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2011/02/28 18:33  | 諸戸詩乃 |  コメント(0)

諸戸詩乃が日本でリサイタル・デビュー


 まずは、皆様に何のご挨拶もしないまま、長い間更新できなかったことをお詫びいたします。恐縮ながらこのスペースを残していただいておりましたので、突然ですが再開させていただきます。

 今回は、緊急にお知らせしたい演奏会をご案内いたします。
 前回(と言っても1年も前ですが)ご紹介した若きピアニスト、諸戸詩乃が先週25日に2枚目のCD『シューベルト:即興曲集 作品90&楽興の時 作品94』をリリース、さらに日本でリサイタル・デビューを果たします。
 1年前に「日本で演奏会を開くのはしばらく先になりそう」と書きましたが、予想以上に早いタイミングでの日本公演が実現しました。特にコンクール受賞歴もない17歳の学生ピアニストが、2枚のCDを一般発売し、リサイタルも開く、というのは破格のことでしょう。
 2回のリサイタルのうち、1回目は先週の土曜日、2月26日に名古屋の電気文化会館で行なわれました。演奏会は盛況のうちに成功を収めたようですが、実際に聴いた知人によれば、シューベルト、特に「即興曲」が素晴らしかったようです。東京公演は3月1日(火)の夜7時から、築地の浜離宮朝日ホールで行なわれますので、東京方面の方は、今後大きく成長するであろうピアニストの記念すべき初リサイタルをお聴きになってはいかがでしょうか。
 プログラムは、1枚目のCDに収録しているモーツァルトのピアノ・ソナタから第12番と、最新盤収録のシューベルト:4つの即興曲作品90、さらにシューベルトのピアノ・ソナタ 第13番とリストの「巡礼の年」第3年から2曲、という構成。現在、作品の生まれた街を体感しながら勉強中のウィーンの作曲家と、今年生誕200年を迎えるリスト後期の名作で構成されたプログラムは、彼女の現在の実力を知り、今後を占うのによい内容と言えるでしょう。

 2枚目のCDも(CMCD-28232)、1枚目と同様、奇を衒ったところのない、品格のある質の高い演奏を聴かせてくれていますから、生演奏への期待が高まります。
「日本の音楽教育システムの中で学び、コンクール受賞を機に活動を本格化させるピアニスト」とは異なった経路で世に出たピアニストの「音楽」はどのような個性を持ち、今後どのように成長していくのか、非常に興味深いところです。

諸戸詩乃 ピアノ・リサイタル

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