2013/09/09 09:00 | by Konan | コメント(2)
Vol.209: 憲法その後
オリンピック決定で盛り上がっていますが(消費税引上げ決定の有力な材料になると思います)、このコーナーは今回で209回目。1年52週とすると、丸4年間、週1回のペースでこのコーナーを書き続けたことになり、今回から5年目に入ります。Gucci Postも5歳を迎えたわけで、ぐっちーやスタッフの方にお祝いを申し上げたいと思います。なお、予告しておくと、このコーナーは年末のVol.225で終了予定です。前回Vol.208で終えようと思いぐっちーに連絡したところ、「年末までよろしく!」と言われ、あと4か月弱書き続けます。彼と仲違いした訳ではないので、ご心配なく(笑)。
さて、しばらく前、このコーナーで憲法について何度か書いたことがありました(手痛いコメントもいくつか頂戴しました)。参議院選挙後、安倍総理は引続き改憲意欲を示し、また、数回前に書いたような集団的自衛権の議論も進みそうですが、具体的な改憲の道筋や中味について、まだみえている訳ではありません。ただ、先日ある方と会食していた中で、とても面白い見方を伺ったので、紹介してみたいと思いました。
通常、憲法改正については、「9条改正」「96条改正」の2つが話題の中心になります。環境権の加憲、参議院の位置付けの変更など、その他の論点も話題にはなりますが、9条と96条が主役であることは間違いありません。そして、自公圧勝後の今の状況であっても、9条はもとより、96条改正ですら国民の過半の支持は得ていないとの分析が多くなされます。
さて、ある方の話しを要約すると「安倍総理は、9条でも96条でもなく、公明党やその他の野党も賛成しそうな条項の改正ないしは加憲、典型的には誰もが反対しない環境権の加憲のような部分から憲法改正を図ろうとするのではないか」、「なぜなら、不磨の大典という日本国憲法のイメージが、1度であっても改正されることで変わり、その後の憲法改正論議に弾みがついていく可能性が生まれるので」とのことでした。
この会話、参議院選挙前のものでした。実際の選挙結果は、自民、公明、維新、みんなを加えると参議院で2/3に達し、既に衆参両院で国会による改憲発議の条件は整っているとも言えます。民主党も改憲に全面的に反対している訳ではありません。環境権の加憲であれば、衆参両院の発議を経て、国民投票も通ってしまうように思います。
このことを是とするか非とするか、立場は大きく分かれると思います。9条、96条改憲論者でなくとも「環境権の加憲は良いこと」「9条や96条はその時に反対すれば良い」と思われるかもしれません。他方、一時、麻生副総理の「ナチスドイツを見習う」発言が物議を醸しましたが、まさに2つの世界大戦の間にドイツで起きたような「蟻の一穴」の事態を恐れ、全ての改憲に反対される方もおられると思います。
実際に政権がこうした方向で動くか否か不明です。ただ、意外に近い将来に、我々に大きな判断が求められる時が来るのかもしれません。
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2 comments on “Vol.209: 憲法その後”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
正面玄関・・
敷居・・高くても・・
勝手口に・・敷居はない・・
オリンピックで・・
憑いていると・・宰相信じれば・・
玄関扉ノッカー叩き・・
びびれば・・
御用聞きのように・・勝手口・・
表からでも・・裏からでも・・
中に入れば・・同じ家の中・・・(笑)
このコーナー、「年末のVol.225で終了予定」ですか。 いつも、難しいテーマをわかりやすい語り口で解説してくださるので、とてもありがたいです。 私にはレベルが高すぎる話題も多いので、コメントできる機会は限られていますが、毎回拝読しています。
ぐっちーさんも、難しい話題について、わかりやすく、時にユーモアを交えて記事にしてくださっているので、楽しく拝読しています。 とはいえ、ぐっちーさんは気骨のある方で、時々、「そこまで言ったら、アブナイ。。。」とハラハラすることもありますので、穏やかなkonanさん、そういう時は、どうぞぐっちーさんを引き留めてくださいね。
でも、実はkonanさんも気骨のある方なんじゃないかな。。。と感じてはいます。 こちらのサイトにコメントを寄せられる方々も、バランス感覚と同時に、気骨を感じる方が多いので、やはり「類は友を呼ぶ」でしょうか?
玉石混交の情報が氾濫している中で、どのように情報を取捨選択していくかがますます重要になっているので、『The Gucci Post』は、とてもありがたい存在です。