2025/01/18 17:30 | 戦略論 | コメント(0)
ヘグセス国防長官候補と「戦士の文化」
ところがこれが報じられるやいなや、さっそくイスラエルが再びガザを攻撃して71人も死亡するという事件が起こっております。
■ 停戦合意後のガザ攻撃で71人死亡、イスラエルはハマスの違反非難(1/16 ロイター)
そのような中で、今週取り上げるのは、来週から始まるトランプ政権の閣僚候補の公聴会がアメリカ連邦議会の上院で始まったという話です。
すでにご存知の通りですが、トランプ陣営は実に「カラフル」(キャラ立ちする)な人々を閣僚候補者として挙げております。
とりわけ問題だとされるのはロバート・F・ケネディJr(厚生長官)、トゥルシー・ギャバード(情報長官)、そしてキャッシュ・パテル(FBI長官)という、いずれも担当する予定の組織とは正反対な思想を持っているとされる人々であり、この三人はそのあまりのキャラの強さから「シリアスな候補」とは思われず、おそらく承認はかなり難しいものと見込まれております。
ところがそのような中でも、私が個人的に注目しているのは、国防長官の候補であるピート・ヘグセスという人物です。
「ん?この人物は前にも触れたのでは?」
と感じられた方は正解です。すでに本メルマガの第3号(以下のリンク参照)では、彼の持論の一つである「女性を戦闘部隊に入れてはいけない」という議論を紹介しつつ、戦略研究の世界における男女問題に関する議論を解説しました。
・「次期トランプ政権の爆弾人事」(24/11/21)
このヘグセスですが、ついに上院での公聴会が始まりまして、その様子がさっそく動画でも公開されております。
■【動画】Protesters disrupt Hegseth confirmation hearing(1/15 CNN)
この動画ですが、CNNがつけたタイトル通り、彼の冒頭のスピーチの最中に大声で抗議の声を挙げた2人の反対派と思われる人々の動向に注目したものです。
ところが我々だけでなく、おそらく一般のアメリカ国民も見逃しがちなのが、へグセスが今回の10分ほどの動画の公聴会でのスピーチの、とりわけ冒頭で語っている部分です。
具体的に言えば、この動画の03:20あたりの、
「トランプ大統領が私をこの役職に選んだとき、私に与えた主な任務は、国防総省に戦士の文化を取り戻すというものでした」
When President Trump chose me for this position, the primary charge he gave me was to bring the warrior culture back to the Department of Defense.
というセリフが実に印象的でした。
ここに出てくる「戦士の文化」(warrior culture)と言われてもピンと来ない人もいらっしゃるかもしれませんが、この戦略研究の世界でも一部で議論になっている概念は、今後のアメリカだけでなく、有事を迎えるであろう日本にとっても実に本質的な話を含んでいるものだと私は考えております。
ということで、今回は日本でもあまり馴染みのない、でも日本でも潜在的には理解できる方が多いはずの概念について少し触れてみたいと思います。
※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。
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ヘグセス国防長官候補と「戦士の文化」
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▼戦士の文化
▼「戦士の文化」を壊すもの
▼日本はどう対応するのか?
▼近況報告
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