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2025/04/15 09:00  | インテリジェンスサロン |  コメント(0)

トランプ政権の対中戦略 関税のキーパーソンと逆キッシンジャー戦略


トランプ氏の相互関税、全面発動-中国は報復、貿易戦争激化へ(4/9 ブルームバーグ)

米国のトランプ政権は、米東部時間4月9日午前0時1分(日本時間午後1時1分)、「相互関税」の第2弾として、約60の国・地域ごとに税率を算出した新関税を発動しました。第1弾は4月5日に発動しており、ほぼ全ての国・地域に一律10%をかけていました。そして第2弾では、同盟国である日本にも容赦なく24%を適用しました。

さらに驚くのが対立を深める中国に対しての追加関税です。トランプ政権は84%という異例の高税率をかけることを決めました。これまでに発動済みの関税を合わせると、対中関税は計104%に達します。この衝撃は甚大でした。各国の市場は暴落し、世界の株式市場から実に数百兆円もの時価総額が吹き飛んだ計算になります。

ところがそのわずか13時間後、トランプ大統領は、報復措置をとらずに問題の解決に向けて協議を要請してきている国などに対しては「相互関税」の措置を90日間、停止すると発表しました。

米大統領 相互関税90日間停止 金融市場の動揺抑えるねらいか(4/10 NHK)

こうした決断の背景について、トランプ政権内で経済政策を担当する政府関係者は、次のように説明しています。

「関税発動後、外国の政府や投資家が米国債を大量売却したとの情報によって、国債利回りが急上昇し、2020年のコロナ禍に近い動きを見せたため、大統領が一時停止を決断した」
 
これを裏付けるように、トランプ氏自身もこの日、記者団に対し、「債券市場はやっかいだ」と語っています。このあたりの背景については、4月10日放送のフジテレビの情報番組「サン!シャイン」で解説しました。

一方、中国からの輸入品への追加関税については、中国が報復措置をとったとして、104%だった追加関税率を125%に引き上げると明らかにし(計145%に)、さらに圧力を強めました。これに対し、中国も、さらに50%の関税を追加し、対米関税は計125%に達しました。

今回は、トランプ政権の対中政策の連載シリーズということで、まず関税について、重要なキーパーソンの分析を通じて、その意義を明らかにします。その上で、関税と連動して「逆キッシンジャー戦略」がどう動いているかをお伝えします。

※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下のとおりです。

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トランプ政権の対中戦略
関税のキーパーソンと「逆キッシンジャー戦略」
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●トランプ関税のキーパーソン
●関税の背後にある動き
●政権の権力構造と逆キッシンジャー戦略
●オンライン懇親会の案内

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あとがき
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私は、よくSNSなどで「炎上」します。テレビやラジオ、X(旧ツイッター)で、批判を含めて忌憚なく意見発信をしているからだと思いますが、新聞社時代もスクープを書く前に、某雑誌社に対抗して「#峯村砲」とつぶやいて、幹部からしょっちゅう叱責されていました(苦笑)。

それでも気にせずに発信しているのは、日本は憲法で「言論の自由」が保障されているからですが、もう一つの理由として、マスメディアが置かれている状況が大きく変わっていることもあります。

かつてのようにマスコミが世論をほぼ独占していた時代は、一方的に記事や番組を発信していれば良かったのでしょう。しかし、SNSが台頭してきている今、マスコミ側からも積極的に発信をしていく必要があると考えています。その上で、Xなどでいただいた批判についてはできるだけ目を通して、自分の意見を相対化するようにしています。

先日も、テレビの私の発言が「炎上」しました。10日の朝、フジテレビの情報番組「サン!シャイン」でトランプ関税について解説をしたときのことです(以下のリンク参照)。

【急転】「90日間停止」トランプ氏相互関税方針転換 “黒幕”ナバロ氏とは?専門家解説【サン!シャインニュース】

ちょうど放送の数時間前にトランプ大統領が「相互関税」の一時停止を発表したため、徹夜で政権関係者に取材をしてその背景を探り、その上で、強気だったトランプ氏が株式市場の暴落に加え、米国債市場でも混乱が起きたことに慌てたため、一時停止に踏み切ったことを解説しました。これは一次情報に基づくスクープでした。そして、さっそく放送直後にスポーツ紙が私の発言の一部を取り上げました。

トランプ氏は「メチャクチャびびってる」 峯村健司氏「トランプ関税」急きょ停止の裏側解説(4/10 日刊スポーツ)

ところがこの記事は、私が話した言葉をそのまま掲載し、新聞記事としてふさわしいとは言い難い見出しを付けていました。「専門家のくせにふざけたい言い回し」「自分の想像で適当に語っている」などとSNS上で批判されました。もう少し文語体にしてくれていれば、とも思いましたが後の祭りでした。

私としては、政権関係者への取材に基づいた分析をかみ砕いて解説しました。しかも結果として、この解説が正しかったことが証明されています。もう少し丁寧な言葉を使った方が良かったのかもしれないとは思います。しかし、専門家として早い段階で的確な分析ができたことは自負しています。

これからもご批判には真摯に耳を傾けつつ、できるだけ正確な情報をわかりやすく解説していく努力をしていくつもりです。そして最もディープなインテリジェンスはこのメルマガでお届けしていきます。ぜひ次号以降も楽しみにしていてください!

●最近のメディア出演

【※イベント情報】
4月19日 飯田浩司のOK! Cozy up! 激論!有楽町SUMMIT2025 in 東京国際フォーラム

フジテレビ「サン!シャイン」
【急転】「90日間停止」トランプ氏相互関税方針転換 “黒幕”ナバロ氏とは?専門家解説【サン!シャインニュース】

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【デフレ化する中国経済】柯隆&峯村健司が徹底解説/トランプ関税が追い打ち…外国企業の撤退も/習近平とトランプのディールの行方は?【政策超分析】

【中国軍で混乱も】台湾有事、2026年までが危ない?/中国には戦費不足の懸念も/峯村健司&柯隆が最新情勢を解説/中国が狙うのは「海上封鎖」と「兵糧攻め」/トランプは台湾を見捨てる?【政策超分析】

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