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The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2013/09/02 09:00  | by Konan |  コメント(1)

Vol.208: 世界経済点描

国際的にはシリア情勢が緊迫し、国内では消費税とオリンピックの行方が話題ですが、今回は簡単に世界経済の最近の動きをチェックしておこうと思います。この分野、とくに米国経済については、ぐっちーのブログやメルマガへ付加価値を付けることは難しいのですが、自分なりの現時点での見方を記しておこうと思います。

まずは米国。ぐっちー同様楽観的ですが、何か落とし穴がないか気は抜かないでおこうと思います。米国経済の特徴の1つは、資産価格、とくに住宅価格の動向が経済に大きな影響を及ぼす、あるいは、経済の動きが住宅価格に反映されやすい点と思います。この意味で、雇用統計とともに住宅関係の統計に毎週慎重な吟味を加えるぐっちーの手法は、まさに正攻法です。そして、これがぐっちーの見方を支持する理由でもあります。さらに言えば、シェールオイル・ガスのような新たな経済フロンティアの開拓、6月に成立した移民制度改革法を支えとした更なる人口増加(今後20年間で1,620万人増加と予想されているそうです)、あるいは引続き旺盛な企業家精神など、日本には無い各種の魅力を備えています。一頃は財政緊縮の悪影響が心配されましたし、FRBの金融政策運営も注目ですが、成長軌道が続くことは間違いない状況と思います。

落とし穴があるとすれば、国際金融危機前には3%あった潜在成長率(米国経済が自律的に前年比何%の成長を続ける力を持つか示す指標です)が、どこまで低下してしまったかという点です。言い方を変えると、危機後の循環的な経済の落ち込みから這い上がった姿が、危機前と同じか、さすがにそこには届かず力強さに欠けるとみるべきかという点です。米国でもベビーブーマー世代の退職など、日本に似た人口動態の問題が無視できる訳ではありません。危機を経て、所得構造や消費行動に変化が起きているようにもみえます。米国だけが財政緊縮の影響を回避できるというのも、余りに楽観的です。そうした点には引続き注目したいと思います。

欧州については、従来同様「危機は避けられても、なかなか這い上がれない」姿を予想しています。間もなく行われるドイツの総選挙など、結果次第で危機につながりかねない要素はありますが、専門家の話しを聞くと、連立相手は変わったとしてもメルケルは政権に居残るであろうし(連立相手を変え大連合を模索する可能性を否定しない旨のメルケル自身のインタビュー記事も流れました)、万が一メルケル退陣の結果になっても、大きくドイツの対ユーロ・欧州政策が同盟に否定的な方向に変化する訳ではない、とみておくことで良いように思います。また、ペースは遅いとしても、銀行監督一元化などの政策が徐々に具体化してきたことも事実です。こうした理由から、危機の再来は想定していません。

しかし、少なからぬ国が極めて高い失業率に苦しんでいること、財政緊縮の悪影響を真っ向から受けていることなど、欧州経済はいくつもの重荷を背負っています。何度か書いたように、経済を立て直すには、為替を安くする、財政出動を図る、金融政策を緩和するなど、いくつかの手法があり得ます。しかし、昨年まで危機モードだった欧州でユーロ安に賭けることは、通貨崩壊の危険と背中合わせになるため、とても危険です。財政政策も、即市場からのペナルティを受ける構図です。金融政策もこれ以上の緩和余地は極めて限定的です。要は、カンフル剤的に経済を建て直す術はなく、漢方薬的にじわじわと改革努力を続けていく他に手が無い状況と思います。

新興市場国経済については「証拠がないことが怖い」というのが正直な気持ちです。ブラジルやインドなどでは、為替や株価の下落など資金を引き揚げる動きがみられており、注意は怠れません。また、中国でも成長率が少しずつ切り下がり、影の銀行問題のような金融面の問題も話題です。

中国について「良く」「善意に」みれば、健全で安定的な成長に着地するため必要なプロセスであり、また、成長率がかつての2桁に比べ下がったと言っても、世界第2の経済大国が7%も成長すれば御の字とみることも出来ます。リーマン危機の後、財政政策を思い切って発動し、世界経済の下支えとなった中国ですが、さすがにそこで起きた無駄な投資が地方で問題になっており、その二の舞を避けるべく慎重な経済政策運営を行うというリコノミクスの姿勢は、立派とも言えます。

他方、統計の不透明さを含め、中国のことはよく分からないというのも正直なところです。真っ当な方向に進んでいると信じて良いのか、信用バブルの崩壊など金融システム面での脆弱性が露呈してくる恐れはないのかなど、自信を持って答えるのは難しいところです。実際、ある米国の番組に出演した中国有数の不動産投資家は、「オフィスは大丈夫だが、住宅はダメ」と発言されていました。別のある方は「平成の鬼平と言われた三重野元日銀総裁の二の轍」を心配されていました。そして、仮にこの悪い予想が当たってしまうと、日本を含むアジアや欧州経済への打撃となります。そうでないことを祈りつつ、今回はここで終えようと思います。

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One comment on “Vol.208: 世界経済点描
  1. ペルドン より:
    点描派

    離れて・・
    観えていても・・
    近づけば・・
    無数の点の集合体・・形が・・崩れる・・
    視覚の・・巧妙な錯覚・・

    錯覚と言えば・・
    各国・・濃厚な厚化粧・・特に・・中国・・
    何方も・・傾国美人・・

    厚化粧・・
    剥がせば・・
    これまた・・
    傾国美人・・

    だが・・巧妙整形・・
    熟達技術・・
    元の顔に・・復元すれば・・
    悍ましい・・顔・・出現・・

    怖いから・・
    誰も・・実態・・見たがらない・・

    整形美人で・・
    世界・・妥協・・満足・・・(笑)

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