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The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2019/05/06 06:30  | by Konan |  コメント(3)

Vol.19: 日銀プチ政策変更 月例経済報告と金融政策決定会合 2019年4月

10連休も終わりですね。私は連休中に出張が入ってしまい、ゆっくり出来ませんでした。始まった令和時代、どうなっていくのでしょうか?私もぐっちーも還暦が近付いて来ました。令和が体験できる最後の元号となる可能性も意識しつつ、確り生きていきたいと思います。

さて今回は、4月の月例経済報告と金融政策決定会合を紹介します。前者は18日、後者は25日公表です。今回は日銀の政策に小さな変更がありました。また、4月は四半期に一度展望レポートが公表される月に当たります。日銀の最新の物価見通しもあわせて紹介します。最後に少し時間が経ちましたがIMFの最新の世界経済見通しを紹介します。

(現状評価)
・全体:このところ輸出や生産の一部に弱さもみられるが、緩やかに回復している(内閣府)基調としては緩やかに拡大している(日銀) 
・個人消費:持ち直している(内閣府)振れを伴いながらも、緩やかに増加している(日銀)
・設備投資:増加している(内閣府)増加傾向を続けている(日銀)
・住宅建設(投資):おおむね横ばいとなっている(内閣府)横ばい圏内で推移している(日銀)
・公共投資:弱含んでいる(内閣府)高めの水準を維持しつつ、横ばい圏内で推移している(日銀)
・輸出:このところ弱含んでいる(内閣府)足もとでは弱めの動きとなっている(日銀)
・輸入:おおむね横ばいとなっている(内閣府)記述無し(日銀)

(先行き見通し)
・全体:緩やかな回復が続くことが期待される(内閣府)2021年度までの見通し期間を通じて、拡大基調が続くとみられる(日銀)
・個人消費:持ち直しが続くことが期待される(内閣府)緩やかな増加傾向をたどるとみられる(日銀)
・設備投資:増加が続くことが期待される(内閣府)緩やかに増加していくと予想される(日銀)
・住宅建設(投資):横ばいで推移していくと見込まれる(内閣府)記述無し(日銀)
・公共投資:次第に補正予算の効果の発現が期待される(内閣府)2020年度にかけて増加を続けたあと、2021年度も高めの水準を維持すると予想している(日銀)
・輸出:持ち直していくことが期待される。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響や中国経済の先行きなど海外経済の不確実性に留意する必要がある(内閣府)緩やかな増加基調に復していくと見込まれる(日銀)
・輸入:持ち直していくことが期待される(内閣府)記述無し(日銀)

内閣府の判断は3月と不変です。日銀は、後述のプチ政策変更とも関連しますが、判断がやや弱気化しました。まず現状の総括判断に「基調としては」という前置きが付きました。官庁・日銀用語は難しいですが、「いろいろあるが全体としてみれば」という感じで、部分的な弱さを認めた格好です。また先行きについても、現状評価に合わせて輸出に関し「復していく」という言葉が入りました。

さて、今回日銀の政策が小さく変更されました。カギとなる部分を引用します。

「海外経済の動向をはじめ経済・物価の先行きを巡る不確実性は大きい。また、「物価安定の目標」の実現には、なお時間がかかることが見込まれる。」

「消費税率引き上げの影響に加え、海外経済の動向を含めた経済・物価の不確実性を点検しながら、強力な金融緩和を粘り強く続けていくとの方針をより明確に示すこととした。」

