2010/01/04 00:00 | by Konan | コメント(0)
Vol.17: 新年特集(その1、選挙)
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。ぐっちーから戦力外通告されなかったので、今年もひとり言を続けようと思います。
さて、年初、いろいろな媒体で「今年の課題、注目点」のような特集が組まれています。私もそれに倣い、6回にわたり、今年注意しておいた方がよい、6つのテーマを取り上げてみたいと思います。選挙、景気、成長、財政、金融政策、外交の6テーマを考えています。今年は、大好きなサッカーのワールドカップが開催されます(長年ファンのイングランドの優勝を密かに祈っています)し、「環境」が大きなテーマになることは間違いありません。その他、社会面では、きっと去年の酒井法子に匹敵するような出来事が起きるのでしょう。そうした中で、私に書きやすい、またGucci Postらしいテーマと言うことで、上記の6つを考えました。
さて、「選挙」。今年の夏に実施される参議院議員選挙のことです。官の一員とは言え、政治そのもののプロではないので、緩い文章になってしまうこと、ご容赦ください。
政権交代後、とくに12月になり、政権の綻びがみえてきました。補正予算規模に関する、あるいは郵政人事やモラトリアム発言等に関する、国民新党亀井党首(大臣)の強烈な個性と民主党の間の乖離、基地問題に関する社民党との乖離がその代表例です。要は、連立政権では持たないという兆候が出てきたということです。想像するに、国民新党との関係は、それでも飲み込める範囲かもしれません。国民新党の立党の原点である郵政民営化問題については、民主党として強いスタンスがある訳ではありません(恐らく、民営化を本音では支持する人が多い一方、自民党との対立軸として、割り切って国民新党を支持する人も多いということと思います)。また、亀井さんの強い個性についても、亀井大臣はある種大変賢く、計算が出来る方なので、最後は何とか収めてもらえるという期待もあると思います。従って、国民新党との連立維持は許容範囲と思います。
他方、社民党との関係は、多分耐えられないところまで来ていると思います。逆な言い方をすれば、今の政権で、オバマ米国と本気で事を構える勇気や気概を持つ人は、少ないと思います(総理は恐らく心情的に社民党に近い位置にいると思います。また、小沢幹事長も日米対等への拘りが強いと思います。ただ、政権と党を代表する2人がそうであったとしても、本件についてそれが主流とは感じられません)。社民との連立なしで参議院で過半数を得ることが、民主党の選挙戦略の最大の目標になるでしょうし、選挙の神様である小沢さんが、それに向け、非情なまでの手立てを講じつつあると思います。また、6年前の選挙(自民が相応に議席をとった)からみて、民主が自民の席を奪う余地もそれなりにあります。そうした「プロ」の選挙戦術的な攻防が無駄になるほど、民主党に逆風が吹く、あるいは自民党に追い風が吹くような「失政」を政権が犯してしまわないかという点が、最大の論点となるわけで、この可能性に関し、次回以降の5つのテーマで触れてみたいと思います。
もうひとつの論点は、本コーナーの初回でも取り上げたように、自民党がどうなってしまうかという点です。前橋さんのブログをみていて、オーストラリアでは、自由党が政権を失った後、全く復調の兆しがみえないということを知りましたが、今の自民党は、余りに目立たない存在になってしまい、本当に心配です。各種世論調査でも、政権への支持率が急低下を始めた一方、自民党支持率は2割にも達しません。これは自民党を支持しているからではなく、2大政党間の政権交代の可能性という国民の期待が裏切られてしまうからです。
自民党が目立たない理由は、事業仕分けのように民主党側がメディアをひきつける「セレモニー」を上手くやっていること、谷垣総裁が地味な方であることにもありますが、多分、長年政府与党であり、自前の政権立案能力を持たなかった(官僚に丸投げしてきた)自民党の実力の無さが、浮き彫りになっているからではないかと感じています。その意味で極めて深刻な事態です。自民党を支持するブレイン、シンクタンクのようなものを早く確立し、選挙に向け政策を打ち出していかない限り、なかなか票をひきつけることは出来ません。実業界の中には、昨年の選挙で民主党を支持した方でも、最近の体たらくをみて、「もう票は入れない」という割合が増えている気配があります。そういう方は消極的に自民党に投票するかもしれませんが、どちらかというと、棄権し、投票率が低くなってしまうのではないかと思うほど、自民党が目立たないという危惧を持っています。
選挙までまだ半年以上あるので、何が起こるか分かりません。ただ、何となく冴えない選挙に終わり、結局、小沢さんの思いが叶ってしまうというのが、現時点での予想です。でも、それでは、面白くないですよね。わくわくするようなサプライズを期待するところです。
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