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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2025/01/31 18:00  | 戦略論 |  コメント(0)

テクノロジーで変化する人間?


当初の予想通り、トランプ政権は第二次政権の開始と同時に、というか開始前から、メディアが注目せざるをえない騒ぎを色々と起こしております。

もちろん気になるのはスタートダッシュで連射した大統領令。次々と反発を受けており、関税や地理の名称変更など、直接・間接的に日本にも大きな影響が出てきそうな議題が目白押しです。

「馬鹿馬鹿しい」 トランプ大統領が命じた湾の名称変更、冷笑で受け流すメキシコ人(1/29 CNN)

ただし、今回はあえて趣向を変えて、現在のアメリカ、そして大きな意味では日本の我々一人ひとりの生活に大きな影響が出そうな話題に触れてみたいと思います。

私は本メルマガで、専門である地政学や戦略に関係するトピックを解説することを主旨としています。ところがそれ以外というか、それとは別に、長年興味を持って自分なりに研究している分野があります。

それは、「テクノロジー」についてです。

一般的にテクノロジー(技術)の話題といえば、現在では情報通信系の、いわゆる「ビッグ・テック」関連やAI、そして半導体の話がホットなものになるかもしれません。

ところが私にとって最も興味があるのは、そのような最先端のものというよりも、ずばり「テクノロジーと人間の関係」です。

そもそもなぜテクノロジーに興味を持ったのかといえば、きっかけになったのはイギリスで地政学で論文を書いていた時です。

一般的に「地政学」といえば、地理と政治の関係性を調べる学問や、対外政策の理論、という解釈をされがちです。

ところがこの分野の主要文献を読み込んでいくと、いかにテクノロジーが国際政治を変えてきたのかという話が出てきます。

詳細についてはまた別の機会に触れますが、たとえば近代地政学の祖といわれるイギリスのハルフォード・マッキンダー(1861〜1947年)は、自身のマクロな世界観による理論を説明する際に、大航海時代に起こった「交通革命」を引き合いに出しつつ、

「欧州が勃興したのは、当時の列強国たちが帆船による海運で発展したからだ」

と説明したのです。この「帆船による海運」には「船の建造技術」と「航海術」という、いわば「テクノロジー」(技術)の発展が関係していることは、みなさんもおわかりになると思います。

つまり欧州は、(海運)テクノロジーで世界経済の表舞台に踊り出て、世界の歴史を変えたということです。「シーパワー」の時代の到来であり、これにはテクノロジーがカギを握っていたということであり、必然的に私もテクノロジーとは何かという関心に引き寄せられることになりました。

もう一つのきっかけは、ロンドン大学の先生の講義にモグリで参加していたことです。この先生は大枠で見れば戦略系の先生だったのですが、むしろ国際紛争における文化や社会、そしてテクノロジーの関係を論じている先生で、やはり必然的にテクノロジーの分野に関心が出てきました。

ちなみにこの先生に関しては、以下の短い本を訳させていただいたことがあります。ご関心のある方はぜひ。

【書籍】クリストファー・コーカー『戦争はなくせるか?』

この先生から影響を受けて色々と考えていくと、実に多くの学者や識者たちが、テクノロジーが社会だけでなく、人間そのものを変えつつある、ということを多くの面から論じております。

もちろん我々は「テクノロジー」といえば、どちらかといえば「人間が使う道具」という、いわば人間とは切り離されたものとしてイメージされることが多いのが現状です。

ところが本メルマガでも過去に触れましたが、SNSやスマホという情報通信系のテクノロジーの話題を調べていくと、実は人間そのもの(本質?)を変えてしまっているのでは?と気付かされることが多いのです。

以下はアメリカで話題になっている記事ですが、今回はこれについて紹介しながら、人間にとってのテクノロジーの位置づけについて論じてみたいと思います。

Derek Thompson「The Anti-Social Century」(1/8 The Atlantic)

※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。

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テクノロジーで変化する人間?
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▼アメリカで「おひとりさま」が激増している?
▼孤独の社会的影響
▼社会的つながりを取り戻す取り組み
▼テクノロジーが変えてしまった世界
▼近況報告

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