2024/05/20 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.234: 1~3月期GDP
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昨年7~9月期以来のマイナス成長
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ポイントは以下の通りです。
・前期比-0.5%、年率-2.0%。寄与度は内需-0.2%、外需-0.3%と内需、外需ともマイナスでした。
・内需では、民間最終消費支出が前期比-0.7%(寄与度-0.4%)と4四半期連続のマイナス。設備投資が前期比-0.8%(寄与度-0.1%)とマイナス。住宅投資も前期比-2.5%(寄与度-0.1%)のマイナス。公的需要は前期比+0.8%(寄与度+0.2%)とプラスでした。
・外需では、輸出は前期比-5.0%(寄与度-1.1%)と落ち込み。輸入は前期比-3.4%(寄与度+0.8%)でした=輸入はGDP計算上差し引かれる項目なので、マイナスになると(引くものが減ると)GDPにはプラスに寄与します。
・今回のGDPにはダイハツの出荷停止が大きく響き、個人消費や輸出の減少要因となりました。また、私も詳細は分かりませんが、製薬業界での大口の産業財産権等使用料受取り(サービス輸出に計上)が前四半期にあり、それが無くなったことも輸出マイナスに寄与しました。こうした特殊要因がなければ、GDPマイナス幅はもう少し抑えられていました。また、輸出に計上されるインバウンド消費の好調は続いています。
・それにしても、個人消費4四半期連続マイナスはいただけません。実質雇用者報酬は前年同期比-1.0%と、賃上げが物価上昇に追い付かない状況が続きます。コロナ明けで一旦盛り上がった個人消費は、この実質所得の減少に足を引っ張られた格好です。
・また、設備投資は、日銀短観等のアンケート結果と異なるマイナスです。人手不足や資材高騰による工事等の遅れや、各種アンケートは名目値なので物価上昇で水膨れした面があることが背景です。
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年度ではプラス成長
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2023年度の計数が出揃い、+1.2%のプラス成長になりました。寄与度でみると、内需・民間が-0.5%、内需・公的が+0.3%、輸出が+0.6%、輸入が+0.8%(上記のように輸入減少が寄与度プラスに結び付きます)。
内需・民間の落ち込みは民間最終消費の減少が背景。何と言っても4四半期連続マイナスなので。輸出と内需・公的の伸びに加え、輸入の減少(これは国内の需要が弱いことを反映した面があります)に支えられた、格好悪い数字となりました。
今回はこの辺で。
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