こうした判断を踏まえ、所謂フォワードガイダンスが少し修正され、不確実性の要素に(消費税率引き上げだけでなく)海外経済の動向が加わり、さらに現在のきわめて低い長短金利水準を維持する期間が「少なくとも2020年春頃まで」延長されました。また、テクニカルなので説明は省略しますが、日銀が金融機関に資金を供給する際に徴求する担保の範囲を拡充するなど、粘り強い緩和を続けやすい態勢を整備することとされました。金融機関経営との関係でマイナス金利政策の終了を求める声もありますが、逆の方向感が一段と強まった訳です。今回の政策変更の真意は総裁会見の記録を見てもイマイチ分かりませんが、欧米中央銀行の金融政策が、少し前までの予想と異なり「少なくとも暫くは引き締めない」という意味で緩和的な方向に動きつつある一方、日銀が政策を維持すると、10連休中も含め円高方向に振れる可能性を心配したのではないかと推測(邪推?)しています。

さて、4月は四半期に1度、日銀展望レポートが公表される月に当たります。展望レポートでは、日銀の実質経済成長率や物価上昇率に関する見方が具体的な数字で表され、いつも注目を集めます。因みに公表される数字は、金融政策を決める9人の政策委員それぞれの見方を持ち寄り、そのレンジと中央値(9人なので上からも下からも5番目の数字)を示すこととされています。

中央値でみると、実質経済成長率については、2018年度+0.6%、2019年度+0.8%、2020年度+0.9%、2021年度+1.2%とされ、前回1月時点の見通しと比べ、各年度とも下方修正されました。なお2021年度の見通しは初出です。消費者物価指数前年比については、2018年度+0.8%、2019年度+1.1%、2020年度+1.4%、2021年度+1.6%とされました。1月時点の見通しと殆ど変わりませんが、初出の2021年度でも+1.6%と2%目標に達しません。上記の円高に関する邪推は別にして、理屈としては、かなり先まで2%目標を達成できない見通しとの整合性を図るため、粘り強い金融緩和姿勢を明確化したというのが、今回の「正統的な」解釈となるのでしょうか。

さて、日銀の「海外経済の動向の不確実性」と絡みますが、4月に開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議やIMF春季会合に合わせて公表されたIMF世界経済見通しでは、2019年の世界の経済成長率が、前回1月から0.2%下方修正され、+3.3%となりました。世界の経済成長率は、11年前の国際金融危機前は5%台を記録、危機直後に急落後、最近は大体+3%台で推移しています。+4%に近付くと「好調」、+3%に接近すると「弱い」という相場観で、この「弱い」領域に入ってきています。

理由としては、米中貿易摩擦の激化、アルゼンチンやトルコでのマクロ経済的なストレス、ドイツ自動車産業の混乱、中国での与信政策の引き締め、金融環境のタイト化や主要先進国での金融政策正常化が挙げられます。2017年は+3.8%とかなり好調でしたが、2018年+3.6%、2019年+3.3%と成長率の低下が続いています。2020年見通しは+3.6%と改善を見込みます。アルゼンチン、トルコを始めとする新興市場国や発展途上国の改善を見込んでのものですが、「不確実性をはらんでいる」と下方修正の可能性を認めています。

経済を巡る論点が明確になってきました。ぐっちーが扱う米国経済「独り勝ち」の様相が一段と強まり、日本を含む非米国経済は現在減速しています。これをいつどのように抜け出ていけるか、今年後半にかけて問われていくことになります。

3 comments on “Vol.19: 日銀プチ政策変更 月例経済報告と金融政策決定会合 2019年4月
  1. 健太 より:
    大工

     中学を卒業して大工の修行へ行った知人と会った。
     彼は開口一番<不景気になる>という。なぜと聞くと《荷の動きが変だ。それでだ> <フーン>
     私が<設計図どおり、作っても動かいと、わかっているとき、それをつくるのが嫌だよ>というと別の中学卒業して鉄工所につとめた別の知人が言う。

     <俺の会社にも似たようなことをいうやつがいるが、文句ばかり言っている。俺たちは言われたとおり、作ればいい。それで金をもらっている。動かないのは俺たちの責任ではない。後は知らない。昔は設計図どりではできないときはいろいろ言ったが今は違う。1みり、2みりを言うがそれは設計図上の問題で実際は切ったりするとき違う。それを現場で合わせたが、今はレーザーで切るから、どんぴしゃりで来る。もう現場で加工するようなことは少なく、組み立てるだけになった。設計者はいろいろ言うがまあそのまま作ればいい。時代が違うよ>

