プロが語る世界情勢・政治・経済金融の最前線!

The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2023/07/17 06:30  | by Konan |  コメント(3)

Vol.200: 小噺・日銀政策修正?


27・28日に開催される日銀金融政策決定会合で政策が修正されるとの見方が強まり始めています。

(なぜ?)
理由は2つです。ひとつは、以前「日銀の政策変更は、米国利上げ打ち止めが明確になった後、利下げが行われるまでの間に行われるだろう」との趣旨の記事を書きましたが、まさに米国利上げの最終局面が見え始めたこと。もうひとつは、日本の物価の上がり方。4月以降も値上げが続き、「本当に2%の物価安定目標を達成するのではないか」との雰囲気が出始めています。

(どのように?)
日銀は政策の多角的レビューの最中。これが終わるまで抜本的な政策変更が行われるとは考えづらく、イールドカーブコントロールの枠内での何らかの修正にとどまる可能性が大きいと思います。その選択肢は以下の3つ。

1.10年物金利の目標を0%のままとしつつ、上下変動幅を±0.5%から0.75%に拡大。昨年12月には±0.25%から0.5%に拡大されましたが、その延長線上でもあり、確率としては最も高いと思います。ただ、すぐに±1%への再拡大を市場から催促されそうで、余りうまい手とは思いません。

2.マイナス金利撤廃。不人気のマイナス金利撤廃は、本音では最初に手を付けたいところと思います。ただ、名実ともに利上げとなるので、説明が難しいことが難点でしょうか。

3.イールドカーブコントロールの対象を10年物金利から5年物金利に短縮。元日銀理事の前田さんがかねてより主張する手法で、私もこれが最も筋が良いと思います。ただ、10年物金利が結構上昇する可能性もあり、勇気があるか?

(可能性は?)
現時点では3割ほどとみています(修正なしの可能性の方が大きい)。これまでの植田総裁の発言は政策維持を示唆します。ただ会合までまだ2週間。その間にFOMCも開催されます。今回は展望レポートも合わせて公表され、物価見通しにも注目が集まります。

久し振りにBOJウォッチャーになろうと思います?!

メルマガ「CRUのひとり言」を購読するためにはご登録のお手続きが必要です。

当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。

3 comments on “Vol.200: 小噺・日銀政策修正?
  1. いまだ部長(定年間近) より

    新も200号ですね。
    おめでとうございます。
    これからも勉強させていただきます。

  2. Konan より
    お礼

    ありがとうございます。旧ひとり言は225号までだったので、とりあえずそこまで頑張ろうと思います。

  3. itea より
    スゴい

    振り返ってみるといい線読んでたというか流石プロ、みるとこが違うと思いました。
    ズバリ当てたわけではありませんが推察が深いです。
    ぐっちーさんが生きてたら大げさに煽ったのではw
    予言者現る!みたいな

コメントを書く

* が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。