2025/03/07 20:00 | 戦略論 | コメント(0)
国防費3%を要求されたら?
メルマガ第16号(以下のリンク参照)などでお伝えしてきたとおり、ピート・ヘグセス国防長官のNATO本部での発言と、JDバンス副大統領のミュンヘン会議での挑戦的な発言、そしてトランプ大統領自身のウクライナのゼレンスキー大統領に対する「独裁者だ」という無謀な発言がセットになって、トランプ政権の国際秩序の破壊はピークに達したように見えました。
・「トランプは台湾を北京に譲るか?」(2/21)
ところがさらにそのピークを超えるような事件が起こりました。2月28日にアメリカのホワイトハウスで開催されたトランプ・ゼレンスキー会談が、記者会見の席で口論となって「決裂」してしまったのです。
■ 駐米大使は涙ぐみ、ゼレンスキー氏は…会談決裂後の様子が明らかに(3/13 毎日新聞)
それまでの欧州に対する閣僚らの発言や、トランプ自身のゼレンスキーに対する言葉は、ある意味で「いつものトランプ」的な過激なものであったり、国際関係論などで言われる「オフショア・バランシング」という、アメリカの欧州関与の一時的な撤退を目指したものである、という解釈も可能でした。
ところが、今回のゼレンスキーに対する「公開処刑」とでも言えるようなトランプ(というかJDバンスの方がひどかったですが)による「アメリカに感謝せよ」と迫る姿勢は、海外だけでなく、アメリカの元外交官たちも嘆くような、徹底的にロシアに肩入れするようなひどい内容でした。
ここから追い打ちをかけるように、トランプ政権は、さらに事態をエスカレートさせます。ウクライナへの装備の提供や、これまで一貫して主導してきたウクライナへの軍事関連の情報の提供を、なんと停止すると発表したのです。
■ トランプ大統領 ウクライナ軍事支援 一時停止を指示(3/4 NHK)
それだけでなく、最新の報道では、なんとトランプ政権の高官たち四人が、ゼレンスキーの政敵であるウクライナの野党の首脳陣たちと選挙を行うように促す秘密の協議を行ったという話もあります。
■ Top Trump allies hold secret talks with Zelenskyy’s Ukrainian opponents(3/6 POLITICO)
もしこれが本当であれば、トランプ政権はウクライナの内政に干渉し、民意という体裁で「ゼレンスキー降ろし」をしようと画策していることになります。ここまであからさまにロシア寄りの立場を見せられると、自由と民主主義を推進してきたアメリカは一体どうなってしまったのか・・・と非常に心配になります。
今回は、このようなトランプ政権の国内外でのメッセージの発信のあり方や、日本の防衛政策に関する議論について、アメリカの視点などを踏まえながら、大局的に考えてみたいと思います。
※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。
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国防費3%を要求されたら?
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▼まるで北朝鮮?
▼コルビーの公聴会と日本の報道
▼日本はライバル国を説得せよ
▼近況報告
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