ブログ記者によるオンライン新聞 グッチーポスト

The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2019/10/09 18:56  | 未分類 |  コメント(1) NEW !

音楽とともに

 9月に入ったある日、「この秋、またグッチーポストの読者の方々にお薦めできる、ウィーン・フィル首席チェロ奏者の来日公演がある」とぐっちーさんにお知らせしていたのですが、その件で交わしたメールのやり取りを最後に、1週間後に亡くなってしまうとは……
 1年前にご紹介したシュトイデ弦楽四重奏団のコンサート終了後、浜離宮朝日ホールのロビーにいた彼は、演奏の余韻に浸り上機嫌でしたが、以前と異なる顔つきを見ると、どうしても健康とは思えませんでした。「痩せすぎじゃないか?」と尋ねると、「ヴィーガンの生活をはじめたからだ」と。グッチーポストの編集部の方に聞いても答えは同じでしたが、癌と闘っていたのですね。
 ぐっちーさんから四谷三丁目の寿司屋に呼び出され、「今度ブログを立ち上げるから、クラシックを中心とした音楽の記事を書いてくれ」と言われたのは、思えばちょうど10年前のことでした。その後、私は新たな記事の更新がほとんどできなくなり、皆様には大変失礼をいたしましたが、ぐっちーさんの続投命令を受け、細々と更新して参りました。
 彼からは、芸術に対する意識も高い読者の方がたくさんいらっしゃるので、そうした方々に向け、良質な音楽を紹介してほしい、と言われていました。そこで、これまでCDをご紹介したり、生の演奏会をお聴きいただくお手伝いをして来ました。
 ぐっちーさんは、幼少時よりクラシック音楽を愛好していたようで、彼が10代の頃、家に泊めてもらった折には、一緒にレコードを聴き、音楽談義をしたのを覚えています。そのとき彼が最初に針を落としたレコードは、ベーム指揮ウィーン・フィルのブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」、1974年にレコード・アカデミー大賞を受賞した名盤でした。
 ブルックナーと言えば、この夏、ぐっちーさんの旧友でもある指揮者の長野力哉氏が率いる日本ブルックナー交響楽団が、ブルックナーが眠る聖地、オーストリアのザンクト・フローリアン修道院の大聖堂で日本人初の演奏を行ったのはご存知でしょうか。雑誌『音楽の友』でも紹介されたこの演奏会を、スポンサーとして周りの人々にも協力を求めながら惜しみなくサポートしたのが、ぐっちーさんでした。
 自分が認めた「本物」を多くの人と共有し、それを生み出す人々をサポートする、という彼の姿勢の背景には、人と音楽に対する深い愛情がありました。
 数年前、彼の身内の方に不幸があった折には、「葬儀でかけるレクイエムのCDを持ってきてくれ」と言われて、何枚かCDを渡しましたが、彼は迷わずモーツァルトのレクイエムを収録した1枚を選んでいました。いま、そのベーム指揮ウィーン・フィルの演奏するCDを聴きながら、先に逝かれたご家族や愛猫のしまちゃんと合流して満面の笑顔を浮かべている彼の姿を想像しています。どうか、安らかに。

One comment on “音楽とともに
  1. りこママ より:
    レクイエム

    ハルキさんの記事を読み、モーツァルトのレクイエムを聞きながら日曜日の朝をむかえております。
    多くの方の追悼のことばを拝見しましたが、
    ハルキさんの追悼の言葉にはぐっときました。
    ~自分が認めた「本物」を多くの人と共有し、それを生み出す人々をサポートする、という彼の姿勢の背景には、人と音楽に対する深い愛情がありました。~
    これからもたまにで良いので、私たち読者に「ぐっちーさんが本物と認めた音楽」を通して、ぐっちーさんの命を昇華して頂けないでしょうか。
    編集部さま 更新情報ありがとうございます☆彡更新情報のおかげで、ハルキさんの言葉とモーツァルトのレクイエムにたどりつけました。
    かげながら応援しております!日本全国、自然災害の脅威ですね。ぐっちーさんが2011年の震災以降、被災地の本当の意味での復興に尽力されたことを昨日の様にに思い出しております。

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