2019/10/14 06:30 | by Konan | コメント(5)
Vol.32: 景気とぐっちーのこと
ラグビーは良かったですが、台風は本当にひどいことになりました。被害に遭われた方の早期の回復・復旧を心よりお祈りします。最近の台風の大型化と気候変動の関係について科学的な根拠は分かりませんが、関係あるとしか思えないのが正直な気持ちです。気候変動、持続可能な成長、ESGなどについて、いつか触れてみたいとも思います。
さて、今回は前半で景気について触れた後、加納ハルキさん(彼も高校の同級生です)に倣い、ぐっちーのことを記そうと思います。
日本の景気については、10月7日に公表された8月の景気動向指数(一致指数)について「悪化を示している」とされたことが話題になりました。1日に実施された消費税率引上げと絡め、「既に景気が悪化している中での引上げだった可能性」との論調が多かったように感じます。何度か書いたように、私はこの指数のファンではありません。指数算定に採用されている指標が旧態依然としていて、日本経済の変化・変革を捉え切れていないように思えるからです。実際、今回の悪化も鉱工業用生産財出荷指数の悪化が最大の寄与度を持ちました。また、指数に基づく判断は機械的なもので、本当に日本経済が景気後退局面に入っていたか否かの判断は、暫く時間を置いて(2年ほど)行われます。
他方で、この指数の悪化は、今世界で起きていることを象徴している面もあります。10月1日に公表された日銀短観でも示されたように、非製造業(サービス業)や個人消費は左程悪くない(日本は消費税が絡むのでこうは言えませんが)のに、製造業や投資に悪化が見られ、これが経済の足を引っ張っているという構図です。
最近ある専門家に確認し納得したのですが、米中貿易問題にかかわらず、中国の輸出は今のところ減っていません。対米輸出の減少を対ASEAN輸出増が補う構図です。恐らくASEANを迂回した対米輸出が行われていると思います。しかし、中国経済は減速しています。理由は2つです。1つは製造業設備投資の落ち込み。輸出は減っていないとは言え、先行きが余りに不透明なため投資を控えざるをないという訳です。もう1つは自動車販売の減少。これも消費者マインド悪化や中国人の嗜好変化(都市部での環境意識の高まりなど)もありますが、企業が車を買い控えていることも理由のようです。そしてこの中国経済悪化が、ドイツや日本に波及しています。
また、米国経済も以前に比べ海外経済の影響を受けやすくなったとの説もあります。最近Podcastで聴いたThe Indicator from Planet Moneyという番組でも紹介されていましたが、世界経済における非米国経済シェアの高まり、米国企業の国際化(例えばアップルの中国での売上げなど)、国際金融資本市場のつながりの強まり(日欧の低金利が米国に波及)が理由として挙げられていました。そして「貿易戦争は米国自らに降り掛かってくるだろう」と警鐘を鳴らしていました。
世界的に非製造業化・サービス産業化が進み、製造業のシェアは落ちています。しかし、個人消費動向は景気に左右されにくい面を持っている一方(景気が悪くなったからと言って、三食を二食に減らさない)、製造業は上下に変化しやすいため、景気の「変化」を占い判断する点では、引続き製造業の動きが相応の意味を持ちます。今、米中貿易戦争を契機に、こうした動きが世界的に起きており、独り勝ちの米国ですら油断できない状況と考えることが自然と思いました。
さて、ぐっちー。私たちの高校は小学校からずっと通う人、中学から入る人、高校から入る人に三分されています。やや差別的ですが、中学から入る人は中学外部、高校から入る人は高校外部と呼ばれ、ぐっちーは生粋の内部、ハルキさんは(私の勘違いでなければ)中学外部、私は高校外部です。入学しこの3名を含む男女42名が同じクラスに揃った際、ぐっちーは圧倒的な存在感を示していました。私は高校時代身長が5㎝伸びぐっちーに追い着きましたが、入学時はぐっちーは体格も大きく、声も大きく、運動も音楽も万能という存在でした。ただ、(これも記憶違いでなければ)高校ではどの部活動にも属さず、自らの道を歩んでいる感じもしました。
卒業後は、クラス会、あるいは数人で定期的に会いましたが、彼との関係が深まったのは、2005年からの10年間ほどです。ここには書けないいくつかのエピソードを経て、ハルキさん同様Gucci Post立ち上げの相談を受けたのは2010年初の頃と思います。私は四谷三丁目の寿司屋(ぐっちーに連れて行ってもらったことがあります)ではなく、東銀座の私の馴染みのワインバーで話しを聞きました。当時ぐっちーは禁酒していて、お店に特別にお願いしてノンアルコールビールを沢山用意してもらったことを思い出します。執筆開始後も、二人で、あるいは何人かで会い、旧CRUのひとり言について「お前の自己評価よりずっと評判が良い。出版社の人に本にすべきと言われるくらいだ」など過分の言葉をもらい、励まし続けてくれました。
