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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2011/02/28 00:00  | by Konan |  コメント(2)

Vol.77: エジプトそして北朝鮮


チュニジア、エジプト、リビアと騒ぎは広がっています。素人で書く自信がないと避けてきたテーマですが、思い切って短く感想を記してみたいと思います。

まず、エジプトについて感じたことは、異様なほど統制が保たれていることへの驚きです。軍を信じることは(ミヤンマーなどを見ても)危険なのでしょうが、エジプト軍にはよほど優秀で、胆力があり、世界情勢をしっかり見据えたリーダーがいるのだろうと、感心しています。憲法が改正され実際に政治が変わっていく過程では波乱もあるのでしょうし、今回のデモの中心になった若い層がどのように政党を組み立て秩序立って政治に参加していくようになるか、大きな課題と思いますが、期待して見守りたいと感じています。そうした「安定性」が経済面でも原油価格の動向、あるいは中近東に貸し込んでいる欧州金融機関の経営を左右する重要なポイントであることは言うまでもありません。

さて、それはそれとして、ぐっちーや私の世代が今回の事象と重ねるのは、1990年前後の東欧革命と思います。ベルリンの壁が崩壊したこと(友人にもらった壁のかけらを今でも大事に持っています。個人的にも崩壊の少し前に当時の東ベルリンを訪れたことがあり、僅かの間にあのような展開をみたことは、驚きでした)、その影響でルーマニア等の独裁政権が倒されたこと(たしかチャウシェスク大統領は文字通り首を切られて惨殺された記憶があります)、南アフリカでもマンデラさんの解放に結び付いたこと、そして弾圧されたとはいえ、中国で天安門事件が起きたことなど、ショックは世界を駆け巡り、東西二極に別れ冷戦と言われた世界情勢を一変させました。

ただ、そうした中無傷だったのが北朝鮮でした。私が注目しているのは、今回の大きな波が今度こそ北朝鮮にも波及するのか、それとも北朝鮮は今回の大波をも防ぐほどの防御力を持っているのか、という点です。北朝鮮で仮に政権崩壊を含めた不安定な情勢が起きると、日本の安全という意味でもうかうかしていられません。

そうした最中、日本の政治は酷い状況にあります。北朝鮮の万一の事変に上手く対応できるとは思い難い状態です。政治についてはまた近々取り上げようと思いますが、こうした心構えが国家統治の根幹であり、民主党政権の最大の弱点と感じています。

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2 comments on “Vol.77: エジプトそして北朝鮮
  1. ベルドン より
    邯鄲の歩

    大日本帝国の遺産は・・
    北朝鮮に・・教育勅語は・・理論武装に・・
    日本は・・過去の日本と・・対峙状態・・
    侮りがたい・・

    我等の政は・・邯鄲の歩・・歩き方を忘れ・・這う状態・・・

  2. st より
    日本の政治

    政治は混乱し袋小路に入って身動き出来ない状態です、原因は財政債務1000兆円返せる当てがない事と防衛外交の不安でしょう、円の政府の借金なんてありえない、何故なら自国通貨はすべて政府紙幣だからだと言えるかどうか、借金だとしても国際収支がこの先も黒字で推移することはほぼ間違いないとか等の条件が整っていると財政債務がいくらあっても問題ないんだとかの仮説を財務官僚や経済学者が実証する時期が来ているのじゃないか、出来ないとしたら消費税と歳出削減で返す以外にない、ここをはっきりとさせないといけない、防衛は米国の核の傘に入っているが核以外の戦争では日本人だけで守っていくんだとはっきり日本人に自覚させないといけない、「米国に守ってもらっている」なんて絶対に言ってはいけないんですよ、外交はわが国は無条件降伏をしたんだから大戦に関係している東京裁判や靖国や北方領土問題についてどうのこうの言える立場にないと思わないといけない、戦後一からやり直して、ここまで来たのに中露から「日本は大戦の反省がない」と言わす様な事はしてはいけないんですよ、これが矜持というものです、ただ北方領土問題ではロシアは少し後ろめたさのようなものを持っている様だから、領土を等分にして平和条約を結んでくれないかと打診すれば言い、ロシアは「歯舞、色丹にしてくれ」とか「歯舞、色丹、国後にしてくれ」とか言ってくるかもしれないが、ロシアの言い分を聞き入れて平和条約を結べばいいではないか、政治は「大胆かつ繊細」、これしかないんですよ、でないと日本の政治家はこれからも国民から世界の政治家から馬鹿にされると思いますね。

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