プロが語る世界情勢・政治・経済金融の最前線!

The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2021/11/01 06:30  | by Konan |  コメント(0)

Vol.129: 金融政策決定会合


最初に断りを。この原稿は衆院選開票前に書きました。開票が始まると落ち着いて書くことが難しいので。我々には永田町さんという強い味方がいるほか、先週末のオンライン懇親会ではかんべえさんの解説も聞くことが出来ました。自民党がどれほど減らすか(余り減らないか)、単独過半数を維持できるか(できないか)の勝負と思いますが、どうなったでしょうか…

今回は淡々と10月27、28日に実施された日銀金融政策決定会合を紹介します。政策変更は無く無風の会合でした。世間は小室眞子さんご夫婦の話題で持ち切りで、関心も低かったと思います。そういえば、小室圭さんはNY州弁護士試験の合格者名簿に名前が無かったようですが、ある意味で世間の関心を呼び続ける稀有な才能があるのかもしれません。

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景気の現状判断は不変
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景気の現状に関する基調判断は前回(9月)と不変です。需要項目では、半導体不足等供給制約の影響で輸出が下方修正される一方(この他、公共投資も若干下方修正)、個人消費について「持ち直しの兆し」とされました。

・基調:内外における新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している
・個人消費:サービス消費を中心に下押し圧力が依然として強いが、足もとでは持ち直しの兆しが窺われる
・設備投資:一部業種に弱さがみられるものの、持ち直している
・住宅投資:持ち直している
・公共投資:横ばい圏内の動きとなっている
・輸出:一部における供給制約の影響から弱い動きとなっているが、基調としては増加を続けている

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先行きは回復傾向明確に
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先行きについては以下の見通しが述べられています。展望レポートが公表された今回と展望レポート無しの前回(9月)ではスタイルが異なるため比較が難しい面もありますが、見方は概ね不変と思います。

まず、基調判断は以下の3段階に分けて語られます。

・基調(当面):新型コロナウイルス感染症によるサービス消費への下押しの影響が残るほか、輸出・生産が供給制約により一時的に減速すると見込まれる。
・基調(その後)ワクチンの普及などに伴い感染症の影響が徐々に和らいでいくもとで、外需の増加や緩和的な金融環境、政府の経済対策の効果にも支えられて、回復していくとみられる。(中略)改善の動きが企業部門から家計部門へと拡がっていくもとで、経済全体の回復傾向は明確になっていくと予想される
・基調(2023年度にかけて):内外のペントアップ需要の一巡などから成長ペースはやや鈍化するものの、緩和的な金融環境などが下支えとなり、所得から支出への前向きの循環メカニズムが家計部門を含め経済全体で強まっていくことから、潜在成長率を上回る成長が続くと考えられる

需要項目は以下の通りです。

・財の輸出:当面は供給制約の影響から一時的に減速、基調としては増加を続ける
・インバウンド消費:入国・渡航制限が続く間は落ち込み、その後は回復
・設備投資:機械投資やデジタル関連投資を中心に、増加傾向が明確になる
・個人消費:当面は感染症への警戒感が重石、その後持ち直し、更にその後増加基調が明確に
・公共投資:着実に増加後、高めの水準で推移
・政府消費:本年度は増加、その後水準切り下げ

実体経済面のリスク要因は以下が挙げられます。

・新型コロナウイルス感染症が消費活動に及ぼす影響
・供給制約の影響
・海外経済の動向
・企業や家計の中長期的な成長期待

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実質GDPと消費者物価の見通し
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展望レポートの中では、黒田総裁を含む9人の政策委員会メンバーによる実質GDP・消費者物価指数の見通しが示されます。中央値(9人のうち、上からみても下からみても5番目の数字)は以下の通りです。

(実質GDP)
2021年度+3.4%(前回+3.8%)、2022年度+2.9%(前回+2.7%)、2023年度+1.3%(前回+1.3%)

(消費者物価指数)
2021年度+0.0%(前回+0.6%)、2022年度+0.9%(前回+0.9%)、2023年度+1.0%(前回+1.0%)

報道では今年度の実質GDP見通しの下方修正が話題になっていました。供給制約(輸出)とコロナ禍(個人消費)の影響です。物価は最近では値上げ話が増えていますが、携帯電話通信料引き下げの影響が如実に表れています。黒田総裁の任期(2023年4月。ただし両副総裁の任期である3月に同時に退任すると見込まれます)中に2%の物価上昇目標が実現しないことは引続き変わりません。

今回はこの辺で。

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