2013/05/15 22:27 | 来日公演 | コメント(0)
巨匠ヘレヴェッヘで聴く究極の「レクイエム」
「グッチークラシック」いよいよ発売ですね。
今回は、巨匠ヘレヴェッヘ率いるオーケストラと合唱団に独唱者たちも加わった大掛かりなもの。曲目はオール・モーツァルト、しかも「究極の傑作」レクイエムも! 「モーツァルトのレクイエムなら、ヘレヴェッヘとこの演奏団体で聴きたい!」と考えている音楽通の方も多いことと思います。
ぐっちーさんはこれまでも、ロイヤル・フランダース・フィルやウィーン舞踏会管弦楽団など、個性豊かなオーケストラ公演をチョイスし、皆様にご紹介していますが、今回も、これまでの2団体とはまったく方向性の異なる、知る人ぞ知る素晴らしい演奏家たちです。ここで何回かに渡って、その魅力についてご紹介したいと思います。
フィリップ・ヘレヴェッヘは、今年66歳になったベルギーの指揮者です。彼が採り上げる音楽作品の演奏解釈は非常に高い評価を得ており、さまざまな優れた演奏団体の設立者としても知られています。今回来日する合唱団「コレギウム・ヴォカーレ」は1970年、シャンゼリゼ管弦楽団は1991年に、いずれもヘレヴェッヘが設立しています。
少年時代は聖歌隊員として音楽に親しみ、大学では医学部で学んだヘレヴェッヘは、その傍ら音楽学校でピアノやチェンバロ、オルガンなども修め、最終的には音楽を選んだという経歴の持ち主です。医学と音楽を学んだ音楽家というのは、指揮者だとジュゼッペ・シノーポリがすぐに思い浮かびますが、実は他にもたくさんいます。二束のわらじを履く日本人演奏家/医者もいますから、両者に相通じるものがあるのか、機会があれば一度話を聴いてみたいものです。
ヘレヴェッヘはまず、バッハやバロック音楽の演奏解釈で高く評価され、作品の時代考証をふまえた演奏を行っていますが、今回来日するオーケストラも、作品が書かれた当時の楽器やそのコピーを用い、それに合った奏法で演奏するのが大きな特徴です。いわゆる「古楽器」「ピリオド奏法」というのがそれです。これらがクラシック音楽ファンの間で大きな話題を集めるようになったのは20世紀後半のことでしたが、当初は演奏団体が先鋭的で、その音の響きや演奏を受け入れられない音楽ファンも少なからずいたようです。
ヘレヴェッヘとそのオーケストラの演奏は、聴衆に違和感を感じさせるタイプの音楽とはまったく無縁で、自然で柔軟な音楽の流れが美しく、それぞれの作品を聴くにもっとも相応しい姿ではないかと思わせてくれます。そして、今回のモーツァルト作品は、彼が長年研究と演奏を重ねている得意のプログラム。この機会にぜひ聴いておきたいコンサートと言えるでしょう。
次回も、彼らの演奏の魅力をさらにご紹介します。
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