     設計者の力が強くなった。

    大工が<以前設計図どおりでは作れないから、それを言うと建築士がいろいろ言う。そこでなぜできないか自分で考えろと言って帰ってきた。作れないものは作れない。すみません、お願いしますといってきたよ>

    <今の家の作り方はどうやら終わりが来たようだ、これからは昔のような作り方をする家が増えると思う。ハウスメーカーの値段では金を出せる人が少なくなる。伝統的な軸組み工法へと移る。そちらのほうが安いからね、しかし大工がいない。俺も監督に来てくれと言われるが、行かないよ。大工がいてハウスメーカーだ。順序が逆だ>

     売り上げが減っていき、人数もへって、できる仕事の規模も縮小した。社長は手を実質、打たなかった。いろいろしたが打てる手がなかった、またやる気もなかったようだ。
     大きな枠組みを変える必要があるとは分かったがさてどうするか?
     資金、人材などを考えると、皆目、従業員では思いつかない。ほかの池で、魚を釣る手ならほかの池を探せばいいが、魚ではなく、鳥をとるとなると、半端ではないことが分かったが雇われのみでは所詮本気ではなかった。

     やがて閉鎖となったが、そのとき思ったが会社など仕事がなくなるとたくわえを食いつぶしておしまいで、もうけなど本業が危うくなれば、あっという間だった。なんだかんだと言って、昔気質の社長だったから、我々はよかった。

     後で、市場が縮小すること、売り上げが減ることを考えたが、おソロしいことだと思った。税収が減ることは売り上げがへることとおなじことで、その対策として、消費税増税だが、会社は従業員を減らした。仕事が減ったからで、政府はここが違うが、経済的には同じことではないか。

     消費税の増税を大学授業料無料化,保育費無料化をするというが、することがが逆ではないか。そもそも資本主義経済は無料という現象を受け付けないと私は思っている。負担者が違うが正しい。それを考えると我が国の先はないと思う。
    多くの人々が幻想を信じて、常識を忘れているとしか思えない。

     なった。その推移、長めに見て15年、明快に減少となて10年でしたか。その間生きてきたのは其れまでのたくわえがあったからで、それがなかったなら、終わりだった。

  2. 那須の山奥の兄ちゃん より:
    質問です

    内閣府のコメントやGDPを背景に売られているそうですが

    本日、発表の一致指数というのは
    3月のものです
    こんなものマーケットの参考にはならないと思いますけどね

    20年前くらいは
    この先行指数や一致指数
    マーケットでも注目されていたと思いますが
    今や、発表が遅すぎて使い物にならない
    というよりも
    一致指数のほとんどが悪化していたのだから
    下がって当然なんですけどね

    内閣府の見通しというのは
    この指数で判断されるのでしょうか
    されていないと思いますが・・・

  3. Konan より:
    景気動向指数

    CRUのひとり言の筆者です。コメントや質問ありがとうございます。那須の山奥の兄ちゃんさんのご質問について。
    私は元々景気動向指数のファンではありません。昔から作られている歴史ある指数なので、古色蒼然としていて、経済構造の変化に着いていけていないと思うからです。またご指摘のように5月のこの時点で3月の一致指標を見ても、過去の状況把握には役立つかもしれませんが、先行きの見通しの材料としては不十分です。その意味でこの指数で相場が動くのは本来変な話と思います。
    あえて意味があるとすれば、相場が実態を楽観視してきたところ、過去のデータの悪さを知って漸く楽観的過ぎたことに気付き、修正が入るケースでしょうか。
    それはそれとして、今回の景気動向指数の悪化や米中関税引き上げ合戦、安倍総理にとり消費税率引き上げ見合わせや、衆参同日選の口実に使われそうな気がしますね。

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