2012/09/03 00:00 | by Konan | コメント(1)
Vol.156: 野村CEO交代
今回は既に旧聞に属しますが、野村の渡部CEO交代に関し感想を書きたいと思います。これまでひとつの企業について触れたことは余りありませんが、Gucci Postの読者の中には、本件に関心を持たれた方もおられると想像します。
CEO交代の直接の契機は、インサイダー問題を機に株式発行市場で野村外しの動きが広がり、それに野村サイドが危機感を持ったためと言われています。また強面で知られる金融庁の畑中長官が交代を迫ったとも噂されます。
CEO交代の是非それ自体にとくに感想はありませんが、「CEOが代わっても野村が抱える問題は解消されないだろう」との思いを消すことは出来ません。
野村は2つの問題を抱えていました。ひとつは、リーマンの人材を英国やアジアで引き受け、ゴールドマンやモルスタに匹敵する、世界有数の投資銀行を目指したが、挫折しつつあること。もうひとつはインサイダー問題です。
このうち前者については、リーマン危機後数年を経ても世界の金融・経済は回復せず、むしろ欧州において事態が深刻化しています。また、JPMC問題、LIBOR問題を含め、世界的に金融業に対する厳しい見方が続いています。そうした環境下で収益を稼ぎ業容を拡大することは、極めて難しい課題です。CEO1人の交代で事態が改善するとはとても思えません。
後者のインサイダーは無論「悪いこと」です。しかし例えば株式の発行主体からみると「できるだけ良い条件で発行したい」との気持ちを持つことは自然で、投資銀行に様々なサービスを求めます。その際、投資銀行サイドが「十分に合法的」な領域で商売するか、「ギリギリ合法的」な領域で商売するか、難しい判断を迫れれるはずです。そして明らかに後者の方が商売に有利です。しかし、後者の領域で商売をすると、一定の確率で非合法の領域に踏み込んでしまします。似て非なる話しを例にとると、わが国のメガバンクは、「グループ内の銀証の垣根を低くしてほしい」と希望しています。銀行業務で得た情報を証券業務でストレートに用いることが出来れば当然有利です。しかしこれは「優越的地位の濫用」的な問題を孕みます。最低限言えることは、行政サイドがこの「合法か非合法か」の境界をぶらさないこと、それを前提に民間としてギリギリ合法的な商売を模索していくしかないということでしょうか。
野村個社を応援する気持ちはありませんが、同社が日本で一番の投資銀行・証券会社であることも事実で、他社(銀行系証券を含め)との差は歴然としています。野村が抱える問題の解決は上記のように容易ではありません。ただ、日本の金融のため、是非出口を見つけていって欲しいと思います。
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One comment on “Vol.156: 野村CEO交代”
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インサイダー情報・・
無ければ・・儲からない・・鉄則・・
昔は良かった・・
公然だった・・口に・・出さなかっただけだった・・
今は・・
犯罪者の様に・・隠れてせねばならない・・
犯罪らしい・・
だが・・
神様じやあるまいし・・
株で・・
常時・・稼げなんて・・
貴方・・
正気ですか・・??
このまま行けば・・
刑務所の中に・・証券会社が出来・・
刑務所側に・・投資銀行・・
少し離れた処に・・銀行・・
になるか・・・?