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2015/05/17 00:00  | ロシア |  コメント(2)

プーチン・ケリー会談


米国務長官がプーチン大統領らと会談、協力表明も進展見えず(5月11日付ロイター記事)

対独戦勝式典には欠席したケリー国務長官が突然にソチを訪問して、プーチン大統領とラブロフ外相と会談。

これは結構驚きでしたね。ケリーは、ウクライナの危機後、ラブロフとは何度も会っていますが、プーチンと会ったことはありません。今の状況でプーチンと会うことは、それ自体大きな政治的意味合いをもちます(はっきり言えば、米国からの歩み寄りを意味します)から、何の狙いや成果の見通しもなく実行するはずがありません。

しかも、ラブロフとの4時間の会談も含めて、8時間という長時間。裏では何か大きな取引があったのではないかと勘ぐらせます。

(それにしても、ケリーは、イラン核協議での徹夜の交渉といい、よく働きますね・・・4時間、8時間の会談なんて、日本の首脳・外相レベルではあり得ません。さすがスーパーパワー。)

ウクライナは、ミンスク停戦合意以降、膠着状態に陥っています。この合意が守られるかが焦点となっており、見守るほかありません。この膠着状態が続くか、またはもっと踏み込んで状況に好転が見られれば、近いうち、米ロ関係に大きな進展が見られるのかもしれません。

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2 comments on “プーチン・ケリー会談
  1. ペルドン より
    怪談

    >>はっきり言えば、米国からの歩み寄りを意味します)
    大胆な・・
    にじり寄っているのは・・プーチンのように・・
    とは言うものの・・
    外相同士・・日頃・・つるんでおれば・・何かと重宝・・
    外交の基礎・・

    シリアに特殊部隊・・贈り込み・・お命頂戴・・女房は人質・・
    なんと・・大胆な・・オバマ様・・他家の奥方に・・手を出すとは・・

    サウジの元情報部長官・・アサドは紙切れ同然・・
    民間専門家・・誰も知らない戦士を血祭りにあげた・・と罵倒・・
    だとしたら・・
    オバマらしいが・・アラーの御許に旅立ったのは・・無名か大物か・・・(笑

  2. JD より
    ペルドンさん

    いや、違いますね。交渉の中で、サブスタンス的にはロシアは譲歩していてもおかしくありません。しかし、ケリーの方から(わざわざ対独式典を欠席したのに)ロシアを訪問しているのだから、外交の常識からすれば、米側が歩み寄っているように「見える(受け止められる)」ということです。「政治的意味合いをもつ」というのはそういう意味です。
    ラブロフと会うなら世間話で済みますが、プーチンと会うのであれば、米側も手ぶらで終わるのでは済まされません。それなりの覚悟をもって応じたわけで、何らかの交渉に応じる用意があったと読むべきです。
    米国が対話にのっかる(もしかしたらノルマンディーに加わる)のであれば、それだけでロシアにとっては外交的勝利です。
    WSJ、NYTといったメディアは、米国が服従した(obeisance)、方針を変えたなどと述べています。
    オバマは、得意のスマートな必殺攻撃ですね。まあ、今はこれしかないということでしょう。

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