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2012/04/06 11:46  | 来日公演 |  コメント(1)

2012年前半、注目の来日オーケストラ公演

 すっかりご無沙汰してしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 大震災と原発事故、さらには台風、洪水被害などと、多くの困難に翻弄された2011年。クラシック音楽関連の世界にも、多大な影響が出ました。秋の音楽シーズンには、海外の演奏家、主要オーケストラも何とか顔を揃えてくれましたが、まだまだ「日本には行きたくない」という音楽家、楽団員たちはいる、という話も聞こえてきます。原発事故の影響はもちろんですが、その後も地震が続き、近々また大地震が……などというマスコミの情報などを聞けば、無理もないかもしれません。
 昨秋、私もいくつか来日してくれたヨーロッパのオーケストラを聴きに出かけましたが、中でもパーヴォ・ヤルヴィ率いるパリ管弦楽団の色彩・表現力豊かな演奏がとても素晴らしく、久々に軽い興奮と足取りで会場をあとにしました。
 エッシェンバッハと来日したウィーン・フィルの公演では、まずは並んだオーケストラ団員の顔ぶれをみて少なからず驚きました。その日は、コンサートマスターをライナー・キュッヒルが務めていたのですが、その3列後ろに目をやると、なんと! 3年前にウィーン・フィルのコンサートマスターを定年で退いたウェルナー・ヒンクが弾いているではありませんか。2人のコンサートマスターがこのような形で参加したウィーン・フィルの来日公演は、私にはもちろん初めての体験でした。第2ヴァイオリンにも懐かしい顔が。カルロス・クライバーが振ったウィーン・フィルの映像などでも馴染みのあるペーター・ヴェヒター、彼も引退組です。管楽器には、フルートのヴォルフガング・シュルツ、クラリネットのペーター・シュミードルらの姿がありました。シュルツは引退を延長して参加したとか。いわば「ウィーン・フィルの顔」として一時代を築いた人たちが多数参加した来日公演は、ウィーン・フィルのファンにとっては喜ばしいことだったかもしれません。
 私が聴いた日は、オーボエに知った顔の団員がいなくて残念でしたが、ブルックナーの交響曲「ロマンティック」の素晴らしいホルン・ソロ(演奏はヴォルフガング・トムベック・ジュニア)などを聴くことができたのは大きな収穫でした。

 さて、今年前半もいくつかオーケストラが来日しますが、私が注目するものをひとつご紹介しましょう。
 それは、ベルギー王立のオーケストラ、ロイヤル・フランダース・フィルハーモニーです。6月20日の東京公演は、5月に開業する東京スカイツリーにほど近い「すみだトリフォニーホール」で行われます(他に6月16日大阪ザ・シンフォニーホール、6月18日東京文化会館で公演予定)。
 かの奇才フィリップ・ヘレヴェッヘがこのオーケストラを指揮したベートーヴェン交響曲全曲プロジェクト等では、作品の時代考証・研究解釈と「ピリオド奏法」のアプローチが、現代の名門オーケストラと出会い、そこから生み出された清新な響きで多くの聴衆を惹きつけ、高く評価されていました。ヘレヴェッヘとの出会いで、オーケストラの能力がさらに向上し、世界の音楽界で一躍注目を浴びる存在になったといえるかもしれません。
 5年ぶりの来日となる今回は、先ごろ首席指揮者に就任した重鎮エド・デ・ワールトとの公演です。2009年に来日し、あのNHK交響楽団から美しい響きを紡ぎ出していたエド・デ・ワールトは、オーケストラ育成の能力に定評があり、バイロイト音楽祭にも出演するなどオペラの経験も豊富です。レコーディングは、2004年まで15年にわたり首席指揮者を務めたオランダ放送フィルとのマーラーやワーグナーなど、数々おこなっています。
 歌心あふれる巨匠のタクトにより、このオーケストラがどのような響きのマーラーを聞かせてくれるのか、とても楽しみです。

 もうひとつの楽しみは、チェロ独奏のマリー=エリザベート・ヘッカー。2005年ロストロポーヴィチ国際チェロ・コンクールでの優勝後、ヨーロッパでの人気は高まる一方ですが、日本での正式デビューは今回の公演となるようです(実は、2010年に小澤征爾指揮の水戸室内管弦楽団との共演で日本デビューするはずが、公演中止となりました)。才色兼ね備えた世界トップクラスの若手が弾くエルガーともなれば期待はいやが上にも高まります。
 そして、チケット料金! S席でも1万円という、まさに「有難い」設定です。100名規模の来日オーケストラがこの値段でペイするのか、などと余計な心配も頭をよぎりますが、注目のヨーロッパ第一線のアーティストたちを日本で気軽に聴けるのは、嬉しい限りです。

日時:2012年6月20日(水)19:00開演
会場:すみだトリフォニーホール
 (JR総武線「錦糸町」より徒歩3分/東京メトロ半蔵門線「錦糸町」より徒歩5分)
料金:S席=10,000円 A席=8,000円 B席=6,000円 学生席=3,000円
出演:指揮/エド・デ・ワールト
   チェロ独奏/マリー=エリザベート・ヘッカー
   ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー
曲目:エルガー:チェロ協奏曲ホ短調作品85、マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」
主催:カメラータ・トウキョウ
http://www.camerata.co.jp/J/concert/f_RFP.html
共催:すみだトリフォニーホール
後援:ベルギー大使館
One comment on “2012年前半、注目の来日オーケストラ公演
  1. ペルドン より:
    音楽には・・

    定年が無い・・
    勿論芸術にも・・
    しかし・・
    音楽だけには・・
    検閲が無い唯一の世界・・
    と言われていたが・・
    毛沢東華やかしい頃・・
    確か・・
    モーツアルト他・・資本主義の残滓として・・
    禁止されたいた・・
    あれも・・
    古き思い出となったか・・・

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