今回と次回は、政治関連の話題に触れたいと思います。今回は日本、次回は英国の選挙について採り上げることを考えています。私は政治や英国の専門家ではないので、的外れのことも多い前提での与太話になる点、ご容赦下さい。

さて、参議院選挙まであと２ヶ月になりました。普通、この時期になると様々な選挙予想が出て、「どっちが勝ちそうか」相場観が出来てきます。しかし、今回は混沌としていて、なかなか相場観が醸成されません。私はよくマスコミの方に見通しを伺うのですが、今回は「よく分かりませんね」という答えが返ってきます。予想がし難い事情を整理すると、以下のようになると思います。

（１）民主党・政権の支持率は大きく低下しており、昨年の総選挙のような「強い追い風」は完全に消え、強い逆風が吹いている。仮に今、昨年８月と同じ候補者で衆議院選挙を行ったとすれば、少なくとも昨年のように「民主圧勝」とはならない。

（２）しかし、自民党の支持率も伸びない。谷垣総裁のリーダーシップの弱さ、相次ぐ離党など、自民党の求心力は低下していて、民主党離れの受け皿として期待できない。結果として、民主と自民の「負け比べ」の構図になっている。

（３）無党派層が膨らんでいる。この層は、直前まで投票行動を決めないので、２ヶ月前にいくら予想しても無意味かもしれない。今後２ヶ月間の「イメージ勝負」が決め手になる可能性が大きい。

（４）そうした中、みんなの党に続き、平沼・与謝野新党、山田・中田新党、舛添新党など、新党が次々と生まれている。具体的に誰が出馬するかも不確定であり、予想は難しいが、みんなの党中心に無党派層の受け皿となり、相応の議席を取るかもしれない。

（５）公明党は自民、民主のどちらにつくのだろうか？選挙自体は自民と協力するが、その後の過程で寝返らないか？民主、自民が負け比べる場合、その他の政党の態度が政権の構成を決めるが、新党の動向に加え、この点も不透明。

以上のような状況が続くとすれば、なかなか選挙予想に関する霧は晴れません。結局のところ、

（１）公明、新党４党は、「民主」「自民」「どちらにも組せず、是々非々」「兎に角、野党」という立場をより鮮明にすべき。この点を曖昧にしながら、無党派層の支持で議席のみ増やそうとすることは無責任。

（２）週刊誌でよく書かれる「衆参ダブル選挙」のような民主党の「一か八か」戦術がとられないとすれば、衆議院では引続き民主側が多数。結局、参議院で逆転し「何も決められない」状況（麻生政権末期に近い状況）と、「衆参双方で多数を確保し、次の総選挙＝３年後であれば衆参同時＝までの安定政権に基づく着実な政策遂行が行える」状況のどちらを国民が選択するかが、決め手になるような気もする。なお、自民が今回も負ければ、消滅も視野に入るかもしれない。

（３）このように不透明な状況なので、支持率に基づくマクロ的な選挙予想は当てにならない。新党の立候補者も踏まえたうえで、選挙区ごとにミクロ的に予想を立て、それを積み上げたもののみに注目した方がよい。

といったことでしょうか。いずれにしても、おもしろい選挙になることを期待します。