その後、官の世界でSNS炎上事件が続き、ひとり言を書きづらい環境になってしまい、一度筆を折りました。それもあって、彼と会う頻度は減りました(その間、ご家族を事故で亡くされ本当に可哀想でした)。思い立って、新ひとり言執筆の相談のため久し振りに会ったのは昨年半ば。余りの痩せ様に驚きましたが、菜食主義のせいだと言われ、また白ワインをガンガン飲み、生うに(Gucci Post通販の試食)をどんどん食べていたので、大丈夫とも思いました。他方、ここ数年の彼の余りに激しい活動(地方再生、執筆、投資など)を見て、何度か「生き急いでいる」と心配したこともありました。今年会ったのは2回。その時も余り食べませんでしたが、酒はどんどん飲み、元気にふるまっていました。しかし、結果は皆さんご存知の通りでした。所詮自分には何も出来なかったことは分かりつつも、何もしてあげられなかったことを悔やみます。もし編集部が望むなら、このコーナーを細々とでも書き続けることが、出来る最大の供養でしょうか。
改めてご冥福をお祈り申し上げます。天国で、先に亡くされたご家族や猫と再会されていることを願っています。
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5 comments on “Vol.32: 景気とぐっちーのこと”
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この処、ぐっちーさんを含め、周辺では狙撃されて倒れる友人知人が多くなってしまった。ぐっちーさんとは、二度京都で出会っただけの仲だった。最近、地方再生で
現実と出会い、彼は感歎していたけれど、僕には周知の事だったから、知恵熱だなと観ていた。こんな場合、立腹してはいけないが、彼は猛烈に腹を立てた。腹を立てると狙撃に遭いやすくなる。
官兵衛さんの太々しさを見倣えば、もう少し長い生き出来たように思える。しかし、その官兵衛さんもマンションのLINEの不都合で、先週の万馬券を二件、注文しそこなって、身の不運を嘆き灰を頭から被ってらっしゃる。しかし万馬券を二件当てたとなると、狙撃されやすくなる。寿命が延びたと捉える見方もある。
Konanさんのコラムは高く評価していますから、万馬券を狙わず、複勝狙いで永く続けて下さい・・・
( ^△゜)
今まで競馬は二度しかしたことがなく(一度目は高校の時でした笑)、万馬券には縁遠い人生です。
事後知った情報に基づき振り返ってみると、ぐっちーは自分の病気に気付いて以降、より一層攻撃的になり、生き急いだように思います。
私は地味に長持ちを目指します(^ ^)
お初にお目にかかります。ぐっちーさんが向こうの世界へ逝かれてまもなく3週間になりますか…。何だかあっという間でしたねえ。同級生として思う所は自分達よりも思う所は多いでしょうなあ…。今ぐっちーさんが書かれた過去ログ読んでいますが、今年に入ってやたらと攻撃的な書き込みが多く、当時から何かおかしいなとは思っていたんですが色々自分の体の変調に知っていたのか知らなかったのかは分からないですが、かなりイラついていたんでしょうね。生き急いでいたのかどうかは今となっては分かりませんが当人なりに抵抗していたんでしょうな。そんなことせずに適切に治療を受けていれば…、と言うのは今となっては意味のない事なんですが…。それにしても返す返すも残念です。生きている我々はこれを他山の石として生かさないといけないですね。それでは…。
CRUさんの記事はいつも楽しく勉強させていただいています。ぐっちーさんの思い出もありがとうございます。これからも応援します。
それにしても、前のコメント、「知恵熱」とか「高く評価」とか、どの立場で言ってるのか。謎の上から目線。
ぐっちーさんとは2回会っただけとか、かんべえさんのことも知らないだろうに、何が言えるのか。勘違いが痛い。しかも失礼。
こういう輩はネットにはよくいますが、相手をしてあげるCRUのひとりごとさんとグッチーポストの寛大さにあらためて感銘を受けました。
一年と9か月の縁(?)でした。
次の講演会へは行くぞと決めていました。半年ほど前から、何かに怒っているような文言があり、おやっと思うことがあった。昨年の九月に、売りの権利を買うといいとそれとなく、かかれていましたが読み切れなかった。手持ち資金があったので、下がった時、買いました。とにかくもっと早く、ブログを知っておればと思った。
残念です。ご冥福を祈ります。