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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2010/01/22 22:26  | 言いたい放題 |  コメント(5)

あゝ日航


 生まれて初めて飛行機に乗ったのは昭和37年、高松から大分までの富士航空だった。戦時中のDC3機みたいな飛行機で、尻を着いて止まるタイプ。スピードが上がるにつれ尻が上がってくる感覚は今でも覚えている。当時JALは幹線のみでなかなか乗る機会がなかったが、今で言うCAは良家の子女ばかり、「化石の一期、神話の十期、向こう横丁の30期」なんて戯言は、その後CAが大量に生まれたころの話であり、いまから50年近くも前の飛行機は、それはそれは高貴なものという印象だった。
 パイロットになる夢は子供のころからもっていたので、大学2年終了後受験できる航空大学校に行こうと考えて、大学の教務課に履修証明を貰いに行ったのだが「国立から国立を受ける場合は退学届けを出してくれ」と言われ、もし航空大学校を落ちたら復学出来るのかと聞いたら何と、「普通は復学出来ますが、あなたの成績では教授会がダメと言うかも」と言われ泣く泣く断念した苦い思い出もある。
 その後国際関係の仕事についてからは、それこそいまはもう無くなったPANAMやBOAC、サベナ、アリタリアなど、ずい分あちらこちらの飛行機に乗って仕事をしてきたが、なかでも当時のJALは何となく品があって、日本の顔として誇らしい思いをしつつ乗っていたにだが・・・・。
 そのJALがこんなことになるなんて・・・・・。経営者に人を得ないとダメということがよく判かった。株式投資にも言えることだが、これからは経営者ですぞ。

閑話休題

 今週は日頃仲良くして貰っている三菱UFJ証券の景気循環研究所所長の嶋中雄二さんのお話をじっくり聞くことが出来た。
 彼は山ほどいるエコノミストの皆さんのなかでも珍しく本音を、しかも優しい口調で厳しく話すので大変有意義だし、大きく尊敬もしているのだが、今回のお話は「断ち切るべき二番底の亡霊」と、例によって優しい口調ではびこる二番底説に一喝を加えた。
 要約すれば皆んな頑張ったおかげで先行指標も一致指数もは全て上向いているのに、こんな大切な時に二番底なんかに怯えているのはおかしい。ましてやそれを大声で叫んでいる連中はもっとおかしいのではないかと、胸のすくようなご託宣だった。
 弱気からは何も生まれないというのが自説の身としては、わが意を得たりだったので興味があれば三菱UFJ証券のホームページをぜひご覧いただきたい。

先に逝った友

 今週はまた本当に惜しい友人のお別れ会もあった。30年ほど前に竹村健一さんのご紹介で知り合った千葉トヨペットの勝又基夫さんが昨年末に66歳の若さで亡くなり、お別れの会が1月21日に行われた。
 自分よりはるかに若い友人に先立たれるのは悲しいことであり、またこの俺が生き残っていてもいいのかと、改めて自分の立ち位置も考え直しているところである。
 彼も若いころには相当にヤンチャをやったとかで妙に気が合った。彼の凄いところは自社の社員に「車屋が車の話をするのは当たり前、それに加えて何か自分なりの魅力をつけろ」と社員を教育していたことである。
 そこで「三原さんの周りに面白い人がいたらぜひうちの支店長会議で話して貰いたい」と頼まれ、まだ売りだす前の小池百合子大臣や吉崎達彦さん、伊藤洋一さんなど、有名になりそうな方々を、まだ有名になる前に講師としてお願いし話ていただいたのだが、その後こうした方々がメジャーになるにつれ社員の方々の話のタネも増えていって勝又さんは大変喜んでくれた。
 オーナー経営者としては極めてユニークで時代をしっかり先取り出来る方だった。 惜しい人を亡くしたものだ。
 お別れの会にいらした方々の数もさることながら、トヨタの豊田章男社長が献花を終わった後も残って、参会者の方々としっかり話していらしたが、これも彼の人望の為せるところだろう。生き様とは何かを改めて教えられた。
 

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5 comments on “あゝ日航
  1. あっちー&こっちー より
    ふと想うこと。

    日航にも、栄光の時代があったはず。
    優秀な乗組員もあまた(数多)いたであろう。
    彼彼女のプライドは何処へ。

    今になっての話でなければ、株式市場でもっと早くに安値で警鐘しておればよいのに、やはり管理相場だったのだろう。
    日本の株式市場は国家公認鉄火場。
    シロウトには見えない巨大な力が働いている。

  2. ジム より
    ロゴとPR

    何時か覚えていませんがある時日本に帰ってきた時、JALの機体のマークが無味乾燥で無意味な似非モダン意匠に変わっていてびっくりしました。成金が自己顕示したい時に買う悪趣味モダンです。テレビのコマーシャルも似非インテリ好みの暗くて冷たい、訳の分からない雰囲気ものだった事が強く印象に残っています。羽田から世界に飛び立った暖かく優しく、そして品よく丁寧で親切なJALは終わったとその時に思いました。そうそう、バブルで親切な気持ちが終わり、物欲にかられた人種に変化した現象だったのでしょう。

    今でも同じ様な似非インテリが横行しています。同潤会青山アパート解体がその典型的な似非インテリ成金趣味です。嗚呼。築地の移転も同じです。日本橋を高速道路で蓋する事も、、、

    それでいて東京を散歩すると汚水の匂いがぷんぷんとします。

    自分だけが得したい、目立ちたい、そんな成金趣味がますます深く進行し、そして成金なので自分以外の事には興味を持つ余裕がない。JALはその頃にすでに解体されてしまっているのです。

  3. ポッチー より
    奢る者は久しからず

    グッチーさんも言っているように、JALの再生は厳しいものがあると思います。社員の方には気の毒ですが、相当の覚悟で頑張っていただきたい。
    一方、疑惑を持たれている幹事長に平伏するだけで、党内部から批判めいた動きがないのも不思議です。検察批判はありますが、謙虚さが足りません。
    だいたい税金から手当てを貰っている一人の国会議員が、そんなに沢山の不動産を所有していること自体異常と思いませんか?奢る者は久しからず。国民はそれほど愚かではないですよ。

  4. にゃん。 より
    二番底

    一般人に経営者の人となりはよくわかりませんが、数年前のL事件・・・社長があんな露出の仕方をしている会社はろくでもないと、シロウトながら手出し無用と思い、難を逃れました。
    そういう普通の感覚を大事にすべきなのですね。

    二番底はあるかないかわかりません。皆が二番底二番底言っているときはないのかな、と、思っていました。
    ところがこのところ、強気な空気だったように思うので、もしかしたら危ないかもしれないと思うようになりました。
    二番底があれば儲かる人がいるのもたしかですし、あってもなくても個人はそれについていくだけですが・・・
    株価も上がり、景気もよくなり、皆がもうかる世の中がいいに決まってます。そういう世の中になってほしいと思っています。

  5. 子供店長 より
    激高大臣殿

    JAL問題で大ミソつけた子ども大臣が昨日の委員会でぶち切れていた。みっともないぜ。
    まったく君は大臣の資質に欠けておるな。子供店長のほうがまだ仕事しておるよ。
    何でも前政権のせいにするなよ。それを改善してくれるのを期待して国民は民主党を選んだんじゃないのかね。開き直るならもう辞めろ!
    君が立ち上げた評判の悪いJALのタスクフォースは大失敗だろ。あんなことをしているうちにJALはどんどん信用失墜し、毀損が膨らんだんじゃないのかね。子供大臣さん。
    八ツ場ダム問題だって同じだよ。

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