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2025/05/19 17:00  | 戦略論 |  コメント(0)

認知戦に翻弄されるSNS


今週の国際政治における戦略的なニュースといえば、なんと言っても3年ぶりにロシアとウクライナの直接交渉がトルコのイスタンブールで始まったことでしょう。

ロシア・ウクライナ直接協議始まる 3年2カ月ぶり 一時停戦が焦点(5/16 毎日新聞)

この交渉は、ロシアが全面侵攻をはじめて以来なので、実に約3年ぶりの画期的なものです。よくアナロジーとして出される朝鮮戦争は3年と1ヶ月で停戦になりましたが、今回のウクライナへのロシア侵攻は、すでに3年3ヶ月が経とうとしています。

結果として、1000人規模の捕虜交換以外は両国にとって特に目立った成果がなかったわけですが、それでも交渉継続で合意ができたというのは希望が持てるかと思います。

以下のリンク記事は交渉の内幕を報じたものですが、ロシアが恫喝しまくったことを彼らの立場の弱さの現れとみるのか、それとも本当に立場が強いと見るのかは、意見の分かれるところだと思います。

【解説】ロシア・ウクライナ直接交渉“どう喝”交渉の内幕「永遠に戦う準備がある」「占領地さらに広げる」(5/17 日テレNEWS)

ちなみに私は、この状況で一番心配しているのはウクライナのゼレンスキー大統領だと思います。なぜなら和平合意の交渉に関しては、トランプとプーチンが頭越しに電話会談を行うとする報道が出ているからです。

よく外交分野で使われるジョークに「レストランでテーブルまで来ていなければ、メニューに載っている」というものがあります。聞いただけではなんだか意味不明です。

ところがこれは「交渉のテーブルにつけなければ、出てくる料理にされてしまう」(テーブルについている参加者だけで勝手に自分の運命が決められてしまう)という意味です。つまり自分のいないところで色々と条件が決められてしまうという意味で、ゼレンスキーには好ましくない状況になったということです。

さて、今回の本題ですが、まずはいきなり本を紹介したいと思います。それは今年の1月に発刊された一般書です。

長迫 智子、小谷 賢、大澤 淳 著 『SNS時代の戦略兵器 陰謀論 民主主義をむしばむ認知戦の脅威』

その上で、新たな民間によるインテリジェンスについてご紹介します。そして最後に、私自身が思う認知戦の最前線の課題についてお話します

※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。

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認知戦に翻弄されるSNS
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▼認知戦の本
▼人工衛星で軍事的兆候を探る
▼認知戦の課題

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近況報告
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何を思ったのか、昔友人に借りたマンガ「北斗の拳」を読み返しはじめました。

もちろん私はアニメ化されたテレビ番組や、それ以前に少年ジャンプで連載されていた当時の興奮をリアルタイムで味わった世代ですが、流行っていたから知っていただけで、本格的にコミックを読んだことがなかったので、40年たって初めて真面目に読みました。

読んでみてあらためて思ったのですが、設定やストーリーがかなりいい加減な割には、独特の濃い画風で無理やり読まされてしまう不思議さがあります。

最強の敵である兄弟子のラオウを倒すところでストーリーが終わるのかと思いきや、その後も話がダラダラ続いていたのが新たな発見でした(全15巻の中の9巻でラオウが死ぬ)。

ちなみに私は地政学の三人の理論家(マハン、マッキンダー、スパイクマン)を、北斗神拳の継承者の三人(ラオウ、トキ、ケンシロウ)になぞらえているのですが、このアナロジーは意外に使えるのだなぁと「北斗の拳」の原典(!)に当たって、あらためて実感したところです。

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