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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2012/10/22 00:00  | by Konan |  コメント(4)

Vol.163: 危ない話し(その2)


1回間が開きましたが、前々回に続き危ない話しです。

ある報道関係者と話していた際、中国や韓国を巡る問題に話しが及びました。そこで、以下のような挑発的な質問をしかけました。

「オスプレイの配備問題がよく取り上げられますね。マスコミは、こんな危ない軍用機の配備はけしからんという論調と思います。でも、中韓との間で緊張が高まった時、助けてくれるのは、米軍だけですよね。オスプレイ反対的な報道ばかりで良いのですか?」

答えは、「そうは言っても、地元の方のことを考えると、とても配備賛成の報道は出来ない。貴方が言うほど気軽な問題では無い」とのものでした。そこでこの話題は終わり、その後は和やかに酒を酌み交わし、会話を続けました(その中では、有事に総選挙などやっているのは危険ですね、といった会話もありました)。

念のため申し上げれば、私は、(前々回取り上げたように)竹島を攻撃すべきとは思っていません。むしろ、憲法9条の解釈として、わが国に新たな危機が訪れない限り、軍事力を行使し実効支配を奪い返すことは許されないと考えています。また、オスプレイを無条件で配備すべきなどと単純に考えてもいません。オスプレイ配備が予定される地域の方の不安感は、極めて深刻なものと受け止めていますし、最近の米軍兵士による婦女暴行事件は極めて卑劣で、強い憤りを感じます。

それでも敢えて挑発的な「危ない話し」をした理由は次の通りです。

ひとつには、中韓との問題を機に、地政学的なリスクが現実味を帯びた話として気になり始めたことです。私は小林直樹先生に憲法の授業を受け、学生時代は自衛隊は違憲と信じていたほど平和主義者でした。しかし、海外留学を契機に考え方が変わり、国を守ることは、例えば「非暴力非服従」で済む話では無いと思うようになりました。今でも「攻撃」には反対ですが、「防衛」は真剣にすべきと思っています。そうした気持ちが、最近の出来事を受け、強まっているのかもしれません。

もうひとつは、自分自身の気持ちを整理出来ない難しい問題が増えているため、いろいろな、時には極端な問いを発することで、自分自身を試しているのかもしれません。友好か敵対か、原発ゼロか25%か、日により時により心が揺れるのが、正直なところです。

前々回と今回の記事で不愉快な思いをされた方がいるかもしれません。お詫び申し上げます。

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4 comments on “Vol.163: 危ない話し(その2)
  1. ペルドン より
    危ない話には続きがある

    竹島・尖閣・・
    軍事力・・策・・下の下では・?

    タレーラン・・交戦国英国から・・一万ポンド・・
    日韓両国・・この種の・・交戦中では・?(笑)

    尖閣・・
    野田総理の首・・差し出せば・・矛収まる・?
    小沢さんの出番・・中国の畑作り・?

    オスプレイ・・
    機械・・複雑になればなる程・・故障しやすい・・
    いっその事・・日本に・・改造生産させれば・? 安くつくし・・

    危ない話ではありません・・
    そんなに・・用心しなくとも・・・

  2. Audley End より
    今回の

    反日デモを始めとする一連の出来事で、中国がどのような国であるのか、あらためて再認識しました。 中国共産党の存在意義と存在理由を正当化し、国内の不満をそらせるための手段として、「反日」は、指導部にとって実に都合のよいカード。 中国が共産党一党支配の体制である限り、このロジックは変わらないような気がします。 北朝鮮も、中国にとって必要不可欠な国でしょう。

    中国共産党内部で権力闘争が繰り広げられるのは、今に始まったことではないのでしょうが、これまでと違うのは、自信を深めた中国が、帝国主義への道を歩んでいることを対外的にまったく隠さなくなったことかもしれません。 konanさんもおっしゃっているように、武力衝突を避けるためにも、抑止力としての日本の防衛力を更に高める必要があると思います。

    自国の利益を追求することしか考えていない中国に、大国としての大人の振る舞いを期待しても空振りするだけでしょうが、はたして、そういった中国の行動がいつまで通用するのか。。。 多くの国々は、中国に対しての経済上の強い結びつきがある一方で、中国に対する警戒感があります。 国際宇宙ステーションのプロジェクトに中国が入ることができなかったのも、同じ文脈でしょうし。。。

    これまでの人類がおそらく体験したことのない時代に入り、その叡智が試される「ターニングポイント」を迎えているような気がします。 私たちひとりひとりが、当事者であり目撃者でもあるというのは、ある意味、すごいですよね。 世界の未来を切り拓いていくためのキーワードのひとつは「日本」だと感じています。 かなり難しい状況なので、なおのこと、タフに冷静に、そして、明るく楽観的な心と行動で向き合っていくことがますます大事であるように思っています。

  3. とがり より
    オスプレイはそんなに危険なのか?

    マスコミは、爆弾が空を飛ぶがごとくの記事であるが、オスプレイは他の航空機と比較してそんなに危険なのだろうか。
    ワイヤーで固定された凧を揚げて、安全な飛行を妨害している左翼どもの方が
    余程危険で、明らかに犯罪行為だと思う。
    左翼と無責任マスコミがのさばる今の状態は、中国の軍事的脅威より
    危険極まりないのは確かだ。

  4. りき より
    オスプレイ

    単純に考えてオスプレイは構造的欠陥と思いますが・・飛行機モードで着陸できないのはどう考えてもおかしい。機械は必ず壊れる。もちろん飛行機も壊れるし車も壊れる、壊れることを心配していたら使えないが普通に考えれば飛行機でもヘリでも対処できるようにすると思いますが・・・
    それより本当に安保に頼るだけの国防はやめれば・・・国防マル投げ外注依存
    とどちら良いかの議論くらい有っても良いのでは・・・

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