2021/06/15 19:30 | 選挙 | コメント(4)
自民党の候補者調整 ~ 派閥の代理戦争 ~(10)志帥会 vs. 平成研(北海道7区)前編
■ 菅内閣「支持」37% 「不支持」は45%で内閣発足以降最も高く(6/14付NHK)
最新の世論調査(6/11-13実施)の結果が出ました。昨年9月の発足以来、菅内閣の不支持率が最も高くなっています。
以前にもお伝えしましたが、菅内閣の支持率は、コロナ対策への評価によって上下してきました。
そのコロナ対策については、まず65歳以上の高齢者を対象として、4月下旬から自治体によるワクチンの個別接種や集団接種が始まりました。加えて、5/24には東京と大阪に自衛隊による大規模接種センターもオープンしました。また、自治体によっては、幅広い年齢層への接種を行うようになっています。
こうした取り組みからは、菅義偉総理のワクチン接種に対する強い意欲が感じられます。したがって、これまでのセオリーからすれば、内閣支持率はある程度上向くのではないかと予想されていました。
ところが、調査結果を見ると、「評価されている」とは言い難い数字です。これはなぜなのでしょうか。
やはり、東京オリンピックについての菅総理の説明不足が大きいのだろうと思います。世論調査でも、オリンピックを開催するのかどうか、開催するのであればどのような対策を取るのかという国民の疑問に対して、総理の説明に「あまり納得していない」「全く納得していない」という人が69%を占めています。
これは無理からぬことのように思います。6/9に党首討論が行われましたが、ここでの菅総理の発言には、冒頭から失望させられました。
立憲民主党の枝野幸男代表からの「3度目の緊急事態宣言が発出されるに至った原因は、2度目の緊急事態宣言の解除が早すぎたことにあるのではないか」という質問に対し、菅総理は、「世界のさまざまな国でロックダウンを行ってきたが、外出禁止などの厳しい措置を行った国々でも、結果として(感染拡大を)収束できなかった」と答えたのです。
ロックダウンに効果がない・・・そんなことを言ったら、菅政権が求めてきた、飲食店への営業時間短縮の要請、不要不急の外出を控える呼びかけ、テレワークの推奨など、一体何なんだと思ってしまいます。
党首討論は、野党の代表と論戦を行うことを通じて、総理から国民に対し、自らの思いや考えをアピールする良い機会になり得ます。局面を変えるチャンスとも言えるのです。
しかし、菅総理は、国会答弁や記者会見と同様、あらかじめ用意されたペーパーを読むことに終始しました。これでは、懐疑的になっている国民を納得させるのは難しいのではないでしょうか。チャンスを自分で潰しているも同然です。
そんな中、この世論調査の実施期間と同じ6/11-13に、イギリスのコーンウォールでG7サミットが開催されました。菅総理は、各国首脳に対して東京オリンピックに選手を送ってくれるよう、積極的に訴えたようです。その甲斐あってか、首脳声明の結びにあたる「結語」の中に、東京オリンピック開催への支持が盛り込まれました。菅総理は、「全首脳から大変力強い支持をいただいた」とご満悦の様子でした。
■ 五輪開催「全首脳から支持」 メルケル氏は触れず(6/14付朝日新聞)
しかし、CBS Newsなどアメリカメディアの報道を見ると、今回のサミットで話し合われたのは”China, Russia, trade, tax, and COVID“(中国・ロシア・通商・税制・コロナ)とされており、オリンピックには触れられていません。まあ、それはそうですよね(苦笑)。日本以外の各国の首脳にしてみれば、東京オリンピックの開催にわざわざ反対を表明する理由もないのですから。いわば「お付き合い」で賛同してくれたのでしょう。
また、同じくCBS Newsは、「東京オリンピックで選手や関係者がコロナに感染したら、終了後に世界各国に持ち帰ることになる」と懸念を示しています。
■ “Tokyo Olympics In Jeopardy As Japan Battles COVID Wave”(6/4付CBS News)
それでも、オリンピックが行われ、日本人選手が活躍すれば、世の中は盛り上がります。熱気の中で、菅総理への不満も忘れられるかもしれません。少なくとも菅総理はそうなることを期待しているはずです。しかし、そううまくいくでしょうか。引き続きフォローしてお伝えします。
さて、ここから本題です。自民党の候補者調整の連載の続きです。今回は、志帥会と平成研が睨み合っている北海道7区について解説します。
※ここから先はメルマガ(有料版)での解説になります。目次は以下の通りです。
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自民党の候補者調整 ~ 派閥の代理戦争 ~(10)志帥会 vs. 平成研(北海道7区)前編
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●郵政解散の余波
●北海のヒグマがつないだ縁
●還暦で大金星
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4 comments on “自民党の候補者調整 ~ 派閥の代理戦争 ~(10)志帥会 vs. 平成研(北海道7区)前編”
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永田町さん、話が横道にそれてばかりで、面白すぎます。
政治の記事は、政治家に肩入れしていたり、利害関係の説明に終始することが多いような気がします。
永田町さんの記事は、視点が定まっているので、共感できる内容が多いです。
これからも横道にそれながら、連載の続きを楽しみたいです。
後半、伊東さんと伊藤さんが出てきましたが、同じ人(伊東さん)を指している、という理解であっていますよね。
いつもありがとうございます。
大手メディアの政治記事とは違う視点をお届けできたら・・・と思っていますので、大変嬉しいコメントです。
また、「伊東さん」「伊藤さん」のご指摘をありがとうございます。全て同じ「伊東さん」です。誤字が多くて申し訳ありません。
いつもありがとうございます。
メルマガ読ませていただいております。とても面白いです。
15日に野党が内閣不信任案を出して、否決されました。
なぜ、野党は否決される不信任案を出し続けるのでしょうか?
こんな意味のないように思えることをやり続けている野党に対して、毎回がっかりしてしまうのですが、これはこれで意味があるのでしょうか?それともやり方が下手なのでしょうか??
コメントありがとうございます。
「野党はなぜ否決されるとわかっている不信任案を出すのか?」というご質問・・・不思議ですよね。メルマガで解説したいと思います。