上ない。
幸い、短時間の瞬間的豪雨は何度かありましたが、都内の多くの地域では大した被害は出ていないはずで、経済活動と従業員の安全確保との兼ね合いに、経営者の皆さんにはご苦労があるのだろうな、と思ってしまいました。ちなみに、私の備えとしては、日ごろから、買いだめより買い置き、ということで一定数ストックをしながら(猫たちの必需品含む)、消費していくというスタイルを心がけています。
今週も、全国的に不安定なお天気になるようですので、皆様くれぐれも気をつけてお過ごしください。それでは、皆様にとって良い1週間になりますように!
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