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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2022/10/03 06:30  | by Konan |  コメント(0)

Vol.167: 月例経済報告と国葬


もう10月。今回は30日に公表された内閣府月例経済報告を紹介します。

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現状判断据え置き
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現状の基調判断は先月と全く同じ。各需要項目とも不変です。

・基調:景気は、緩やかに持ち直している
・個人消費:緩やかに持ち直している
・設備投資:持ち直しの動きがみられる
・住宅建設:底堅い動きとなっている
・公共投資:底堅さが増している
・輸出:おおむね横ばいとなっている

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先行き判断も基本的に維持
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先行き判断も、多少表現の変更はありますが、基本的には維持されました。「ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる」との表現が新味でしょうか。

・基調:ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待される。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある
・個人消費:ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、持ち直していくことが期待される
・設備投資:企業収益の改善等を背景に、持ち直し傾向が続くことが期待される
・住宅建設:底堅く推移していくと見込まれる
・公共投資:関連予算の執行等により、底堅く推移していくことが見込まれる
・輸出:当面横ばい圏内で推移することが見込まれる。ただし、海外景気の下振れ等による影響に注意する必要がある

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国葬…
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永田町さんもメルマガで触れられた安倍元総理の国葬。当日偶々所用で半蔵門駅近辺に行き、花束を持った多くの人や、賛成派と反対派の小競り合いを目撃しました。報道も国葬一色でしたね。

ただ、多くの国民にとり、この国葬はどこか遠くの世界の出来事に感じられたとも思います。賛成派が願い反対派が忌み嫌った「国による弔意の強要」を感じた人も殆どいなかったのではないでしょうか。

そうした中、政治の世界では今回の国葬の評価や今後の基準作りが論点となっています。似て非なる問題である旧統一教会の問題は重要で追及が必要ですが、国葬の話しに時間をかけることは時間の無駄に思えます。国葬の候補者は恐らく総理経験者に絞られます。現存する総理経験者の中で唯一名前が上がるとすれば小泉さんと思います。しかし小泉さんの場合、当人がそうした格式ばった儀式を嫌うでしょうし、子息(進次郎)が現役の有力国会議員であることもあり、現実味がありません。まさか森さんの国葬はあり得ないでしょうし、岸田さんが国葬の候補になるほど挽回することも想像できません。要は先送って全く支障のない問題です。

日本人は元々いろいろなことを先送ります。「死」繋がりでは、皇位継承が典型例ですね。国葬話しは勇気を持って封印し(繰り返しですが、旧統一教会の問題は別です)、真面目に新しい資本主義や安全保障問題の議論を行うべき時と思います。

今回はこの辺で。

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