2025/01/13 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.262: 小噺・今年の話題(その2)
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日本の政治
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政治家に以前のような気骨があれば、今年は政界再編が起きてもおかしくない年になるはずです。実際には、今の少数与党体制が続く公算が高いですが。
・当面の最大のポイントは、来年度予算が上がるか否か。例年通りなら2月末衆議院通過が必須ですので、残された時間は多くありません。因みに、本予算が通らなければ暫定予算を組んでつなぐことが制度上は可能ですが、私は主計局的な財政のプロでないので、この点には立ち入りません。
・予算を通すには、野党のどこかに賛成してもらうしかありません。選択肢は3つです。
1) 123万円と178万円の間のどこかで妥協点を見出し、あるいは「玉木総理」のような奇策に出て、国民民主に賛成してもらう。
2) 教育無償化などを丸呑みして維新に賛成してもらう。
3) 野田代表の正義感(本予算が通らなければ日本は大混乱に陥る)に訴えかけ、また、政治資金や夫婦別姓など予算以外の点で譲歩を行い、立憲民主に賛成してもらう。
・国民民主は腰砕けし1)で落ち着くとの見方と、2)の方が安上がりなので維新を懐柔するとの見方が拮抗しているのでしょうか。3)はとくに夫婦別姓は自民が飲めないでしょうし、予算と関連しない法案は人質にならない(予算成立後、自民に裏切られる可能性がある)ので、双方の立場から難しく思います。
・ただ、予算が通らないのは本当にまずい事態です。「通らないことはないだろう」と高をくくらず、注意して政局を見ていく方がよいと思います。
・そのうえで、昨年の都知事選、兵庫県知事選、そして衆議院選をみると、日本の政治が思ってもみなかった形で動き始めている気もします。それはSNS活用という手法にとどまらず、直感に訴える力が結果を左右する(既存政党の枠組みや詳細な政策論議が通じない)という意味においてです。
・同時に、「日本は中道的だ」とも感じます。統計の裏付けのない直感的な話で申し訳ありませんが、安倍さん・高市さんやそれ以上の「右」支持者は国民の3割くらい、共産・れいわから枝野さん支持者で1割くらい、残り少なくとも5割は「中道」に思えます。その象徴が立憲民主では野田代表、自民では夫婦別姓に反対しない人たちです。国民民主も維新も公明も中道で括ることが可能です。今の左右が強いフランスとはかなり異なります。
・冒頭に政界再編と書いたのは、今の政党の枠組みを壊し、シンプルな共通理念に基づく新たな中道政党が生まれても良い時期と思えるからです。ただ、現実にはそこまでたどり着かず、参議院選でも自公が負け、今よりさらに厳しい少数与党が続き、来年の今頃は石破さんでない総理が苦しんでいるのでしょうか。
今回はこの辺で。
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