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2025/08/10 19:00  | 戦略論 |  コメント(0)

ロシアが仕掛ける認知戦


今週の戦略関連のニュースで話題なのは、なんといってもトランプ大統領がプーチン大統領とゼレンスキー大統領との三者による停戦交渉をいよいよ行うかもしれないというニュースです。

トランプ大統領とプーチン大統領の会談「近いうちに行われる可能性」 ゼレンスキー大統領含めた3者会談に意欲(8/7 TBS NEWS DIG)

もしこれが成功し、本格的な停戦交渉が始まれば、国際秩序が変化する大きなきっかけになりそうですが、今のところやる気を見せているのはトランプ政権のホワイトハウスの声明だけであり、それ以外からの発信は皆無。

相変わらずロシアは夏の攻勢を続けており、軍事面ではわずかながら優位に立っているという状況です。

もちろん水面下で何かしらの交渉が行われているのかもしれませんが、最近のトランプ大統領自身のロシア(とインド!)への厳しい態度などを見ると、逆にプーチン側が提案に乗りそうだから大きくブラフをかけている、という可能性も否定できません。

と書いているところで、なんとプーチンとトランプが15日にアラスカで会談するというニュースが飛び込んできました。しかしこれもウクライナのゼレンスキー大統領を交えたものではないので、実効性のあるものなのかは本当に微妙です。

トランプ氏「プーチン氏と15日にアラスカで会談」 ウクライナ停戦協議(8/9 日本経済新聞)

このように、何も確定的なことが言えないところが、トランプ政権の不安定さです。

その一方で、日本の安全保障に絡むところでは、なんと言っても日本がドイツと争っていた豪州の新しいフリゲート艦の受注を確実にしたというニュースでしょう。

「豪海軍の新型フリゲートにもがみ型護衛艦の能力向上型が採用される」豪国防省のプレスリリース全文(8/5 ディプロマット)

これは一見すると日本の防衛産業にとっての朗報と言えますが、それ以上に同産業における日豪の関係深化という点が最も重要だと私は考えております。防衛産業のつながりは、一般的に人的交流も技術交流もさかんにするものだからです。

もちろんいくつかの課題はありまして、たとえばこれが三菱重工の本来の顧客である海上自衛隊の艦船の建造にネガティブな影響を与えないか、日本側に建造のリソースが残っているのか、そして来年本格的に締結される予定の商業契約が成功するのか、という点でまだまだ予断の許せない部分があることは指摘しておきたいです。

それにしても日本の防衛装備品の海外輸出の戦後2件目が大型艦船(約1兆円規模)になるというのは本当に画期的なことです。豪州は以前に潜水艦で失敗してますから、関係者はまずはホッとしたというのが本音ではないでしょうか。

さて、今週の本題は前回の記事(以下のリンク参照)に続けて、発売間近のイタイ・ヨナト著・奥山真司訳『認知戦 悪意のSNS戦略』から、ロシアについて書かれていることをまとめたものを記しておきます

「新刊 『認知戦 悪意のSNS戦略』」(8/3)

※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。

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ロシアが仕掛ける認知戦
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▼ロシアの工作
▼日本も他人事ではない
▼認知戦の3段階
▼本の紹介

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