2011/04/18 00:00 | by Konan | コメント(2)
Vol.84: 大震災その後(その2)
暫く地震について続けようと思います。様々なところで書き尽くされており、付加価値を付ける自信はありませんが、そうは言ってもブログを書く者として避けて通れないと感じます。政治、経済、行政の3つの側面から取り上げていきます。
政治について、国内の前に海外に目を転じると、ドイツの選挙に端的に現れたように、反原発の動きが政治に大きな影響を与えています。米国の事情についてはぐっちーのブログやメールで大変勉強になりました。フランスによる専門家派遣は「自分たちは原発問題を制御できる」というアピールの面も否定できないと感じます。
そうした中、リビア空爆の決定時期に震災が影響を及ぼしたのではないかと推測しています。そもそも本件、米国内でtoo little too lateと批判されるなど、「もっと早く介入すべき」との意見が一方であり、他方で、イランやアフガニスタンのような事情も抱え、いつ実施するか悩んでいたと思います。世界の目が日本に向いている隙に手を打ったのではないかと疑っています。
国内に目を向けると、前橋さんが「大政翼賛会」的な動きを批判されています。私自身は少し複雑な気持ちです。官の一員として、この非常時に円滑に予算や法案が通ることは大変有り難く感じますし、また、この大事の前に多くのことは小事になってしまい、対立の必要性も自然に乏しくなります。
例えば、子供手当をどう扱うかは、大震災前の最大の対立点で、与野党間は素より、菅総理と小沢さんの対立軸でもありました。結局、震災の財源確保が最優先という観点から、子供手当(あるいは高速道路無料化)に幕引きがなされる可能性が現実味を帯びていますが、仮にそうなるとすれば、大事の前に争点が消滅してしまう典型例と思います。
今回の経緯をみていて感じたことは、谷垣総裁の立ち回り方の下手さです。この点では菅さんの方が上手だった気がします。入閣要請に対しゼロ回答した訳ですが、例えば石破さんのように極めて実務能力が高い方を、震災復興ないし原発対応の大臣として送り込み、震災対応の一翼をしっかりリードする態勢を作ることが出来ていれば、「自民党も良くやっている」とのイメージ作りに貢献できたのではないかと思います。地震直後に書いたように、暫く解散総選挙は行われないので、その間、自民党の存在感を維持しておくことが不可欠であるのに、機会を逸した印象です。
菅総理自身も原発対応に手間取り、失言問題も取り沙汰されていますし、「菅総理退陣を前提とした大連立」の話しも燻っていますが、そうした動きに決め手は無く、今のところ菅総理側に有利な流れが続いていると感じています。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
2 comments on “Vol.84: 大震災その後(その2)”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
仏は核融合炉で・・主導権を把握している以上・・上であることを・・演出しなければならない・・
前庭は・・当然・・口だけじゃなく・・ゲンコツも・・出さねばならない・・ナポレオン精神は・・脈々と・・
で
ジャポン・・
自民党総裁・・やはり・・この方も・・トップには・・御無理なお方様・・
管邸とは・・能力差ではなく・・権力のあるなし・・
五月政変・・口喧しい・・・
当時、入閣要請を断ったことをニュースで知り、私もすごく驚きました。 確かに唐突だったと思いますし、別の動きもあったのかもしれませんが、国の非常事態の今、しばらく解散総選挙は行われないでしょうし、この国難を乗り越えるためには、これまでのような政党間の低次元の応酬は許されない状況なので、自民党は、相手の思惑がなんであれ、それを受けて、逆に存在感を示す機会として有効に使うこともできたと思いますが、あまりにも胆力がないので本当にびっくりしました。 菅総理は「KY」を逆手にとっているふうもありますよね。
これまでのやり方が通用しない事態になっているので、立場や主義主張にとらわれず、アマタを切り替えてほしいですが、伊藤洋一さんが『Day by Day』で書かれていたように、日本の舵取りを担う人たちの危うさこそが「レベル7」になっていると感じます。
民主党政権は、ロシアの北方領土への振る舞いを当初、想定していなかったようですが、オメデタイにもほどがありますし、それを踏まえると、中国の次の国家主席がこれまでとまったく違うであろうことを本当にわかっているのか、はなはだ疑問です。 自衛隊の最も重要な役割は、独立国家である日本と日本国民を守ることです。 現政権には、その認識と配慮をしっかりとしてほしいです。
別の回のコラムでメディアの再編について書かれていましたが、今回の大惨事の報道のされ方を見ていると、もしかすると、その速度が速まったんじゃないかな〜とも感じました。