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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2020/04/02 20:51  | 音楽事情 |  コメント(0)

クラシック音楽界の現状


 いよいよ新年度、半年ほどご無沙汰してしまいました。
 世界は、半年前には想像のつかなかった事態となってしましましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。ご無事を祈るばかりです。

 どの国も、どの職種も大変な状況に陥っておりますが、本日はクラシック音楽界の現状を少しだけご紹介いたします。

 新型コロナウィルスによる感染が世界に拡大するなか、中止を余儀なくされる音楽会も増加し続けています。近年、桜の季節に上野で行なわれる音楽祭として定着してきた「東京・春・音楽祭」は、東京都の自粛要請の発表後、全公演の中止を決定。5月の連休中に東京国際フォーラムで開催され、幅広い層の聴衆に親しまれてきた「ラ・フォル・ジュルネTOKYO」も、3月27日に開催中止のニュースリリースを出しています。

 私個人としては、名手アルゲリッチとクレーメルによるデュオ・リサイタル、今最も注目されているクルレンツィス指揮ムジカエテルナが来日中止となり、大変残念でした。チケットの払い戻しをするにあたっては、主催者からEメールに電話、封書でも通知が来ましたが、サントリーホールを複数回満席にする公演ですから、その手間や費用も含め、関係者に相当な負担がかかっているに違いなく、非常に心配です。

 海外に目を向けると、音楽の都ウィーンのオペラの殿堂、ウィーン国立歌劇場は4月13日までの全公演をキャンセル。もちろんウィーン・フィルも同様です。

 先日、ウィーン・フィルの知人に電話で様子を聞きましたが、4月13日以降の再開もやはり難しそうで、今は夏のザルツブルク音楽祭がどうなるかに注目しているようでした。
 4月1日の夕方に入ってきたニュースでは、世界の音楽愛好家、特にワーグナー好きがドイツに集まる夏のクラシック界の一大イベント、バイロイト音楽祭の中止が伝えられましたので、ザルツブルク音楽祭の開催も厳しいとみるべきでしょうか。
 ウィーン・フィルは、毎年夏の夜にシェーンブルン宮殿で行っている野外コンサートを9月18日に延期していることからも想像がつきますが、9月からの新シーズンには公演を再開したいという希望を持っていることでしょう。

 先の見えない状況が続き、観客を前にした演奏機会を失いながらも、たくさんの演奏家、演奏団体などが、インターネットを通じて、無観客演奏による配信や過去の演奏会の無料配信を行っています。

 そのひとつとして、中止となったNHK交響楽団の4月定期公演の無観客ライヴ配信の実施をご紹介しようと書き始めていましたが、本日4月2日、それも中止が発表されてしまいました。FMやテレビ収録も中止とのことです。ウィルスの影響下、本当に日々状況が変わっていきますね。

 次にご紹介したいのは、過去に収録した演奏会の無料配信です。ここでは、グッチーさんも愛した名門ウィーン国立歌劇場、ベルリン・フィルの取り組みに注目してみましょう。

 各国の数々の有名歌劇場が過去のオペラ公演映像の無料配信行っていますが、先ほども現状をお知らせしたウィーン国立歌劇場では、公演キャンセル期間中の13日まで、過去の公演映像を無料配信しています。
 たとえば4月3日は2018年12月に行われた「ペール・ギュント」、4月5日は2016年11月の「ラ・ボエーム」など、日替わりで鑑賞できます。詳細は下記URLよりご確認ください(鑑賞の際には、メールアドレスとパスワードを登録し、ログインする必要があります)。

https://www.staatsoperlive.com/calendar

 早くから演奏会の模様を有料配信してきたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の「デジタル・コンサートホール」は、30日間試聴できるクーポンを配布しています。実際のコンサートホールは3月11日よりウィルス対策として閉鎖されていますが、自宅で演奏を楽しんでもらおうと、いち早く無料クーポンの配布を始めました。当初は、3月末で配布を終了する予定が、当面終了日を設けずに期間を延長することにしたそうで、ありがたいことです。
以下のURLから無料クーポンを受け取り、使用することができます。

https://www.digitalconcerthall.com/ja/live

今は、これらを鑑賞しながら、活動再開を待ちたいと思います。厳しい状況下にある演奏団体・演奏家とその関係者たちが、また元気に演奏を聴かせてくれることを祈って。

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