2025/07/28 19:00 | 戦略論 | コメント(2)
中国軍はいつ行動を起こすのか
今週の戦略関連のニュースで話題なのは、タイとカンボジアが国境付近で軍事衝突した事件ですが、かなり深刻にエスカレートしていますね。
■ タイ・カンボジア衝突、ラオスに着弾か 日系企業進出地域に戦線拡大(7/26 日本経済新聞)
もちろん断定することは禁物ですが、ある程度のところまで行ったら紛争は収まりそうな気もします。ただここで気になるのは、SNSが活用されて双方の民衆を巻き込んだ認知戦的な面が出てきているところでしょうか。21世紀の紛争らしい現象がここでも起こっています。
さて日本では、トランプ関税のディールが成功したとして、石破首相が参院選での惨敗にもかかわらず政権を延命させる理由にした、という話が出てきました。
たしかに成果は素晴らしいとは思います。しかしそれでも関税率の上昇によって米への輸出業(とくに自動車など)へのインパクトは大きく、これからの経済の先行きも不透明な状況です。
■ 日米関税交渉、1%ごとに見返り要求たたみかけ…トランプ氏70分後「ディールだ」(7/23 読売新聞オンライン)
この交渉妥結の背後には、いわゆる「エプスタイン事件」、つまり少女売春の容疑で起訴されたエプスタイン元被告人が勾留中に死亡し、この人物とトランプ大統領が過去にかなり濃密な交流のあったことが掘り起こされるというスキャンダルがありますね。
トランプの支持基盤であるMAGA派はこれを以前から問題視しており、ここからメディアの目をそらしたいトランプ政権側と日本政府の間での思惑が一致したために交渉妥結に至った、という見方もできそうです。
■ エプスティーン元被告の捜査資料にトランプ氏の名前と米紙報道 ホワイトハウスは強く反発(7/24 BCC)
いずれにせよ、このトランプ政権の問題の方は「米政府はエプスタイン文書をすべて公開しろ」と求めるリベラル、そして小児ネットワークの陰謀論を信じるMAGA派たちの猜疑心によって、まだ当分は続きそうです。
さて、今週の本題は、中国の台湾に対する軍事行動の決断についてです。注目すべき最近の論文をご紹介しつつ、この論点を掘り下げてみたいと思います。
※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。
***********
中国軍はいつ行動を起こすのか
***********
▼フレイヴェルの中国論
▼中国軍の異変
▼逆説的な結論と「フレイヴェル・モデル」
▼日本がとるべき戦略
***********
近況報告
***********
先日のことですが、ある専門家に勧められて「トワイライト・ストラグル」という冷戦を舞台にしたボードゲームを購入しました。
この手のゲームは、プレイしてみると楽しいだけでなく、歴史の勉強にもなりますので、教えている大学院での講義にも活用できる優れものです。
すでにこのゲームもプレイするゲームのリスト入り確定です。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
2 comments on “中国軍はいつ行動を起こすのか”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
去年、台湾の会社MizoGamesは《2045》というボードゲームを作りました。2045年、中国による台湾侵攻をテーマとした多人数ボードゲームです。考え方非常に斬新的、お勧めです。
https://a-gameshop.com/SHOP/mizo01.html?srsltid=AfmBOoqfL7JrJkKuux1V2zyJm6Pnvn7_6KpWPtUMAQktMBaZ6fYSsrQo
報道で狙っていたゲームでした。いよいよ日本語版ができたのですね。さっそく購入します。情報をありがとうございます!