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2024/05/20 06:30  | メルマガ |  コメント(0)

第247号 ほぼ予想通りのインフレデータに安堵する市場、米国株は高値更新


米国は実際、いつから利下げをしていくのか?マーケットからは非常に注目が集まっているこのテーマ。今回は、FRBの判断にも影響を与える、CPIやPPIの発表が相次ぎました。また、米国の消費動向を見るうえで欠かせない小売売上高も発表になっています。

月末31日に、米国4月の個人消費支出(PCE)が発表され、これも重要なインフレ指標ですが、その前哨戦となった先週の統計内容を確認していきましょう。

それでは、今週のアウトラインです。

●先週のマーケット
・塁が及ぶ個人消費
●今週の米国経済統計(予想)
●先週の米国経済統計(結果)
●経済統計分析

1.一安心なインフレデータ
 ・CPI 4月
 ・PPI 4月
2. 下振れた小売売上高
3. 新規失業保険申請件数
●あとがき

それでは、さっそくまいりましょう。

●あとがき

先週の米国株式市場では、NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数が揃って過去最高値を更新しました。年初来の騰落率は+6.1%、+11.2%、+11.2%、となっています。ここ一年間で見るとNYダウが+20%程度、S&P500とナスダック総合指数は+30%程度と指数とは思えないパフォーマンスを叩き出してます。

米国外に目を向けてもドイツ、フランス、英国など、主要株価指数が史上最高値を更新している国が結構あります。一方で、日本株の戻りの悪さが気になるところ。これまで相対的に高いパフォーマンスを出していた反動もあるのでしょうが、普通に考えればこれから利上げをする可能性が高い国の株式には強気になれないのは当然ですし、その国の通貨も不安定な動きをしているなら尚更です。

日銀の植田総裁は先日、首相官邸で岸田首相と会談し、為替が経済物価に与える影響などについて議論したとのこと。前回の政策決定会合の記者会見では「基調的物価に為替は大きな影響与えていない」と発言し円安が加速してしまったのは記憶に新しいところですが、政府から怒られたのか、首相との会見後は、為替の変動を「経済・物価に影響を及ぼす重要な要因」だとしており、発言に変更を加えています。

また、「仮に物価見通しが上ぶれるリスクが大きくなった場合には、金利を早めに調整していくことが適当になる」と、利上げ発言も飛び出したことで、市場の流れが変わった感じはあります。とはいえ、余程円高が進まない限り下値は堅いでしょうし、非常に良い展開になってきた米国株の流れに乗って日本株も強含む可能性はありますが、どうなるでしょうか。

先週、バイデン大統領住宅を初めて購入する米国民毎月400ドル、2年間支給するとXでポストしました。

3月の一般教書演説でも、初回の住宅購入や大きな住宅への買い替えについて、月400ドルの補助に相当する新たな税額控除(2年間実施)を提案しており、住宅ローン金利の負担を軽減する目的だとしています。

先日NY連銀が公表した調査によると、価格の高止まりや高い住宅ローン金利、頭金をためることの難しさを背景に、マイホーム購入は可能と考える消費者は10人中、約4人にとどまり、10年前の調査開始以来最低水準とのこと。本当であれば国民の手が届くところまで住宅価格を下げたいのでしょうけど、もう大統領選挙までに間に合わないので、選挙に向けてお金配りを始めたと。

高止まりする住宅価格に拍車をかけることになるのでは、とインフレを心配する声もありますが、総額で9600ドルですからインフレ再燃を懸念するような金額ではありません。ただし、ここからさらに住宅ローン金利が上昇してしまうと、こうしたバラマキが無駄になってしまうので、政権としても金利が上がることに対して神経質になるかもしれませんね。選挙対策の壮大なバラマキはいかに。

今週も、ここまでお付き合いくださいましてありがとうございました。沖縄は梅雨入り秒読みのようですが、最近ムシムシする日も増えました。

FRBのパウエル議長は2回目のコロナ感染とのことですが、私たちも体調管理に気を付けて、よい1週間を過ごしましょう。

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