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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2012/12/17 00:00  | by Konan |  コメント(0)

Vol.171: 総選挙を振り返る


現在16日の夜。各局の選挙速報を見ながら書いています。各局の予測にはまだ開きがありますが、自公で320議席に迫る、あるいは越えそうなこと、民主党が惨敗したことは確かなようです。まだ、投票率や各党ごとの得票率については、報道を見ていません。

以上の結果は予想された通りでした。郵政解散で小泉自民が圧勝した前々回選挙の再来です。その際は維新の会のようなライバルがいなかったため、民主党はまだ再生に向けた余力を残しましたが(そして現にその次の総選挙で政権を奪取しましたが)、今回の民主党の負け方は極めて深刻に見えます。また、この3回の議席の大きなスイングをみると、改めて小選挙区制の怖さを実感します。

民主党の敗北は、政権獲得後、鳩山政権が全く機能せず日米関係を壊して退陣したこと、菅政権の東日本大震災対応が国民の理解を得られなかったこと、野田政権がマニフェストを信じた支持層離れを起こしたことからみて、至極当然の結果で、同情の余地は無いと思います。第三極や自公以外の小規模既成政党については、維新の会は健闘したと思いますが、余りの数の多さに「何が何だか分からない」との感覚を多くの国民が感じたと思います。

自公については、3年前の敗北後、小選挙区において各候補者が文字通りどぶ板の活動を行い、仮に民主党の失態がなかったとしても、恐らく民主を上回る結果になっていたと思います。そして民主への不信感、さらには多党化に伴う票の分散により、1票でも他の候補の得票を上回れば良い小選挙区制の下では、益々自公に有利に働きました。

今後の注目点は以下の通りと思います。

(1)自公で320議席を越えるか。あるいは越えないにしても他の党の協力を得て320議席を確保するか。実際に参議院を全く無視することは難しいとは言え、参議院での議決を覆すことが出来るようになれば、今後の国会運営の強引さもかなり違ってくると思いますし、参議院での連携相手探しも、優位に進めることが出来ます。

(2)民主党や維新の会がどう動くか。民主党は税と社会保障の一体改革で3党合意を守るとの縛りを受けつつ、自民との差を明確にし、態勢を立て直したうえで7月の参議院選挙に臨む必要がある訳ですが、例えば細野さんのような新党首を選んだとしても、どこまで持ち堪えることが出来るでしょうか。維新の会は、自公政権との距離感をどう取り、また参議院選挙に向け存在感を増していけるのか、それとも失速してしまうのでしょうか。

(3)自公政権は実際にどのような政策を行うのか。安倍総裁(総理)の政策に公明党がどこまで合わせていくのか。「日本を取り戻す」というキャッチフレーズが実際に何を意味し、何を実現していこうとするのか。憲法改正を目指すとすれば、実際にどの条文をどう変えようとするのか。

まだ情報が不確実な中でのとりとめのない感想になってしまいましたが、取り敢えずこの辺で止めておきます。

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