2010/03/05 18:22 | 言いたい放題 | コメント(8)
新「断絶の時代」
当時の先進国が軒並み植民地を失い、いま新興国として力をつけつつある国々が続々と独立し、東西冷戦がピークを迎えた時期だった。
折からベトナムではアメリカが泥沼化した戦争にはまり込み、国内では反戦ムードの高まりやヒッピーがそこいら中に溢れ、なるほどこれから世界は新しい時代に入るのかと、彼の本のややこしい内容もさることながら、タイトル通りの時代の断絶、そして新しい時代への息吹を肌で感じた時代だった。そのころ日本でも反戦運動が盛り上がり、団塊の世代が昼はデモ、夜は歌声喫茶で盛り上がっていた。
反戦をテーマとした歌もボブディランなど世界的にあちらこちらでよく唄われていたが、ほどなくアメリカはベトナムで敗れ、同時に反戦運動もヒッピーも姿を消していった。
問題はその断絶の時代から後の各国の変わりようである。日本でもデモに明け暮れた学生がヘルメットを捨て長髪を切り、リクルートルックに姿を変えて、続々とそれまで罵っていた大企業に就職していったが、アメリカの学生の変わりようはもっと凄い。
それまでMBAをモンキー、ビジネス アドミニストレーションと揶揄して、ビジネススクールの学生をピッグ(豚)呼ばわりしていた連中が一転してMBAに群がり、それまで優秀な学生はGMなど大企業を目指したのだが一転して、シリコンバレーのベンチャーキャピタルやウォール街を目指すようになり、ブルームバーグやポールソンなど飛んでもない大金持ちに変わっていったのである。
もう国には頼らない
今日もさるところで「変わる世界 変われぬ日本」というタイトルで講演してきたが、タイトル通り、日本の国民性は何故か変わることに対して抵抗があるようで、変わることが潔ぎよいこととは考えない風潮が強い。しかしいまや再び新しい型の「断絶の時代」になっているのだから、変わらなければ国も個人もますますグローバル化する時代に生き残れないのではないかという懸念は持っておくべきだろう。
トヨタがいま盛んに取り上げられているのも、考えようではこれまで100年続いたエンジンの時代からモーターへの時代へ移る過渡期、つまり「断絶の時代」と考えられなくもない。こんな時代には既成の概念を一回棚に上げて、原点から変化を見つめ直し、修正すべきは修正する時なのであろう。
極端な例を出せば、「もう国には頼らない」と考えるのもいい。中国人などは生まれた時から国など信用するなと教えられ育っているし、アメリカ人でも国は時として国民に害となることはよく知っている。
ところが日本は昔から「泣く子と地頭には勝てない」「お上に逆らったら損をする」と刷り込まれているようで、まだ国が何とかしてくれると考えているようだ。一方ではこれ以上国が借金して大丈夫かと思いながら、それでも国を信用している姿はまるで漫画としか言いようがない。
そこでもう国には年金も失業も健康も全て自分でやる。だから自分や会社が払っている社会保険料を自分によこせ、運用は自分でやるとして計算したらどうなるかを、自分では出来ないので友人の会計士でキャピタル アセット マネージメント社の北山雅一さんに試算して貰った。もちろん試算だから年率いくらで運用出来るかで大きな差が出るのだが、新入社員からスタートして毎年7%の複利で計算すると43年後には、5億円以上にもなる。20%だと軽く10億円を超す。
複利の運用は長くなれば長くなるほど大きくなる。いま日本には夢がないとぼやいている日本の若者にも、時間という何よりの味方があるのだから、目先きの暗い話にはまるのではなく、折角新たな「断絶の時代」が始まったのなら、こちらから断絶して自分の足で立ってみることを考えてみてはどうだろう。
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8 comments on “新「断絶の時代」”
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年利7%で複利で・・・
これを選べる(それだけの情報収集をし、選択して投資し、それが当たって、脱税呼ばわりもされないようちゃんと納税申告し納税もして…)、そんな人間が、日本の大衆にどれほど居ますでしょうか。私には無理ですね。
年利7%? 0.07%の間違いでは?
出てきた古代エジプト象形文字を解く・・
「今の若い奴を理解出来ない」
とあった・・きっと洞穴時代でも言われていただろう。
『生れ落ちた時から老人だった』
キュルケゴールは書いている・・
そんな方を除外しても・・
多分成長ホルモン関係だと当て推量・・
この分泌が収まらない限り・・断絶は収まらない。
断絶は人間社会では必要不可欠なホルモンの一種とすれば・・
『青春は若い者むには勿体ない』
バーナード・ショーの名言が蘇る・・・
賛成です。国であれ企業であれ個人であれ、育てるのであれば、最終目標が自立でなければ、全てはその場しのぎに終わるのではないかと思います。
まずは、民間企業であれば逮捕者続出であろう公的機関が自立し、個々人を自立に導くような存在になって頂きたい、という願望もありますが。時にはぶん殴る、それでこそ友愛ではないでしょうか。
採集狩猟
農耕革命
産業革命
情報革命
そして今エネルギー革命
短い人類の歴史の中で数回大きな革命が起きた。その度に世界の地図が塗り替えられ、そして大きな富を生んでいる。しかしこれは公平には行われない。必死に先に進んで革命をおこした所にのみ恩恵がもたされる。
今又大きなチャンスに人類は恵まれた。革命に突入したばかりだ。これは18/19世紀の産業革命、50年前の情報革命の時とまさに同じだ。これから又地球のどこかで信じられないほどの巨大な富が生まれる。その競争が昨年から一斉に始まった。
某株式サイトなんぞ、年20%!
複利で、元金300万円が7000万円に、らしいです。
年率7%ですか。さすが強気の三原先生、随分大きく出ましたね。ちょっと無理筋じゃあないですか?それは、短期的には2ケタ台の率を出す人もいるでしょう。新興国でうまく立ち回れば可能なのかな。
随分前に、企業の寿命は30年という言葉が流行った…(今は聞かないが)
ビジネスモデルの寿命、世の中の変化についていけないと、ということでしょう。
百貨店あたりが今の事例か。
Wikiでは、「東京日本橋の合名会社三井呉服店が1904年に株式会社三越呉服店を設立し、「デパートメントストア宣言」を行ったのが日本の百貨店の始まり」とある。
100年は持ったんですね。
で、言いたかったことは、前段と無関係かもしれないが、毎年毎年投資をしても、個人は勝てないのではないかということです。
日本株(日経平均)では、2003年4月の8000円割れで買い、07年2月18000円で売る。同7月に空売りし、08年10月、7000円割れで買い戻す。
そんなこと、誰が出来るんじゃい!って感じです。
今、30年で儲けようとするなら、これから発展していく国への投資なんでしょうね、ぐっちー氏がそれがどこかの答は書いてくれないのですが。
まさしく、日本には投資の情報が不足しているのです。
ぐっちーさんに答を教えるよう、貴殿からも迫って下さい…
安定して年率7%運用できる能力の方が果たしてどれだけいるでしょうか?
私は地方に住んでいるのですが、身近で株をやった人はまずほとんどみんな損をしてます。
役場を退職し、定期預金や個人年金などを解約して、やってそれを全て失った人もいます。
運用方法についての知識、技能を一般人でも正確に身に付ける学習システムがない限り難しいと思います。