2023/05/22 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.194: GDPと株価
体調不良のため、とても手短に、17日に公表された1月〜3月期GDPと、最近の株価についてコメントします。
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GDPプラス成長
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・前期比+ 0.4%、年率+1.6%と、昨年4月〜6月期以来のプラス成長。寄与度で内需+0.7%、外需-0.3%と内需主導。とくに民間最終消費支出が前期比+0.6%、民間企業設備が前期比+0.9%とまずまずの伸び。輸出は前期比-4.2%と振るわなかった。
・ただ、輸出を財貨とサービスに分けると、財貨は前期比-6.5%、サービスは前期比+5.6%。GDP統計の不思議のひとつは、インバウンド消費が個人消費でなく、主にサービス輸出に計上されること。
・要は、海外経済減速の影響で財貨の輸出は良くないが、これをコロナ禍の制約が外れたことによる個人消費とインバウンド消費でカバーした格好。この形は4月〜6月期も続くのではないか。
・実質雇用者報酬は前年同期比-2.3%。賃上げが物価上昇に追い付かない。その中でも個人消費が強いのは、コロナ下でお金を使わなかった反動。
・2022年度は+1.2%と2年度続けてプラス成長。ただ、2022年度のGDP水準は548兆円と、コロナ前2019年度550兆円にまだ届かない。
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株価上昇!
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こうした中、日本の株価が上昇し、明るいニュースとなっています。きっとSaltさんからやや辛口かつ専門的なコメントがあると思いますが、個人的には、アベノミクス初期以来久しぶりに日本株が思い出された印象です。
思い出されたきっかけは、日銀総裁交代かもしれませんし、久しぶりに日本を訪れる機会の到来かもしれませんし、バフェットの御宣託かもしれませんし、一頃ほどでないとは言え円安かもしれませんし、G7広島サミットかもしれません。
株価が上がること自体は喜ばしく、持続することを期待します。PBR1倍割れに悩む企業や、運用難に苦しむ家計にとり朗報です。
ただ、この株価上昇局面は、企業選別の引き金になる気もします。真に企業価値を高めていく企業、株価が安いうちに国内外のアクティビストに買われていく企業、乗り遅れて沈んでいく企業。ぬか喜びせずに気を引き締める時かもしれません。
今回はこの辺で。
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