2010/12/13 00:00 | by Konan | コメント(2)
Vol.66: 臨時国会を振り返って
今年も残り20日を切りました。今回は、先日終わった今臨時国会の感想を記したいと思います。尖閣や北方領土など外交問題、閣僚の失言問題など様々な事件があり、国会期間中内閣支持率も低下を続けました。そして、とても閉塞感が強い国会であった印象です。
閉塞感の主因は、無論内閣が尖閣等の問題を上手く捌けなかったことにありますが、それは仮に自民党内閣であったとしても、同じだったかもしれません。他方、柳田前法相の失言・罷免問題は、「大臣になったうれしさ」を正直に表現してしまうというおとなげなさに起因しており、長年自民党以外から殆ど大臣が誕生してこなかった帰結とも思います。因みに千谷官房長官の場合は、結局のところ「頭が切れ過ぎる人は余程の人格者でない限り嫌われる」典型と思います。
そのうえで、衆参でねじれが生じている中、どのように国会運営を行なうべきかが問われていると改めて感じました。自民党政権の末期にも衆参ねじれが生じ、ガソリンの値段が上下したことは記憶に新しいところです。立場が逆転した上で、自民が当時の民主と同じ仕掛けて政権に挑んでいる訳ですが、それでは国政が進まず、日本の位置は低下の一途です。今後も民主、自民の間で政権交代が起こりうるという前提、すなわちどちらも与党、野党になり得るという前提に立ち、もう少し大人らしい、審議拒否ではない、妥協の方策を探る運営ルールをそろそろ確立すべきと思います。
ただ、更に考えていくと、「大人らしい」ルールを確立することも容易ではありません。法案について正確な知識を持ち、「論点Aは民主案、Bは自民案」という形での考量を行ない、バランス感覚を持って呑み込むことが不可欠となる訳ですが、そこまで政治が成熟しているか、疑問を抱いてしまうからです。
本当は、参議院の位置づけを変えるしかないという気がします。全ての法案について、予算同様衆議院の優位性を認めるということです。参議院はまさに良識の府として賛否を示し、しかし実務は総選挙の結果に基づき、勝った政党の政策に従い4年間流れていく、総選挙は先々4年を決める極めて重要な位置づけとなる、という構図です。この実現には憲法改正が必要なので、絵空事と言われてしまえばそれまでですが、二大政党による政権交代を理想の制度と考えるのであれば、どこかで論点として浮上せざるを得ないと思います。
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2 comments on “Vol.66: 臨時国会を振り返って”
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与党になった・・
初体験・・
野党は・・二度目・・
声のあげ方・・演じられる・・
何しろ・・
お初だから・・筆下ろしだから・・
何が・・何だか・・分からぬ内に・・終わるのであります・・与党は・・
「頭が切れ過ぎる人は余程の人格者でない限り嫌われる」
頭が切れすぎる人は・・人格者のフリが出来る・・のですが・・
何しろ・・
初体験・・
叫んでいる内に・・終わるのであります・・・
素人ながら少し思うところとしては、日本では党議拘束が強すぎるのではないでしょうか。米国を見てると大統領制と議院内閣制の差があるので何とも言えませんが、日本ほど強い党議拘束はないように思います。
議員内閣制や政党法の関係から、ある程度の党議拘束は本質的にやむを得ないにしても、一挙手一投足まで縛る間がある現在の党運営に問題があるように思います。
これは既存政党の権力のある意味源泉なのでしょうが、日本の為にはならず、これを緩和して運用することにより、個々の議員の選出にも役立つような気がいたします。