2010/06/28 00:00 | by Konan | コメント(1)
Vol.42: 菅内閣雑感
日本の決勝トーナメント進出の影に隠れる形で、参議院選挙がスタートしています。今回は、菅内閣に関する感想を書きたいと思います。
鳩山前総理が退陣を発表する前日、何人かのマスコミの方と話した際、彼らは「鳩山、小沢の2人が退陣すれば、支持率が急回復し、選挙に勝てないまでも大負けは回避できるだろう」との見立てを示していました。実は私はその見方に違和感を感じていました。
結果的には私が完全に間違えた訳ですが、なぜマスコミの見方に違和感を感じたか、言い換えると、鳩山・小沢退陣が支持率回復につながらないと思ったかと言うと、ヘッドが変わったところで、民主党の体質や政策が激変する訳でもなく、結局また国民に嫌われるだろうと思ったからです。分かり易い言い方をすれば、鳩山さんから菅さんにかわったからといって、普天間の移転先が沖縄の外になるはずもなく、失望は変わらないと感じたということです。結局、今回の支持率回復(ただし、その後消費税問題でまた低下しました。消費税についてはそのうち取り上げたいと思います)は、「リーダーの持つ重みが意外に大きい」ことを示したことになります。
菅さんと鳩山さんの最大の違いは、結局のところ、菅さんは不用意に夢を振り撒かない、期待値を上げないということと思います。私のイメージの中では、英国のブラウン前首相とダブります。選挙前に消費税率引き上げ話しを持ち出したことも、こうした性向の一環とも言えます。そして、このことは一国の総理に必要な資質の1つなのかもしれません。覚めた言い方をすれば、夢を振り撒いて政権を奪取した後、夢は破れ、しかし現実路線を歩もうとしているとも言えます。
さて、2週間もすると参院選も終わり、新たな政治の姿がみえてきます。以前も書いたとおり、衆参で民主が多数を占める「本格政権」が誕生する(そして自民党が消滅に向かう)か、衆参逆転し政治の混迷が続く(そして再編が起きる)かが、最大のポイントです。また、マクロの支持率と選挙結果が必ずしも一致しない可能性にも十分に注意する必要があります(今のところミクロの積み上げでは、まさに与党過半数の可能性が無い訳ではないが極めて微妙な状況のようです)。
官の一員としては、選挙結果を見守るしかありませんが、選挙後、政と官が真の意味で一体となり、日本の将来に向け現実的に、着実に、しかし前に進んでいけるような環境が出来ることを祈るところです。政治主導という言葉が先行し、現実を全く省みず政治が走った普天間のような出来事は、政にも官にも国民にも良いことと思えません。リーダーシップと「地に足がついた」政策遂行のバランスがまさに求められる局面と感じています。
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One comment on “Vol.42: 菅内閣雑感”
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不老不死の仙薬を求めた・・
始皇帝は・・水銀中毒で死んだ・・との説もある・・
増税すれば・・景気が良くなる・・
との奇説を・・
さきがけて・・アジられた・・新首相・・朝三暮四・・の類・・
怖いのは・・妄信・・盲信・・盲進・・であります・・新首相の・・
G8は聞いてくれた?!!
次は・・違う首相が来るな・・と
G7は思ったでしょう・・・