2024/06/03 06:30 | メルマガ | コメント(0)
第249号 今度こそはこれまでと違う、という日銀は金融正常化を押し進められるのか?
先週は、FRBもマーケットも注目のPCE、そして国内の長期金利の上昇なども話題になりました。トリプル安の日本のマーケットには、日銀の政策だけでなくFRBの政策ひいては、米国の経済状況も大きく影響してきます。そうしたマーケットを俯瞰した視点でお届けしていきます。
それでは、今週のアウトラインです。
●先週のマーケット
・日銀決算
●今週の米国経済統計(予想)
●先週の米国経済統計(結果)
●経済統計分析
1. 1Q GDP(改定値)
2. 新規失業保険申請件数
3. 個人所得・消費支出 4月
4. This time is different?!
●あとがき
それでは、さっそくまいりましょう。
先日、NHKが「元選手村「晴海フラッグ」は誰が買った?1089戸を徹底調査~そこから見えたものは」という報道をしていましたね。レガシーとしてファミリー層向けを中心に整備するはずだったものが、多くの部屋を法人が所有していることが判明、1089戸の登記簿から投資対象となっている実態に迫る、ということで「晴海フラッグ」がマネーゲームの場になっているという内容とのこと。
ご存知のように晴海フラッグは、東京都がオリンピックの選手村をファミリー層向けに改修したマンション群のことです。分譲・賃貸マンションが5600戸以上あり、購入抽選倍率は最高266倍ともいわれました。今年1月下旬から引き渡しが始まりましたが、実際には、法人の投資目的での保有だったり、転売目的で所有していたりというケースが散見され、東京都の当初の思惑とはだいぶ違う景色が・・・。
銀行も銀行で、投資目的の購入に対し金利の高い「投資用ローン」ではなく、金利の低い「住宅ローン」で資金をだして、買主は転売したり、住宅ローンのまま賃貸に出したりしてる人も少なくないとか。金融庁もそんな実態を知らないはずはないと思いますが・・・。
結果として、販売計画が出た当初から価格が1.5倍や2倍に跳ね上がっており、東京五輪のレガシーが不動産価格高騰に一役買ってしまったという状況。そういった首都圏を中心とした価格高騰は地方にも波及しており、大阪で初めて最高価格が10億円超えのタワマンが、仙台では2億円超え、宮崎、佐賀、長野でも1億円超のマンションとざっと見ても凄い価格高騰ぶり。
その結果、日本不動産研究所が発表した「国際不動産価格賃料指数」の4月調査によると、東京と大阪のマンション価格が、前回調査(2023年10月)に対する上昇率がそれぞれ1.5%となり、世界主要15都市の中で首位!に。背景には、国内の富裕層による購入に加え、円安を受けた割安感で海外マネーが流入しているという要因もあるとのこと。
日本は、外国人の不動産購入や所有のハードルが非常に低く、都内のマンションのみならず、北海道や軽井沢などのリゾート地なども投資先として海外投資家からは大変人気が高い。しかしながら、これだけ国籍の制限や所得や資産のハードルを設けていない国も少なく、治安が良く、法整備が整っており、最近では自治体も多言語対応するなど環境が良いことに加え、現下の円安とくれば海外の人にとってはこの上ない状況です。
諸外国を見ると外国人には不動産取得に何らかのハードルを設けているケースが多く、ニュージーランドなどは自国民と税制上の居住者以外は住宅購入ができない(除く、オーストラリアとシンガポールの国民)。あのシンガポールですら、不動産価格の高騰及び外国人等による投資目的の居住用不動産の取得の増加によって、外国人には居住用不動産の購入に60%もの追加印紙税が課せられます。
そういった国に比べると、日本の不動産は非常にお手頃ということなのでしょう。日本としても海外マネーの取り込みによって経済効果があることはいいのですが、国民が住宅を持つことが困難になってしまっては全く意味がありません。政府にしてみれば、規制したら地価・不動産価格が下落して景気が落ち込むという不安もあるのでしょうが、日本政府も見倣うべきでは?
さて、先日、編集部からお知らせがありましたが、瓶ウニの季節ですが、今年はウニの食料である藻の不作によりウニが痩せ気味です。Saltはこの時期ウニを販売している業者さんや店舗を定点観測して回るのですが、今年は、なかなか残念な出来のものが目に付きます。送料や人件費の上昇を反映してなのか、価格は2割程度上がっていますが、クオリティは半分以下、といったものもあり、正直かなり心配していました。
例年のように数を多く確保することは難しいかもしれませんが、皆様にご満足いただけるものをお届けしたいと思っていますので、今しばらくお待ちください。
そして、毎年この瓶ウニをスタートすると、東日本大震災のことを思い出すわけですが、今年は同時に能登半島地震についても頭をよぎります。解体作業もなかなか進まず、公費での解体完了は1%にも満たないという報告もあり、息の長い支援が必要になりそうです。
■ 令和6年(2024年)能登半島地震に係る災害義援金の受付について
みなさま、最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。今週は全国的に天気が崩れる地域も多そうですが、よい1週間をおすごしください。
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