2022/07/18 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.159: 選挙のこと
参議院選挙が終わりました。また、安倍元総理が殺害されました。詳しい解説は永田町さんにお任せしますが、簡単に感想を書こうと思います。
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財務省と日銀
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自民党圧勝で岸田総理の安定度が増し、安倍元総理が亡くなられたことで、安倍さんへの配慮も不要になりました。このことで一番得をするのは財務省と思います。まず、財政再建が悲願の財務省にとり、積極財政派の安倍さんは困った存在でした。今後はもう少しはっきりとプライマリーバランスが大事など言えるようになります。
また、来春の日銀総裁人事。元々日銀総裁人事は財務省が主導権を握っていました。ところが、衆参のねじれで白川総裁が誕生。その後は、安倍さんの意向を受けリフレ派に近い黒田さんが2期にわたり選ばれました。黒田さんは財務省出身ですが本流の主計畑でなく、財務省にとり必ずしもハッピーな選択ではありません。今回は、財務省の意向も踏まえ、サプライズの無い形で正副総裁人事が行われると思います。
なお、岸田総理の安定度が増したと書きました。また、選挙の心配が無い黄金の3年間を手にしたとも言われます。ただ自民党総裁選を考えると、2年後に大きな関門が待ち構えます。その意味で3年は言い過ぎの気もします。
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野党の弱さ
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安倍さんの死の影響で多少与党の議席が上乗せされたかもしれませんが、それが無くても与党圧勝の構図は変わらなかったと思います。今回複数の議席を獲得した野党は立憲、維新、共産、国民、れいわ。お互いまとまるどころか遠心力が働く状態では、ロッキード事件級のスキャンダルか自民党の分裂でも無い限り、ここまでの圧勝でないとしても、与党の勝利は10年単位で続くと思えます。
野党間の合従連衡話しも大事かもしれませんが、政策を根底から練り直し、国民に向き合って説明することが求められます。岸田政権が打ち出した新しい資本主義に対抗する構想は全く聞かれず、消費税率引き下げと防衛費GDP2%反対くらいしか印象に残らないようでは、全く話になりません。奮起を求めます。
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投票率の低さ
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前回より上昇したとは言え、投票率は5割を少し上回った程度。これが健全とは思えません。与野党が伯仲すれば変わるかもしれませんが、それも当面期待できないとすると、投票率引き上げの手段は憲法改正の国民投票実施しか無いと思います。
私は憲法死守派でも押し付け憲法派でもありません。議会の2/3、国民の過半数(ただし、以前書いたように本当は議会の過半数・国民の2/3に近い形が望ましいと思います)が賛成するものを民意と捉えることは自然です。流石に国民投票ともなれば、投票率が上がるのではないでしょうか。
ただ、改憲4党と言われる自民、公明、維新、国民の間で具体的な案が異なることも良く知られています。国民投票が数年に1度(例えば参議院選挙の都度)行われたとしても、別におかしくありません。まず4党が合意できる2項目程度で改憲を目指してはどうでしょうか。
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安倍さんのこと
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心よりお悔やみを申し上げます。このような蛮行は決して許されません。
ただ、選挙期間中に元総理を殺害したから許されないのではありません。選挙期間中でなくても、安倍元総理でなくても、このような殺し方・殺され方は決して許されません。
また「民主主義への挑戦」と言われる点には吟味が必要です。例えば今回の犯行が自衛隊を違憲と考える左翼によるものとすれば、文字通り民主主義への挑戦です。他方、今回と全く異なる架空の例として、選挙期間中にある政治家が不倫相手の恨みで刺殺されたとしても、民主主義への挑戦ではありません。
その後の報道で、犯人は旧統一教会に恨みを持ち、安倍元総理と旧統一教会の間につながりがあると思ったことが動機と言われるようになりました。また、旧統一教会の過去の悪徳商法的な行為も広く知られるようになりました。仮にそうだとしても、殺害は決して正当化されません。また、憲法20条は「国」と宗教の分離を規定しますが、政党と宗教の分離を求めてはいません。
今後、森友問題のような追及が始まる予感がします。「国」と宗教の分離に反することが無かったか。安倍元総理を悼むとともに、この究明も願います。
今回はこの辺で。
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